伊勢物語と仁勢物語

パロディーと諧謔の、仮名草子。

伊勢・仁勢物語

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伊勢物語と仁勢物語117

伊勢物語(第117段)仁勢物語(第117段)

イメージ 1
伊勢物語(第117段)

むかしみかと住吉に行幸したま
ひけり
  我見てもひさしくなりぬ住吉の
  きしのひめ松いくよへぬらん
おほん神けきやうし給て
  むつましと君は白浪みつかきの
  ひさしき世よりいはひそめてき

仁勢物語(第117段)

をかし盲目(メクラ)すゞみに上洛して
  吾みても 久しくなりぬ ?叩吉か
  きちんのはかま 幾世へぬらん
をんつめは検校になりて
  むつかしと平家もしらす三線も
  琵琶も小うたもいはて過てき

参考1(第117段)

住吉=大阪府南部の旧郡名(伊)
行幸=ぎょうこう・みゆき、天皇が出かけること、2ヶ所以上は「巡幸」(伊)
ひめ松=姫松、小さい松、ここでは年数が経っている松なので「美しい松」(伊)
おほん神=大御神(伊)
けきやう=現形・顕形・げぎょう、神仏などが、人前に姿をあらわすこと(伊)
神仏などが、人前に姿をあらわすこと(伊)
君=天皇(伊)
白浪=「白波」と「知らない」の掛詞(伊)
みつかき=瑞垣・みずがき、神社などの周囲に設けた垣根、「久し」の哥枕(伊)
いはひそめてき=祝福してきましたよ(伊)
盲目(メクラ)=ここでは座頭などの身分の盲人(仁)
すゞみ=涼み、当道の祖神である雨夜尊の母后の逮夜(たいや)とされる陰暦六月一九日に、
検校・勾当・座頭などが京都清聚庵に会し、母后の追善のために行なった法会(仁)
(当道=平曲・三弦・箏曲・鍼灸・按摩などに携わる盲人により組織された職能団体)
きちん=きぢん、麹塵・きくぢん、黄と青の糸による織り色、盲人の衆分が着るとされた色
をんつめ=おんづめ・おんづまり、とどのつまり、結局(仁)
幾世=「いくよ・きせ」と両方に読める(漢字・仮名)(仁)
検校=けんぎょう、盲官の一、当道所属の盲人の最高の位階(仁)
(盲官=昔、琵琶・管弦や按摩・鍼などを業とした盲人に与えられた官名、総検校の下に、検校・勾当・座頭・衆分などの階級があった)
平家=平家物語を語る平家琵琶(仁)
三線=三味線(仁)

参考2

伊勢物語は、住吉の松を褒め称え、住吉の神もそれに応えたもの。

仁勢物語は、「検校」に上り詰めた盲人が、平家琵琶も弾けずどうして過ごしてきたのだろうか?

私が尊敬する「塙 保己一」は「総検校」でした。

古典ゆえ不適切な言葉があります。ご了承ください。

「住之江」「住吉」どっち??
大阪府南部の旧郡名。大阪湾に臨む一帯の地。
古くは「すみのえ」と呼ばれ、平安初期以降「すみよし」として定着。

\¤\᡼\¸ 20_______φ(.. ) 軽鴨の介

伊勢物語と仁勢物語116

伊勢物語と仁勢物語116

伊勢物語(第116段)仁勢物語(第116段)

伊勢物語(第116段)

むかしおとこすゝろにみちのくに
まてまとひいにけり京におもふ
人にいひやる
  浪まより見ゆるこしまのはまひさ
    し
  ひさしくなりぬきみにあひ見て
なにこともみなよくなりにけり
となんいひやりける

仁勢物語(第116段)

をかし男(スズキ)を美豆(ミズ)野の邊にてとらへにけり
京におもふ人にをくりやる
  浪間にて つれるの 濱しほは
  秌(アキ)風ならぬ 君にまいらす
何事も皆居帰てとなんいひやりける

参考1(第116段)

すゝろに=すゞろに、目的もなしに(伊)
まとひいにけり=さまよいながら行った(伊)
はまひさし=はまびさし・浜庇、浜の小屋の庇、「久し」の序詞・掛詞(伊)
なにこともみなよくなりにけり=(旅で貴女のことを考えていると)何となく良くなったよ(伊)
魚遍+戸旁=鱸・スズキ、大きい物は1mにもなる白身に魚、異字体(仁)
美豆野=瑞野・美津野・美豆、伏見区美豆町の左右馬寮管轄の牧。
     低湿地の牧に雨が降り続くと水浸しになるので「水の御牧」とも、
     京都競馬場(淀競馬場)あたり(仁)
濱しほ=浜塩、川や海辺でする魚の塩焼、浜焼(仁)
秌=秋、異字体(仁)
まいらす= 参らす・進らす、物などをすすめる意の謙譲語、さしあげる(仁)

参考2

万葉集2753
波の間ゆ 見ゆる小島の 浜久木 久しくなりぬ 君に逢はずして

伊勢物語は、旅に出て久しく貴女に会わないでいたら、貴女が恋しくなりました。

仁勢物語は、秋風が吹かないように、美味しそうな鱸を浜焼きにして貴女に送りました。


スズキは内湾から河川にいる魚で、美味しい魚ですが、
ダイオキシンやPCB、重金属などで汚染された水域や、
良好でない水域で捕獲した個体の内臓を食べることは避けるべきです。
妊婦さんも気をつけて。

スズキは出世するけど、鴨は出世とは無縁でした。_______φ(.. ) 軽鴨の介
異字体が上手く表示されていませんでした。

伊勢物語と仁勢物語115

伊勢物語(第115段)仁勢物語(第115段)

伊勢物語(第115段)

むかしみちのくにゝておとこ女すみ
けりおとこ宮こへいなんといふこの女
いとかなしうてうまのはなむけを
たにせむとておきのゐてみやこ
しまといふ所にてさけのませてよ
    める
  をきのゐて身をやくよりもかなしき
    は
  宮こしまへのわかれなりけり

仁勢物語(第115段)

をかし耳の垢ありて男女つんほに成にけり
男耳の穴ほらんと云この女いとかなしくて馬のいき
あひをたにのませんとてをきゐてみやりけれは
酒にてのみてよめる
  イメージ 1燠・ヲキ)の火て 身をやくよりも かなしきは
  みゝのあなほる いたさなりけり

参考1(第115段)

みちのくに=陸奥、奥州五国の古名(伊)
おとこ女すみけり=男女共に同棲していた
宮こへいなんといふ=都へ帰ると言った
うまのはなむけ=餞別、馬の鼻を目的地に向けて道中の安全を祈ったことから
おきのゐて=燠火・熾火の居て、置き退いて、地名とも?(沖の井手、沖にある井堰)
みやこしま=都島(宮戸島)と言う場所、都と島に別々になる
つんほ=つんぼ、聾、耳の聞こえないこと(仁)
いきあひ=息合い、呼吸を整え元気をつけるための薬、いきあいぐすり(仁)
◎(ヲキ)の火=おきび・燠火・熾火、赤くおこった炭火(仁)

参考2

古今墨滅歌1104・小野小町
おきのゐて 身をやくよりも かなしきは 宮こしまべの わかれなりけり

熾火が燃えて身を焼くのよりも切ないのは、都島べ(辺)で、別れ別れになることです。

古今集巻十物名部に入っていたが、その後抹消された歌。伊勢物語百十五段に説話化。
すみけちうた・墨滅歌=古今和歌集の歌の中で、古写本に書かれていながら墨で消してあるもの。流布本では巻末にまとめられている。ぼくめつか

伊勢物語は、けなげな現地妻の悲しさ。

仁勢物語は、耳掃除の嫌いな女。

古典ゆえ不適切な言葉があります。ご了承ください。

http://messenger.live.jp/emoji/zukan/images/sm_emo_g.gifあの子の膝枕で耳掃除、してもらいたいな!
空いているお手々で、おいたなど・・・

¥¤¥᡼¥¸ 4_______φ(.. ) おいたが過ぎる 軽鴨の介


秘蔵はいけません-2

この間ブログ開設1周年のご褒美に買った「伊勢物語」、
挿絵の後半の一部をご紹介します。

天明七年=1787年
皇都書林 銭屋庄兵衛
絵師 下川辺捨水子
どの段か思い起こしてください。

イメージ 1
吹風に こその桜は ちらすとも
     あなたのみかた 人の心は

イメージ 2
かち人の わたれとぬれぬ えにしあれは
     又あふさかの せきはこえなん

イメージ 3
わすれては 夢かとそ思 おもひきや
     ゆきふみわけて 君を見むとは

イメージ 4
ぬきみたる 人こそあるらし 白玉の
     まなくもちるか そてのせはきに

イメージ 5
おきなさひ 人なとかめそ かり衣
     けふはかりとそ たつもなくなる

この本の事は、文目も知らぬ山の神は知りません。

¥¤¥᡼¥¸ 13

50段、69段、83段、87段、114段の挿絵です。


伊勢物語と仁勢物語114

伊勢物語(第114段)仁勢物語(第114段)

伊勢物語(第114段)

むかし仁和のみかとせり河に行幸
したまひける時いまはさること
にけなく思けれともとつきにける
事なれはおほたかのたかゝひ
    にて
さふらはせたまひけるすりかりきぬ
のたもとにかきつけゝる
  おきなさひ人なとかめそかり衣
  けふはかりとそたつもなくなる
おほやけの御けしきあしかりけり
をのかよはひを思けれとわかゝらぬ
人はきゝおひけりとや

仁勢物語(第114段)

をかし仁勢男芹(セリ)焼の料理しける時今はさる
物歯もなく思けれと もとすきにける物なれは
大たかつきにたんと盛てくらはせけり摺子木砧(スリコキキヌタ)
に書付ける
  おきなとて 人なわらひそ 芹焼も
  けふはかりとそ たんとくふなる
大酒飲けしきよかりけり をのかすきを思けれは
すかぬ人は聞にくかりけりとや

参考1(第114段)

仁和のみかと=光孝天皇(伊)
せり河=芹河、鳥羽離宮近くの川(伊)
いまはさることにけなく思けれとも=今はその様な事は似つかわしくないと思っているけど(伊)
つきにける事=(鷹狩りの役職に)就いていたので(伊)
おほたかのたかゝひ=大鷹の鷹飼、大鷹の雌でもって鶴や雉を狩る(伊)
すりかりきぬ=摺狩衣、摺り染めにした狩衣、多く野遊びに用いた(伊)
おきなさひ=翁さび、老人じみた(伊)
けふはかりとそ たつもなくなる=今日ばかり(狩り)とぞ 鶴(たづ)も鳴くなる、
    今日が爺様じみた私の最後のご奉公と鶴が鳴いています(伊)
おほやけ=公、ここでは天皇(伊)
御けしきあしかりけり=(天皇の)ご機嫌がお悪かった(伊)
をのかよはひを思けれとわかゝらぬ人は=己が齢の事を詠ったけれど若い人(天皇)は
きゝおひけりとや=自分の事として聞いたとか(伊)
仁勢男=ニセモノ男(仁)
芹焼=根芹を鴨・雉子などの肉と一緒に醤油と酢で煮たもの、酢の摂りすぎは酸蝕歯になる(仁)
大たかつきにたんと盛て=大高坏に沢山盛って(仁)
摺子木砧= すり鉢で物をするのに用いる棒、サンショウの木が良材とされる(仁)

参考2

後撰集 1076
おなし日、たかかひにて、かりきぬのたもとにつるのかたをぬひてかきつけたりける/行幸の又の日なん致仕の表たてまつりける      行平 在原行平朝臣

  おきなさひ 人なとかめそ 狩衣
  けふはかりとそ たつもなくなる

致仕=ちし/ちじ、官職を退いて引退すること、「骸骨を乞う」とも称する

伊勢物語は、後撰集とも合わせて読むと、晴れやかな鷹狩りに引退を願い出て、かつ年齢の哥を詠い、若くはない天皇のご機嫌を損ねてしまった事を云っている。後撰集は後に兄の行平が語ったものか。

仁勢物語は、「芹焼」で酸蝕歯になり歯が無くなった男。
「芹焼」を摺り子木で磨りつぶして、沢山食べられた。
酸蝕歯・酸蝕症

う〜ん、健康のために酢を飲んで、歯を損なう。
恐ろしや。古典は、役に立ちますね。

http://www.alrincon.com/foro/images/smiles/0298.gif_______寒いのは苦手 φ(.. ) 軽鴨の介



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