永人のよそ道

相談者にとって「有名の無力」よりも「無名の有力」でありたい

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87歳の靴磨きばあちゃん


今も仕事が出来て有り難い
 真夏も真冬も、路上に座り続ける靴磨きの仕事は過酷に見える。だが中村さんに言わせれば、リヤカーを引いて居た時よりも、ずっと楽だという。
『だって、座っていればお客さんが向こうからやってきてくれるんだから。暇なときはウトウト寝てればいいのよ。お客さんが起してくれるわ』シャイだった中村さんも少し打ち解けてくると、ニッコリ笑う。
 その笑顔がたまらなくチャーミングである。
中村さんが靴磨きを始めたのは、今から47年前、昭和46年のころだった。
 
40歳を超えて、さすがにリヤカー引きの重労働が身にこたえるようになったからだ。そんな時知り合いがすすめてくれたのが、靴磨きだった。重労働の仕事を見かねてのことだ。
当時靴磨きは貧しい人たちの失業対策として、行政からも許可されていた。中村さんはリヤカー引きで土地勘のある新橋の路上で靴磨きを始めることにした。座っていてもお金が入ってくる仕事が中村さんには夢のようだったという。
それから47年間、中村さんは新橋の路上に座り続けている。
中村さんの磨き方は独特である。靴墨を直に手に取って、靴を撫でるように、丁寧に指で練り込んでいく。
指で塗ると、靴の革に靴墨が染みて行くのよ。布だと晃は行かないわ。染みた油が自然に浮いてくるから、指で塗った靴は、いつまでもピカピカで手入れが楽なのよ』指で塗りこむため指紋がすり減り、指先は、つるつるになっている。

長年の靴墨が染み込み、真っ黒に黒光りしているその指先を、中村さんは誇らしげに眺めた。
『私の手が汚れれば汚れる程、お客さんの靴がきれいになる。嬉しいじゃないの』 続く
 

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