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〜〜 以前に“ 思い出日記” に書いたのを、童話風にしてみました 〜〜
☆ 〜 ネコやんと野うさぎ 〜〜
田舎暮らしをしていた頃、いつの間にか、庭に一匹の野良猫が住み着いた。
それまでは、色んな野良猫がやってきては、ウンコをして庭を汚していたが、
このネコが住み着くようになってからは、他のネコは立ち入り禁止になったように、
一匹も入って来なくなった。
この住み着いた野良猫はお利口さんで、ウンチもオシッコも畑ですませ、
それもちゃんと穴を掘って、用が済んだ後はせっせと土をかぶせていた。
それに、家の中にも、絶対に入らなかった。
私は、このネコを“ ネコやん ”と呼んでいた。
飼い猫ではないので、ちゃんとした名前は必要ないと思ったから・・・
ある日のこと、庭の草むしりをしていると、いつものように、
ネコやんがのこのこと、畑のほうに歩いていった。
「 また、ウンコかな 」
思ったとおり、ネコやんは畑の中に入っていった。
すると、畑の反対側から、何と、野うさぎが入ってきた。
「 あ、やめて・・・・・・」
私は、固まって声も出なかった。
これから始まる壮絶な戦いを思うと、どうしていいか分からなかった・・・
ネコやんと野うさぎは、
左と右から、のこのこ、ぴょんぴょんと、だんだん近づいて行った。
「 お願い・・・やめて・・・」
そして、とうとう、畑の真ん中で二匹は出会ってしまった。
するとどうでしょう・・・
二匹はお互いに、鼻と鼻とを、つん、つんと突合せただけで、
そのまますれ違って・・・
左右にまた、のこのこ、ぴょんぴょんと、分かれていった・・・
「 えっ、うそでしょ・・・」
まるで、夢を見ているようだった。
やっとわれに帰った私は、急いで、野ウサギが去っていった方へ行って見たら、
もう野うさぎの姿はなかった〜〜〜
ネコやんは・・・と、畑を見ると、
これも、何事も無かったように、ウンコに土をかぶせていた。
「 無駄な戦いなんてしないんだ・・・、人間よりもお利口さんだね・・・」
「 人間も、こんな風に生きていけたら・・・、いいのにな・・・」
私は、心がほのぼのと暖かくなり、このネコやんが、ますます好きになった。
(おわり)
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