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私はこのアルバムを30年くらい愛聽してきましたが、今まで気づかなかったことがあります。先述のCANDID盤のライナーノーツで藤井肇氏が書いていたことですが、タイトル曲の「ロング・イエロー・ロード」は童謡「七つの子」をモチーフ的に使っているという指摘です。どうりで親しみ易く感じたわけですね。
若い頃は、ここでアルトソロを取っているゲイリー・フォスターに入れ込んだものですが、その後、もうひとりのアルト奏者、ディック・スペンサーの方を好むようになりました。しかし、キャンディッド盤のチャーリー・マリアーノのソロがやっぱり最高。
ルー・タバキンのテナーは迫力はありますが、それほど好きではありません。すこし単調な印象を受けます。トム・ピーターソンや今回はバリサクで参加の名手ビル・パーキンスのレスター・ライクなソロも聞きたかったです。
2曲目「ファースト・ナイト」はフルート群とベースとの2ビート(曲は3/4拍子)による絡みにはじまるテーマ部分が秀逸。そのまま、ボビー・シューのフリューゲルホーンとベースのデュオになりやがてピアノ、ドラムス、アンサンブルが絡み重厚さを増していきます。
3曲目「オーパス・ナンバー・ゼロ」はドン・レイダーのトランペット・ソロからディック・スペンサーの艶やかなアルト、ルーのテナー
というふうに絡んでいき、最後は5本のサックスによるコレクティブ・インプロビゼーション。ちょっと、やりすぎのような気もしますが、短いながらトム・ピーターソンのテナーの音色が印象的でした。 ゲイリー・フォスターとディック・スペンサーのアルトも対照的なら、ルー・タバキンとトム・ピーターソンのテナー同士も対照的です。ビッグバンドアレンジの緊張感と日本人の根源的なふるさと観とが調和した佳作です。
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