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 「リアルタイムメディアが動かす社会」(東京書籍)の中でIWJ(岩上安身責任編集)の岩上安身氏は、旧来の大メディアの限界について次のように述べていた。ほとんどのジャーナリストが専業で従事しているために収入の出所を抑えられたら報道内容の方を犠牲にするのは無理もない、人間としてごく自然な流れである。問題は彼らの人間性や弱さにあるのではなく、ジャーナリズムを専業とする者でマスメディアが占められているシステムそれ自体にあるという。これは少々驚きであったし、目からウロコが落ちる思いであった。そして、IWJの報道に見る同氏の姿勢を単なる体制批判と早合点してしまっていた自分に気がついた。もちろん同氏を突き動かしているものが不自由に対する怒りであっても、同氏に対する尊敬が覆ったりするものではないけれども、岩上氏がかくも冷静にマスメディアを理解しようとしている、その懐の深さに感動した次第である。

 「生活がかかっている」という大メディアの個人個人に罪を問うのは酷といえば酷であろう。彼らも労働者なのだ。岩上氏は兼業のジャーナリストが増えていくことで、マスメディアが国家権力やスポンサーによる締めつけから生活がある程度担保でき、結果として報道がより自由で多彩なものになることを期待している。

 やはり人間を一面だけで判断するのは過ちのもとである。とくに私を含めて現代に生きるものは了見が狭い。結論を急ぐあまり、まずは欠点探しに奔走しがちだ。陸山会事件も原因は自分から遠くにあるのではなく、私自身の中にあると言える。ついこの間まで、小沢一郎氏や鈴木宗男氏を根拠もなく悪と決めつけていた自分がここにいる。疑うことそれ自体が悪いとは思わない。要は、最終的に信じたいから疑うのか、それとも疑うこと自体で自己完結しているのかということだと思う。

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