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 テナー・サックス奏者といえば、ひところはコルトレーンという返事が返ってきていたものですが、「コルトレーンは死の床にあっても音楽のことを考えていた」なんていう逸話がコルトレーンの専売特許であるかのように論じられていたのだから、あれは一種の共同幻想だったのかなと思ってしまいます。
 さてさて、本日はソニー・ロリンズがMJQと共演したプレスティッジ盤とレスター・ヤングの数あるアルバムから私の愛聴すイメージ 1るコモドア盤をご紹介します。50年代に入るや俄然勢いを増してきて、ワーデル・グレイやデクスター・ゴードンらビバップの先輩らに冷や汗をかかせたソニー・ロリンズは、まさに「異彩を放っていた」という表現がぴったりの新しい個性を持って出現してきました。よく、コールマン・ホーキンスが引き合いに出されますが、二人の共通点は音が大きく豪快であるという点ぐらいで、ロリンズの個性を語るときに欠かせない人物といえばやっぱりチャーリー・パーカーということになります。さらに、この当時のソニー・ロリンズにはアーティキュレーションに非常な特徴があり、「まだ荒削りではあるが」とバッサリ批評する気にはなれないのです。すなわち、ウラのアタックを強調したフレージングと微妙にフラットしたピッチとは未熟ゆえだったわけではなく、意識してなされたものであったといいたいのであります。
 そしてもうひとつの特徴は、彼はバトル演奏というのをあまり得意としなかったという点です。ブラウニーともコルトレーンとも彼本来のアドリブはできていないような気がします。例外的に「ソニー・サイド・アップ」や「ブリリアント・コーナーズ」でのスティットやアーニー・ヘンリーとの共演は成功しています。
 レスター・ヤングの話は別の機会にしましょう。

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