よっしー本店

ブログ名を再度変更しました。

よっしージャズ研究所

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 「佐賀県モダンジャズ研究所」としていたのを改名しました。初心者、大歓迎。ジャズに関する質問などでも結構です。分からないときは分かる人が応えるというのもいいかなと思っています。
 ジャズ・ファンのかたのコメントをお待ちしています。
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 秋吉敏子の若い頃の傑作に、前夫のチャーリー・マリアーノを加えたキャンディッド盤「トシコ−マリアーノ・カルテット」(1960年12月5日録音)があります。メンバーはほかに、ジーン・チェリコのベース、エディー・マーシャルのドラムス。後年、ビッグ・バンドの演奏をはじめ機会あるごとにレコーディングしているトシコのオリジナル、「(トシコの)エレジー」と「ロング・イエロー・ロード」がはいっています。

 マリアーノのオリジナル「リトルT」ではジーン・チェリコのユニークなベースラインに聞き惚れていましたが、ベース・ソロになるとアルトもバッキングに加わって、アレンジの妙というか、とても丁寧な音づくりがされていると感じました。全般に、メンバー全員の演奏技術が非常に高く息の合った演奏を聞かせますが、特筆すべきはマリアーノのアルトの素晴らしさ。ひところはパーカー・イディオムに忠実なアドリブ・ラインが身上でしたが、このころになると、まるでダイナ・ワシントンのボーカルのようにソウルフルでメロディアス。「ロング・イエロー・ロード」でのソロは、後年ビッグ・バンドでゲイリー・フォスターがとったアドリブも印象的でしたが、マリアーノの演奏はそれより15年も前の演奏。テーマが終わってインプロビゼーションに入る、その入り方は並みのセンスではありませんね。
 ピアノについては、今更言うまでもないことですが、ワンダフル! 
 VerveのJATP(Jazz At The Philharmonic)シリーズに格別の思い入れはありませんが、同じくノーマン・グランツのプロデュースによるジャムセッション・シリーズというのがあって、こちらの方はスタジオ録音ですが、チョー・ゴキゲンのアルバムです。私はとくに3集と4集が好きです。

 ベイシーならではのワン・アンド・オンリーなソロは、休符と効果音的なフレージングがほかのミュージシャンたちのイマジネーションをいやが上にも盛り上げます。しかもフレディー・グリーンのギターがリズムを刻むという念の入れよう。まずは3集の「アップル・ジャム」から。先発にワーデル・グレイを配したのもグランツのアイデアだとしたら、流石ですねえ。この稀代のインプロバイザーをトップに持ってきたことで、2番手のベニー・カーターも気合十分、立ち上がりからテクニックを駆使したフレーズを連発します。3番手がこれまた名手中の名手バディー・デフランコ。そして4番手にスタン・ゲッツ。この4人のソロの見事なこと。5番手ウィリー・スミス、6番手ハリー・エディソンのおふたりはJATP的に盛り上げていただきました。

 つづいて4集の「オー、レディー・ビー・グッド」。ここでの聴き物は、なんといってもゲッツとグレイによるテナー・ソロ対決。先発はゲッツ。緊張していたのか、ベイシーのソロからスムーズに入ることができず、1コーラス遅れで入りますが、いざ吹き出すと見事なソロを展開、つづくグレイに対して、ぎゃくに王手の形となります。グレイ、得意のパーカーフレーズにレスター・ヤング流のしなやかさを持って態勢の立て直
しを狙い、この作戦が見事に成功。互角の展開となりました。
 この曲で調子を回復したのが、ウィリー・スミス。同じフレーズが繰り返し出てくることを除けば、丁寧に
吹いたのが功を奏し、クロマチック(半音進行)のフレーズもいい感じでした。
 次に「ブルース・フォア・カウント」。先発のベニー・カーターはリラックスした好演。次のウィリー・スミスは音の強弱に配慮した丁寧な立ち上がり。最後をダーティートーンで占めるというのは私の趣味とは違います。
 まあ、いずれにしろ ジャズはいいですなア。



バド・パウエル物語6

 1954年以降のバド・パウエルで私の好きなレコード。まずは世評どおりのアルバムがトップを飾ることになる。

1.「ザ・シーン・チェンジズ(アメイジング・バド・パウエル第5集)」(Blue Note

 1958年12月29日録音。ビールのCMに使われたこともある「クレオパトラの夢」でお馴染みの人気盤。ユニゾンで弾くというアイデアが、効果を上げている。ジャズを聴き始めの頃はジャズ喫茶に行ってはこのアルバムをリクエストしたものだ。

 

2.「ブルース・イン・ザ・クロセット」(Verve

 1956年9月13日録音。このアルバムでは、47年にルーストに美しいバラードとして録音していた「アイ・シュッド・ケアー」をミディアム・バウンスで弾いているが、この時期は和音にノンコードトーンが混じっている。わざとなのか、それとも不正確になっているのか微妙なところであるが、私には何かを模索していたような気がする。「時さえ忘れて」は、ルバートでテーマを提示した後、イン・テンポになるパターンであるが、翌57年にケニュー・ドリューが同じパターンで同曲を録音しており(「パルジョーイ」、リバーサイド)、これはぜひとも聴き比べていただきたい。繊細で美しいドリューのルバート部分に比べたときパウエルの演奏がどう響くか。私には、単に不正確なタッチでは済まされないバド・パウエルの心象風景が描き出されているような気がする。

 

3.「スインギン・ウィズ・バド」(RCA

 1957年2月11日録音。ノン・ペダル奏法で有名なパウエルだが、珍しくこの日の録音ではペダルを踏むことが多いように聞こえる。そのせいか指が快調に動く割には、アップテンポの曲でオフビートのアタックが弱いように感じる。パウエルが比較的好調な上に、選曲もよく、好きな1枚の一つ。

 

4.「バド・パウエル・アット・ホーム」(BlackLion

 1963〜64年録音。バド・パウエルのパリ時代、友人のフランシス・パウドラ宅での私家録音盤。私家録音の割には音が良く、リラックスして快調なパウエルを聞くことができる。パウドラがブラッシュで電話帳をたたいているのも微笑ましい。演奏は「神の子はみな踊る」がこの時期にしては驚く程の出来。また、ソニー・クラークの人気盤「クール・ストラッティン」に収録されている「ディープナイト」が演奏されているのも嬉しい。

 

 ほかに人気盤として「バド・パウエル・イン・パリ」がある。確かに「ジョードゥ」や「懐かしのストックホルム」など選曲は興味深いが、カンサス・フィールズのドンチャカ・ドラムを一緒に聞かねばならないのは、はっきり言って苦痛だ。

バド・パウエル物語5

 1947年〜1953年をバド・パウエルの第1期好調期とすると、この当時のバド・パウエルの演奏は特にテーマ部分に関してはいくつかのタイプにわけることができるようだ。
1.スタンダード・ナンバーなどミディアムテンポ以上のもの
(1)シングルトーンを基調とするもの:「インディアナ」「テンパス・フュジット」「神の子は皆踊る」「オーニソロジー」など
(2)ブロック・コードを基調とするもの:「サムタイムス・アイム・ハピー」「サムバディ・ラヴズ・ミー」「首尾よく行けば」など
2.バラード
(1)エロール・ガーナー的解釈:「アイ・シュッド・ケア」「エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー」「イエスタデイズ」「ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド」
(2)アート・テイタム的解釈:「イット・クッド・ハプン・トゥ・ミー」「オーバー・ザ・レインボウ」
(3)ブロックコードを多用するもの:「エンブライサブル・オブ・ユー」「ユー・ド・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」「マイ、デヴォーション」
3.組曲風のもの:「ウン・ポコ・ローコ」「グラス・エンクロージャー」
 
 この章ではバラードのうちルースト盤「ザ・バド・パウエル・トリオ」の53年の録音に聞かれるようなブロックコードによる演奏に焦点を当ててみたい。
 たとえば、「ユー・ド・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」。この名曲をバド・パウエルがミディアム・テンポで軽快に弾いていることを期待していると、あるいはエロール・ガーナーの「ミスティ」のような詩的な世界を期待していると、見事に裏切られる。そこで聞かれるパウエルは、のらりくらりとしているようでもあり、あるいは逆に何かの苦しみにのたうちまわっているようにも聞こえる。まるで54年以降のパウエル、「バド・パウエルズ・ムーズ」「バド・パウエル’57」「ザ・ロンリー・ワン」「ストリクトリー・パウエル」の諸作に見られるごとく、アイデアの枯渇したようなパウエルの演奏である。
 ただ、上記のバラードでも指はよく動いているし、また同じ1953年8月14日録音でもミディアム・バウンスの曲、「バート・カヴァーズ・バド」(パウエルのオリジナルとしてクレジットされているが、コールマン・ホーキンス作曲の「ビーン・アンド・ザ・ボーイズ」と同じ曲。原曲は「恋人よ我に帰れ」)などは快調そのものである。おそらく、それほど調子は悪くなかったのだが、バラードの新しいスタイルを模索中であったのかも知れない。

バド・パウエル物語4

 かつて故油井正一氏はバドl・パウエルのオリジナル曲をきいてみると、彼をロマンチストだと思うと、なにかに書いておられた。「ロマンチスト」という表現が適切かどうかは別にして、故人が言わんとしていることは納得がいった。私もバド・パウエルについては同じ思いを持っており、パーカーやガレスピー、ナバロ、ダメロンなどのバッパーと一線を画する特徴であり、また、ジョン・ルイスやハンク・ジョーンズ、エロール・ガーナー、ハンプトン・ホーズら、同時期に活躍していた他のピアニストたちとも一線を画する特徴であったからだ。

 パウエルの代表的なオリジナル曲といえば「テンパス・フュジット」「アイル・キープ・ラビング・ユー」(以上、「ジャズ・ジャイアント」に収録。)「オブリヴィオン」「ダスク・イン・サンディ」「ハルシネーション」(以上「ザ・ジニアス・オブ・バド・パウエル」に収録。)「ブルー・パール」、「バド・オン・バッハ」、「クレオパトラの夢」「ダウン・ウィズ・イット」(以上、「アメイジング・バド・パウエル」に収録。)などが候補に上がりやすいと思われる。

 しかし油井氏は単にマイナー・キーの曲やバラードを指して評したわけではもちろんない。そういう曲ならばディジー・ガレスピーもたくさん書いていた。油井氏が注目していたのは、「アメイジング・バド・パウエル」に収録されてている「ウン・ポコ・ローコ」と「グラスエンクロージャー」であったろう。この2曲は組曲風の構成を持っており演奏を聴いていてもどこからどこまでがテーマ部分でどこからが即興なのかが判然としない。

 バド・パウエルは詩人のようであった。現に「ビバップの4人」に出てきたパウエルは詩の一節らしき部分をくちばしっている。バド・パウエル、不思議な人物である。私には、パーカーやモンク以上に気になる存在だ。これをバド・パウエルの個性と見ずに、ビバップ・エイジの一断面と捉える見方ももちろんありうるけれど。

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