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裁判員制度

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 裁判員の自由権や自己決定権に関して考えます。なお、憲法の複数の条文に関連する記事も、ここに収めます。
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 刑事訴訟法にこういう記述があります。

第143条 裁判所は、この法律に特別の定のある場合を除いては、何人でも証人としてこ
 れを尋問することができる

 これは国民に対する裁判所の権限を明記したもので、これに基づいて、刑事訴訟法では国民に証人としての出頭の義務や宣誓の義務を設け、違反者には過料が課されるという仕組みになっています。

 ところで、日本国憲法に次の条文があります。

第三十七条【刑事被告人の諸権利】
 1 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける
  権利を有する。
 2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費
  で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
 3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。
  被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。

 この第2項の刑事被告人が「自己のため強制的手続により証人を求める権利」を実効ならしめるために刑事訴訟法第143条が設けられているというのが私の解釈です。ですから、少なくとも弁護側証人に関して上記に挙げた義務を設けるというのは、憲法の要請するところであります。

 ところが、刑事訴訟法には国民が証人としてかかる義務を負わせることを裁判所の権限と認めてはおりますが、裁判員としての義務を負わせ、どこにその権限があるかということについての明らかな記述を刑事訴訟法にも、裁判所法にも、裁判員法(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律)にも見出すことができませんでした。この記事をお読みになっている方でそのような条文を発見された方がいらっしゃいましたら、お知らせいただければ幸いです。

 公法は例え根拠となる法令が明記されなくても、それ以前に日本国憲法や条約、様々な基本法との関係においてどういう位置づけがなされているのかが明らかでなければなりません。裁判員法はこの点で、中に浮いた法律であり、しかも憲法にいろんな面で違反しており、さらに法律の中身それ自体に外形的瑕疵が存在するという、およそ法律の体裁をなしていないシロモノだと思います。こんなのが例え国会で通ったにせよ手続き上の問題をクリアしただけの話で、一切無効であると考える次第であります。

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 裁判員法が個人の能力判定をそもそも行わない前提でスタートしているところから、逆に裁判員になることを権利として捉えたとき、様々な差別に頬かむりしながら、つまりはこれまで憲法第十四条1項をはじめとする差別を禁じる法令の遵守を求めていた裁判所自らが差別を行うようこの法律は求めています。
 まず、裁判官に障害者がなれないことを直接定めた法令は存在しません。裁判官になれない条件を定めたものには国家公務員法第38条と裁判所法第46条があります。

   ――― 国家公務員法 ―――

(欠格条項)第38条 次の各号のいずれかに該当する者は、人事院規則の定める場合を除くほか、官職に就く能力を有しない。
1.成年被後見人又は被保佐人
2.禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終るまで又は執行を受けることがなくなるまでの者
3.懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から2年を経過しない者
4.人事院の人事官又は事務総長の職にあつて、第109条から第112条までに規定する罪を犯し刑に処せられた者
5.日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者

   ――― 裁判所法 ―――

第46条(任命の欠格事由)
 他の法律に定めるところにより一般の官吏に任命されることができない者の外、左の各号の一に該当する者は、これを裁判官に任命することができない。
一 禁錮以上の刑に処せられたもの。
二 弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者

   ――――――――――

 ところが裁判員法(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律)になると、身体障害者に対する差別がおもむろに出てきます。

   ―――裁判員法―――

(欠格事由)
第十四条  国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第三十八条の規定に該当する場合のほか、次の各号のいずれかに該当する者は、裁判員となることができない。
一  学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に定める義務教育を終了しない者。ただし、義務教育を終了した者と同等以上の学識を有する者は、この限りでない。
二  禁錮以上の刑に処せられた者
三  心身の故障のため裁判員の職務の遂行に著しい支障がある者

   ―――――――――――

 第三号の「心身の故障」が(就職禁止事由)でなく(欠格事由)に掲げてあることから心身障害者をさしている事はあきらかです。障害者基本法は次のように定めています。裁判員法のでたらめぶりはこんなところにもあらわれています。


   ――― 障害者基本法 ―――

(基本的理念)第3条 すべて障害者は、個人の尊厳が重んせられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有する。《改正》平16法080
2 すべて障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えられる。《改正》平16法080
3 何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。

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 裁判員法第一条には根拠法令が裁判所法と刑事訴訟法であることが明記されています。ところが、裁判所法にあるのは、「この法律の規定は、刑事について、別に法律で陪審の制度を設けることを妨げない」(裁判所法第三条3項)。裁判員制度が陪審制などと異なることは明らかでありますから、裁判員法は内容的に憲法違反であるというのとは別に、外形的にも重大な瑕疵があり、無効な法律であります。

 無効な法律には効力がありませんから存在しないものとしてこれまでどおりの生活をしておけばよいのですが、これを有効と考える当局は無効な条文に基づいて罰則を適用し、実力行使に出るでしょう。そのときは、憲法第17条によりかかる公務員の不法行為を告発すればよいのです。できるだけ多くの人が同じ意識をもって闘えばよいと思いますが、いかがでしょうか。ご意見ください。

   ――――― 日本国憲法第17条 ―――

第十七条【国及び公共団体の賠償責任】
 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律(国家賠償法)の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

   ――――― 裁判員法第一条 ―――――

第一条 この法律は、国民の中から選任された裁判員が裁判官と共に刑事訴訟手続に関与することが司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資することにかんがみ、裁判員の参加する刑事裁判に関し、裁判所法(昭和二十二年法律第五十九条)及び刑事訴訟法(昭和二十三年法律第第131号)の特則その他の必要な事項を定めるものとする。


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 裁判員法は裁判員を一方的に裁くという呆れた法律です。私たちは国会に頼ることなく、つまり選挙に頼れないという、恐るべき状況下のもとで、自分の立っている位置をしっかりと認識せねばなりません。

 5月21日に裁判員法が無事施行された(?)のを見届けるかのように、少しずつマス・メディアが正常化されてきているように感じます。麻生政権や自公連立政権に対する批判もようやく「解禁」になったようです。しかし、私たちはこの間メディアが「知らせる責任」を放棄してこぞって世論誘導に走ったという歴史的事実をこそ重視し、教訓にすべきであろうと考えます。

 選挙で民主党政権になったとき、この法律を廃止していく筋道が示されるのではないかという若干の期待を私はもっていますが、民主党内でどこまで議論が進んでいるのかという不安も同時に持っています。

 いずれにせよ民主党が裁判員法の廃止に動くかどうかというのは未知数でありますので、私たちは自分の力で国会議員を頼ることなく防御していく道も考えなくてはなりませんが、その前提としてこの法律の根本的誤謬を共通認識する必要があります。そのためには、多少面倒でも法律の文章を読み解いていくという作業をできるだけ多くの人が行う必要があります。

 この法律が、裁判所や検察当局にのみ一方的権限を与えたきわめて公平さを欠くものであるという指摘を前回の記事でいたしました(若干、上品さに欠けたところはありましたけれども)が、法律としての体裁をも変えかねない危険な目論見である可能性があります。今後、気がついたこの法律の欺瞞を、すでに書いてきた点も含めて繰り返し強調すべきところは強調していきたいと考えています。

 例えば裁判員法第百十条にはこうあります。

   ―――――――――

 裁判員候補者が、第三十条に規定する質問票に虚偽の記載をして裁判所に提出し、又は裁判員等選任手続における質問に対して虚偽の陳述をしたときは、五十万円以下の罰金に処する。

   ―――――――――

 この有名(?)な条文は、確かに罰則の厳しさということも問題であるかも知れませんが、それ以前にそもそもなぜ裁判員がここまで罪人扱いされねばならないのか、という疑問が湧きます。

 裁判員は自分が選択してなったのではありません。義務付けられたのであります。それを事実と反すると検察官だか裁判官だか知らないけど勝手に判断されて、しかもそれが錯誤によるものかどうかの確認も行われないまま「嘘つき」と決め付けられ、罰金まで取られるという、こんな悪法が許されてたまるか、と思いませんか? 罰則を軽くするかどうかという問題ではありません! この法律そのものが、全然公平でないのです。ほかの条文では裁判員にご足労願うという立場を忘れて、「出頭」呼ばわりですぞ。

 さらには裁判官や検察官が誤りを犯したときの罰則が全くないのは、おかしいというよりも法律の体をなしていません。国会議員の先生方、よくもまあこんな呆れた法案を全会一致に近い形であっさり通してしまいましたことですね。確かに憲法違反と言ってくれる先生もおられます。ただ、誤解のないように言っておきますが、別にそれってごく普通の態度で、特に褒められる筋合いのものではありませんよ。ほかの先生方がアホ過ぎるんです。このような条文の行間に冤罪の温床を見ることができなくて、なにが「司法の民主化」じゃ。焦点がボケまくってるぞぉーっ。


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