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あれから数分間、まさに開いた口が塞がらないような状態が続いていたが
ふと我にかえると、面接時間前に無効に到着する列車の出発まで、あと2分と迫っていた
「やべっ、まだ切符も買ってねぇぞ!」
俺は地下への階段を駆け下り、券売機に財布の中の小銭をぶちまけたりしながら、なんとかホームまでたどり着いた
そして、丁度ドアが開いていた車両に滑り込んだ
…が、よくよくドア上のLCDを見てみると、目的の方向とは逆の、鴻台行きという表示が出ていた
ヤバいと思った時には既にドアが閉まりかかっていたが、なんとかすり抜けることができた
しかし、その時ケツに入れていた財布が引っかかり、また小銭をぶちまけてしまった
「おぅマジかっ!」
幸い車内ではなくホームに落ちてくれたので拾うことができたが、そうこうしているうちに反対側のホームに俺が乗る予定の列車が到着してしまった
「チッ、チクショーッ!」
俺は必死に階段を上り
コンコースを最短ルートで横断しながら
必死に階段を下りた
そして、ホームに足がついた瞬間にドアの閉まる音が聞こえる
でも、こうなったら意地でも乗ってやる!
「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
そして
俺がホームで思いっきり踏み切って
ドアに手をかけた瞬間
フツーに再開閉してきた
「え!?」
ドアをこじ開ける勢いで飛び込んだ俺は、そのまま車内を舞い
反対側のドアに激突、小銭をぶちまけながら気を失った
「あのー…大丈夫デースか?」
「ん…」
なんだか聞き覚えのない声で、俺は気が付いた
そして、なんだと思ってうっすらと目を開けると…
金色の長い髪に、ブルーの大きな瞳
ツルツルした肌に、つやっとした唇
そんな夢のようなとびっきりの美少女の顔が目の前にあった
「おぉう!?」
「キャッ!ごっ、ゴメンなサイ、ワタシ、何か余計なコトをシてしまったのデしょうカ?」
彼女は少し悲しそうな顔をしていた
いかんいかん、これは何か言わないと
「い、いや、大丈夫です。はい。OKです。問題ないです。モーマンタイです」
俺はテンパりすぎてなんだか中国語まで飛び出してきてしまったが
そんなことは気にせず、彼女は満面の笑みで
「そうデスか!それはよかったデース!」
そう叫びながら、俺に抱き付いてきた
一瞬、全ての時間が止まったかのように思えた
が、それは一瞬にして打ち砕かれた
『え〜、こほん。ま、間もなく…あれ、どこだっけ?あ〜そうそう、井口!井口です!間もなく井口!お出口はひ…右側です!後ろ4両は次の井口が終点になります!井口より先、千寿の都二十世紀が丘前、梅ノ森方面ご利用の方は、前4両の梅ノ森埠頭行きをご利用下さい!本日もyKT裕香地渓谷鉄道をご利用いただきましてありがとうございました!ここまでのお相手は…担当車掌は、八幡荷風でお送りしましたー!…あっ プツン』
…うん
「色々ひでええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
「ひゃうっ!ご、ゴメンなサイ!」
「あ…」
マズい
マズいマズいマズいマズい!
これはマズいぞ!
何がマズいってもう小○寺さんの料理ぐらいマズいぞ!
食ったことないけど!
「…ん?」
しかし、よく見ると、どうやら彼女は俺の行為に対してひいたわけではないらしい
なんか…照れてる?
まさか、さっきのアホな車内放送で冷静になって、俺に抱き付いてしまったことに対して…
…可愛い
やべぇめっちゃ可愛いぞこの子!
どんぐらい可愛いかっていうとそりゃあもう勿論作者の画力じゃ再現できないどころの騒ぎじゃないというかこんな可愛い子がこの世に存在していいのだろうかいやいいわけがないとかいうわけのわからない反語まで頭の中をぐるぐるぐるぐるまわっているっていうかなんかそんな感じですごちそうさまでしたありがとうございます!
と、頭の中が春になったところで
俺の後ろの壁がなくなり…俺の寄りかかっていたドアが開き、俺はそのまま後ろに倒れた
「ああっ!大丈夫デスか!?」
さっきまで照れ隠しなのか何だかぎこちない雰囲気を醸し出していた彼女だが、やはり俺の事を全力で心配してくれているようだ
天使や…天使が舞い降りたでぇぇぇぇ
そして、しゃがんだ時に見えるパンツもプリチィ…
「あぁ、大丈夫ですよ。ごちそうさまでした」
俺は最高にかっこいい声と笑顔で、彼女に返した
「?オカシイですネ〜、ワタシが習ったニホンゴでは、ゴチソウサマは食事の後に言うコトバのハズデースよ?違いまシタか?」
「あ、いえ、いいんですいいんです。あってますよ、それで」
やべぇぇぇ。お礼言ったつもりが別の意味でお礼言っちゃったよ
まぁいい、これから巻き返す!
「え〜、コホン。ところでお嬢さん、あなたはどちらまで行かれるんですか?」
「え?ワタシデスか?ワタシはデスね〜、アララギ事業所というところに…って、ああっ!?」
彼女は突然驚いたような声を出した
「た、大変デス…困りまシタ…デンシャが…ありマセん…」
「え…」
俺は彼女の視線の先にあった、阿良々木方面の時刻表を見た
すると、日中の大半は、車両不足のため運休という張り紙が貼ってあった
現状、1時間に1本も無いようだ…
ということは、俺も面接に行けない!?
ど、どうしよう!
そう思った時、突然ホームの外から声がした
「おおっ、そこの2人!アーシア・アン・アスタルテさんと、星野奏多君だね!」
名前を呼ばれ、慌ててその声をした方を振り返ると…
痛車に乗った豚と、その周りを何台かの車が囲っていた
そして、豚が見た目に反した低いいい声で言い放つ
「ようこそ、神村県へ!」
キャラクター紹介
ヨーデリアン・カストロール・タブレット
身長不明
体重不明
血液型O型
誕生日不明
yKT裕香地渓谷鉄道の社長で、いつもマスコットキャラの着ぐるみを着ている。名前も実はマスコットの名前。色々と不明なことが多い人物。本当に人かどうかすらわからないけど。基本はボケだがたまにツッコむ!
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