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特別展「写楽」

5月21日(土)、東京に着いたのは11時過ぎでした。
新橋演舞場・夜の部の開演までまだ時間はたっぷりとあります。

さて、どこへ行こうか?

そういえば東京国立博物館の写楽展が震災の影響で会期が変更になっていたなぁ。
ほとんどすべての写楽の作品が展示されるという、空前絶後の展覧会とか。
観たいけど、入場制限していて「○時間待ち」とかじゃなかろうか?

携帯サイトで調べてみたら、会場は比較的空いています、とのこと。
即、上野へ。

東博の正門から入場する人のほとんどが、写楽展の会場・平成館へと向かっていました。
でも入口付近には行列はできていませんでした。意外・・・。
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展覧会場である2階へとエスカレーターで進みます。正面には紋を染め抜いた紫色の幕が張られ、両側には写楽の描いた歌舞伎役者がお出迎え。まるで当時の芝居小屋に入っていくかのような演出です。

写楽の作品は、何点かは本物を見たことがありますが、約140図、約170枚というこの展覧会のスケールには圧倒されました。額には保護のためガラスがはめられてはいますが、作品の前には柵も無くすぐそばまで近づいて見ることができるのも良かったです。
また写楽と同時代の別の浮世絵師が、同じ役者を描いた浮世絵を並べて展示しているのもおもしろかったです。作風は全然違うのですが、顔を見比べると目つきや目の離れ具合、鼻や口元の形とかあごのラインとかが一緒。写楽の描く顔はものすごくデフォルメされているとよく言われますが、実際の顔の特徴はちゃんと捉えているということがよくわかります。なかでも女方を描いた作品は顕著。歌麿の浮世絵のような本当の女性を描いた美人画ではなく、男性が演じる女性(女方)を描いた役者絵だから、どことなく男臭さが漂っています。写楽の浮世絵は役者には評判が良くなかった、といわれますが、自分が気にしているところを強調して描かれたら嫌でしょうね。

隣で見ていた女性2人が「この着物の柄、いいよね」とか話しながら見ていました。
当時の女性も同じようなことをおしゃべりしながら浮世絵を見ていたのでしょうね。
5月の南座は歌舞伎、といってもお芝居の公演ではありませんでした。

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劇場である南座を歌舞伎美術館にしてしまおうという初めての試みでした。映像や資料、実際の舞台衣装を展示して(猿之助)歌舞伎の魅力を紹介するほか、大道具の組み立てやバラシの作業を実際に見られたりできました。

※ほかの美術展とおなじく、写真撮影禁止です。文章ばっかりなのでおもしろくないかもしれません・・・。

お芝居を観に来たときと同じように、入口から南座の中へ。
普段ならそのまま3階席へ行くんですが、今回は劇場1階席へと進みます。
『義経千本櫻』の平知盛や源九郎狐、『新・三国志』や『華果西遊記』の衣装が、ほんとうに触れるくらい(もちろん触ってはいけませんが)の距離に展示されていました。そして見上げれば『ヤマトタケル』の白鳥の衣装が、ちょうど宙乗りを演じているかのように展示されていました。
舞台衣装って遠くから見るものなので大雑把な作りかと思っていましたが、とても丁寧に作られていました。歌舞伎に情熱を燃やす猿之助さんのこだわりもそこには込められているのでしょうか。

続いて1階ロビー。
衣装の展示よりも見入ったのは、ここに展示されていた「押し隈」。役者さんが実際に顔に描いた隈取を、舞台が終わってから布に顔を押し当てて写し取ったものです。猿之助さんだけでなく、弟の段四郎さんのほか二代目鴈治郎さんや勘九郎(現・勘三郎)さんなど共演された役者さんのものもありました。玉三郎さんのもありましたが、見ただけで「あぁ玉三郎さんやゎ」と判るのがおもしろいですね。

2階には『ヤマトタケル』や『オグリ』、『カグヤ新竹取物語』の衣装。黒地に真紅のバラをあしらった衣装は舞台衣装としてだけでなく、街中で着てもおかしくなさそうでした(着こなせるかどうかは別の問題ですけど)。
ここで上映会が始まったので、2階最前列の席で見ることにしました。顔見世では1席2万円以上もするロイヤルシートです。こんな機会でないと座れません。でも通路を隔てた2列目以降には『八犬伝』の衣装(兵士かなぁ?)が何体も展示してあったので、なんとなく落ち着かなかったです。

そして3階。古典作品の衣装が急勾配の3階席の上のほうまで展示してありました。
一見してどの演目の衣装かわかるものもあれば、見たことあるような無いような衣装もありました。文様を見ていて演目がわかるものもあって、たとえば薄い藤色の地に藤の花と岩が刺繍してある衣装は「岩+藤」で『加賀見山』だとわかります。
あと、ところどころにオモダカがデザインされている衣装も何点かありましたが「あれは猿之助さんしか着られないんだろうなぁ」と思うと、歌舞伎って贅沢な芸能だなぁ、と思いました。

猿之助さんの楽屋再現コーナーには実際に使われている鏡台や化粧道具がありました。鏡台の引き出しや手鏡などあらゆるところに猿之助さんの紋があしらわれています。もしかしたらお祖父さんからお父さん、そして猿之助さんへと受け継がれてきたものかもしれません。

大道具の組み立てとバラシは「川連法眼館」のを見たかったんですが、時間の都合上「大物浦」のものを見ました。普段の公演では定式幕の裏側で行われている作業です。意外だったのはキャスター付の木組みを使っているということ。そのほうが運搬には便利かもしれませんが、上演中にズレたり動いたりしないのでしょうか。ストッパーが付いているでしょうけどね。作業されている人全員が足袋に草履というのは、あぁ伝統芸能だなぁと思わせる一面でした。
組み立てが終わった後、舞台のすぐそばまで行ってみました。南座の舞台の板を見たかったのですが、畳表や布を釘で直接打ち付けた跡がいっぱいありました。平成3年に改築新装開場されてから約20年の南座の歴史がこういうところにもあるんだなぁ、と思いました。

イメージ 2たくさん展示してあった衣装のなかで一番印象に残っているのは「川連法眼館」の佐藤忠信実は源九郎狐の衣装です。何回もの上演で使用されているので、ところどころにシミがあったり、紫の地に白粉が付いていたり、長袴が破れていたりしていました。猿之助さんの「川連法眼館」は何回か観ていますが、もしかしたらそのとき袖を通されていた衣装かと思うと、感動しますね。

あと・・・、

源九郎狐の衣装のビラビラ、触ってみたかった。

人魚(?)を見た

デンマークのコペンハーゲンではなく、和歌山で「人魚」を見ました。

もう1ヶ月ほど前のこと(11月23日)ですが、和歌山県立紀伊風土記の丘に行ってきました。
ここは特別史跡「岩橋千塚古墳群」の保存と活用を目的として設立された、考古・民俗の博物館施設です。標高約150メートルの稜線上に築かれた古墳群、移築された江戸時代の民家、復元竪穴住居などがあって、公園内を巡るだけで勉強になります。
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石室の内部を見ることのできる古墳もあるのですが、ふもとから30分くらい坂道を登らないといけなかったので、断念しました。

で、ここへ来て見たかったのは、これなんです。

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資料館で開催されていた「いのりのかたち」展で展示されている、学文路刈萱堂の「人魚」のミイラです。人魚=女性というイメージが強いですが、もちろん男性もいるわけで(断言はできませんが・・・)、顔つきからしてこれはおそらく男性の人魚でしょう。それともおばあちゃん人魚でしょうかね?
時々テレビで紹介されているこの「人魚」のミイラをはじめ、和歌山県内に伝えられている空想上の動物のミイラが1ヶ所で同時に公開されるのは、もう二度と無いだろうというので見に行ってきました。


 平成22年度特別展  いのりのかたち 〜祈願の民具と民間信仰〜

   平成22年10月9日(土)〜12月5日(日) 和歌山県立紀伊風土記の丘

 私たちはくらしのなかで知らず知らずのうちに神様や仏さまに祈りを託す場面に遭遇していることがあります。「おみくじ」や「占い」、家内安全や安産の「お守り」、合格祈願の「絵馬」、ほかにも盆や正月に先祖を祀ったりすることなども歴史のなかで創出された神仏への「いのりのかたち」であるといえるでしょう。こうして考えてみると、私たちのくらしのなかには神さまや仏さまが身近なものとしてさまざまな形で根付いているのだと実感させられます。
 和歌山県内には、信仰の対象となった「モノ」や信仰に用いられた文化財が多くあります。考古資料のなかにも、人形(ヒトガタ)など「いのりのかたち」を表す「モノ」が遺物として発掘されています。
 本特別展では、和歌山県指定有形民俗文化財である学文路刈萱堂の「人魚」(橋本市学文路区)や「生身迦棲羅王尊像(カラス天狗)」(御坊市教育委員会)、「雷獣」「烏天狗頭骨」(慈光圓福院)など和歌山県内で現在、確認できる江戸時代から伝わる信仰に用いられた空想上の生物4点すべてが初めて紀伊風土記の丘で一堂に会します。また、すさみ町指定文化財である彩色豊かな周参見王子神社奉納絵馬群の一部も展示します。
 古代から近代にかけて造形されたさまざまな祈りや願いにまつわる文化財を通して、当時の人々の信仰を垣間見ていただくとともに、神仏へ捧げられた「モノ」の多様性に触れていただければ幸いです。


さほど大きくない資料館で、来館客も少なく、おかげでゆっくりと「人魚」とご対面できました。そのほかにも、奈良・平安時代の人形や、安産のお守りの犬形土製品(室町時代)、目を描いた絵馬(眼病が治るようにと奉納された)や、戦時中の千人針などが展示されていました。
ちょうど職員さんが人魚のミイラの展示説明をされていたんですが、

 あの人魚、何でできているんですか?

と聞かれることが多いそうです。実際、幕末に来航したペリーの日記には「海岸で漁師が魚と子猿で人魚を造っていた」という記述があり、オランダの博物館には日本製の「人魚のミイラ」が保管されているそうです。でも職員さんは「あれは人魚のミイラですよ」と答えるそうです。大事なのは何で造られているかではなく、それが信仰の対象として今まで伝えられてきたことだと言っておられました。

でも「生身迦棲羅王尊像(カラス天狗)」については、X線CTを使った科学解析によって、二羽のトンビと和紙や粘土で作られていることが判明したと、最近発表になったんです。展示や図録でもそのことが紹介されていましたが、なんか味気ないですね。
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この前の日曜日(9月26日)、兵庫県立美術館の「水木しげる妖怪図鑑」展に行ってきました。
前々日の金曜日には『金スマ』で水木しげるご夫妻の2時間スペシャルを放送していたし、前日の土曜日はNHKの『ゲゲゲの女房』が最終回で、そのこともあってか、開館時間前に着いたのですがすでに100人以上の人が並んでいました。

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こちらは美術館入り口の自動ドア。ここでも鬼太郎や目玉おやじ、ねずみ男が出迎えてくれるのですが、ひっきりなしに来館者が通るのでなかなかその姿を見ることができませんでした。
5〜6分くらい待って、ようやく写真におさめることができました。

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ここから先、展覧会場は撮影禁止。
日本のいろんな妖怪の絵、ちょうど小学生の頃に『妖怪大百科』なんて本で見た絵がたくさん展示されていて、あぁこれ見たことある!とか思いながら鑑賞しました。ほかの人たちも同じようなことを口にしながら見ていたので、同じ経験をした人が多かったのではないでしょうか。そしてその人たちが親になり、子供と一緒に見に来ているんでしょうね。

 この妖怪、かわいい目してる!

とか

 昨日の『ゲゲゲの女房』にも出てたなぁ、これ

とか

 (子)なぁ、この妖怪ってどこから出てくるん?
 (母)あんたがいい子にしてなかったら、今夜来るかも知れへんデ。

なんて会話も聞かれました。
美術展って静かに鑑賞するイメージがありますが、この展覧会は妖怪たちについてあれやこれやと話しながら鑑賞するほうが似合っていると思いました。水木しげる先生もそれをお望みなのではないでしょうか。

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雪舟や狩野永徳の展覧会も入場者数すごかったけど、それ以上かもね。
「松林図屏風」は何度も実物を見ているけど、それでもまた見たくなるんです。

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