派手な服着て老人になりきれず 想い出が空から地から父の忌に 大の字に寝ころび背骨きしむ音 ハイの声低く心配またつのる 男ひとりの重機でビルが粉々に 風に散る若さと思慕と自惚れと また母が小さくなって夏が往く 父の忌よ母は元気で無言です 靴を買い母の旅行について行く 昭和史の隅のあたりを歩む母 父の墓ごしごし洗う手に怒り 風の夜は雨の夜は父恋しかり 会釈して嫌いな人とすれ違う 乾く路待つ人があり待っている 物忘れきのう一つ今日ふたつ 開けるのを忘れこころ香らない ついて来る者もいなくて大手振る 胸に雪真昼の黒い受話器から 雲が飛ぶ雲を追っかけ友が逝く 動くたび気をつけてねと叫ばれる 本もののルイウ゛ィトンかな胸に抱き 忘れたい忘れられないこと乱れ 野辺送り最期のようす聞きながら ソナチネの音が途絶えて夏が往く 延々と恋の行方を聞かされる |

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用



