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そのベンチは、指定席。 だが、そこに誰かがいる形跡はない。 それでも、人はベンチを避け、決して腰掛けようとはしないのだ。 見えない誰かが、そこにいる。 ある日、小さな女の子が、ベンチに腰掛けた。 周囲の誰もが、固唾を飲んだ。 その先に起こる出来事を知っていたからである。 5分ほどが、経っただろうか。 女の子の姿は、忽然と消えた。 「指定席に決して座ってはいけない」 誰かが呟いた。 「座ったら、罰を受ける」 別の誰かが呟いた。 ベンチはずっと待っている。 主が現れるのを。 それを邪魔する者は許さない。 意志を持つベンチ。 だが、女の子は消滅したわけではない。 別の次元に送られただけなのだ。 しかしながら・・・・。 そこが、どんな世界なのかは、誰も知らない。 +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 私にとってベンチとは、恐怖の対象である。 何故だか怖いのだ。 そこへ座ると、何かが起こる。 そんなシグナルが働く。 ベンチは公共のものだ。 誰のものでもない。 だけども、そこに座るべき者は決められている。
そんな気がして、このお話が浮かんだ。 |
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