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北海道より自宅へと帰還後、この記録を書き続ける事、早12時間経過・・・・・(汗
この番外編、本来なら復路編を書いた後に書こうと思っていた事であるが、北斗星の事を、少しでも多くの事を、記憶が薄れていく前に伝えたい思いから、敢えて往路編と復路編の間に書く事にしました。

第1弾目はその北斗星に乗務され、支えている方のお話。北斗星を語る上で絶対に外してはならない事でも有るので最初のお題とする事にした。

一口に「乗務員」と括られがちである。では、北斗星にはどのような方達が乗務されているのだろうか。




機関士:言うまでも無く、先頭の機関車を操縦する方である。「運転士」と言った方が解り易いであろう。

北斗星を牽引する機関車は、3種類の異なる性質を持つ機関車のリレーで行われ、彼等はその機関車を2時間ほどの時間で交代交代乗務する。これは一回の運転乗務が2時間まで、と規定されているからであり、深夜、運転停車を行う一つの理由はこれである。つまり、北斗星は16時間の行程で有るから、単純計算で8名の機関士を必要とする。(実際はもっと必要だと推測される)

機関車と言う性質上、我々乗客が彼等と接する事は皆無な職種で有る方達なのだが、運転が電車よりも気難しく、尚且つ、寝台列車という少しでも滑らかに運転するように神経を尖らせる彼等の技術は職人気質を感じさせる。規定の2時間上限と言うのもここで納得出来る話だ。

余談として最近、この「機関士」の分野にも「女性機関士」がJR貨物に誕生した。女性の進出が著しいこの業界であるが、他のJR各社にも女性機関士が出てくるのも最早時間の問題であろう。





推進機関士:北斗星の営業運行中では無いが、上野駅での回送業務に必要不可欠な方である。

上野駅はその構造上、機関車の付け替えが困難な頭端式のホームである。対して、北斗星が車庫とする尾久車両センターは進行方向に有る。では、どうするか?と言うと、機関車を進行方向に付けたままバックで上野駅へと向かう、所謂「推進運転」を行う。

勿論、上り北斗星も終点上野駅に着いた後は同様の方法で尾久車両センターへと回送される。その時に出番となるのが「推進機関士」で有る。彼らも立派な「運転士」だ。

推進運転となる時、客車の最前部に携帯型のブレーキ装置や警笛をセットし、最後尾となる機関車の機関士さんと無線で連絡を取りながら45km/hの速度で回送する2人羽織をするのだが、その連携プレーはお見事だ。

推進機関士さんが使用する警笛は、とうふ屋のラッパと音色が似ている事から「ラッパ屋」とも呼ばれる。実際に音色を聞くと本当に似ているからびっくりである。





車掌:北斗星の場合、通常2名で乗務する。

JR東日本、北海道の境界駅で有る蟹田駅にて車掌交代されるのみで、基本的には受け持ちの自社路線を通しての乗務となる。

本当の境界駅は蟹田駅の先である中小国と言う駅なのだが、蟹田駅が交代地点で有る理由は、中小国駅だと規模が小さい無人駅で、乗務員交代として使用するには余りにも規模が小さ過ぎて交代駅としては不適格だからである。かつて青森駅に北斗星が停車していた時代は青森駅が交代地点であった。

そして、彼らは国鉄時代によく見られた「乗客専務車掌」(カレチ)ではなく、扉扱いなどの運転業務の他、乗車変更の取り扱い等を行う営業業務など、「車掌」が受け持つであろう業務を一通りこなす本当の意味での「車掌」である。

他にも乗客へのグッズ販売を行ったりと通常の旅客列車と比べると、大変多忙な乗務である。この為か、北斗星に配属される車掌さんはベテランクラスの方が多く、過去に乗車した時に御会いした車掌さんは、いずれも気さくな方達ばかりであった。




アテンダント:かつて国鉄時代は「ウェイトレス」と呼ばれていた方で有るが、私が「戻り鉄」となった現在では「アテンダント」の呼び名がすっかり定着していた。
理由は推測であるが、職業上の呼び名が変わりつつある時代の流れと、彼女達の制服が航空会社のそれと似ているからではと私は思う。いずれにせよ、こちらの呼び方の方が不思議としっくりくる。

北斗星の場合、たまに男性の方も見受けられるが、どちらかと言うと、女性が活躍する職種である。彼女達はJR東日本の子会社である「NRE(日本レストラン・エンタープライズ)」の所属で、グランシャリオの運営や車内販売もNREの受け持ちとなる。

通常、3名ないしは4名が乗務し、車内販売とグランシャリオでの接客業務とを分担して行うようである。(往路では4名、復路では3名だった)その内、一名は大概、若葉マークを付けた新人さんであり、ベテランの方とチームを組んでの人員配置となるようだ。

また、6号車ロビーカーに有る自販機の補充やシャワーカード販売、シャワートラブル時の初期対応も彼女達の受け持ちである。(シャワーのトラブルは車掌さんに対応してもらっても構わない)

彼女達は札幌到着して乗務終了後は、束の間の休息の後に当日の復路にも乗務する。
一見華やかだが、その実、かなりハードな勤務でもある。
それでも、笑顔を見せる彼女達は、正に「プロ」の仕事である。





コック:グランシャリオで供される食事を一手に引き受ける。

通常、我々が目にする事は殆ど無い方達なのだが、スペースが著しく限られた厨房でフランス料理のフルコースから懐石料理、果てはパブの軽食類と一通りこなす「スーパーマン」である。
予め、ある程度の調理がされているとは言え、これだけの食事を狭い車内で作れるのだから、本当に恐れ多き方達で有る。

この特殊な環境下でのコックさんもやはりベテランの方達揃いで、中には国鉄時代から一貫して食堂車の厨房にて腕をふるい続けてきた方も居る程である。

帰路の北斗星終着後、ホームにてベテランと思われるコックさんとお会い出来た。一礼すると、彼もまた、私の事を存じて居たかのように笑みを含めた答礼をして下さった。終点上野でようやく「初対面」だったにも関わらず、「なじみ顔の常連客と板前」と言う不思議な感覚は、今でも鮮明に覚えている。






このように、北斗星を一本運行するだけでも多くの方達の支えが必要で有ることは容易に想像がつくであろう。

北斗星乗車に必要な金額は片道\25000程、これに食堂車利用ともなればもっとだが、こうして考えれば「高い金額」とは思えなくなる。

この記事を番外編として先に書いたのもこうした方々の御活躍を少しでも多くの人に知ってもらいたいのと、もし、乗務されている方がこの記事を目にした時に、御自身が服務されているお仕事を誇りに思って頂きたいからだった。





さて、少し話を変えて、今回の北斗星乗車の最中、そんな方達とのちょっとした小恥ずかしい私のエピソード。

本編の第1章でも書いたように個室ソロを取ったにも関わらず、「悪い癖」のおかげで通路に居座ってしまう私。この通路、他の乗客もそうだが、車掌さんや車内販売を行うアテンダントさんも当然通路を使う訳であるから、彼等、彼女等が通る時、私は「邪魔」となり、私はソロ入り口の階段へと一時避難する。

CA「すみませんでした。」
私「いえいえ、邪魔しているのは私の方ですから・・・・。」

そんなやりとりが乗車中に幾度か続く。ソロなのにこんな所に居たがるとは我ながらおかしな奴だ。そうして行く内に私もアテンダントさんも顔を覚えていき、その内にちょっとした軽い会話も生まれて来る。

さて、そうこうしていく中で私の頭の中で、とんでもない事を思い付くようになってきた・・・・。
そうだ、彼女達の活躍する姿を写真に取り、「絵」として残そうと・・・・・。

とは言え、これって、簡単なようで実は大変勇気が要る事だとすぐに気付く。
どうしてか?理由は至極当然で、且つ、どうしようもない事である。彼女達は「女性」で私は「男性」、彼女達はモデルなどでは無いので当然応じてくれる筈も無いのが一般論だ。それに一歩間違えれば「ナンパ」とも受取られ兼ねない。かと言って、「隠し撮り」なんて言語道断だし後々問題にもなる。さて、どうしたものか・・・・。

ええ、ちゃんとお願いしましたよ・・・。旅の恥は何とやら・・・・・。恥とでも何とでも言ってくれと覚悟した上で・・・・。時は往路乗車中、外は雪舞う札幌到着2時間前。

CA「え!?私を・・・・?ですか・・・・・???」
私「はい、広大な景色の中で頑張っている方をどうしても絵におさめたくて・・・・」
CA「あのぅ・・・・私で良いのでしょうか・・・・?」
私「はい・・・、お願いします。」

頬を少し赤らめ戸惑い気味の表情、この時の若葉マークを付けたアテンダントさんは「女の子の顔」になっていた・・・・。
鈍感な私でさえ、この状況はマズイと直感する。周囲からして見れば、どう見ても「ナンパ」で有る。そんな私の不安な心中とは裏腹にどうにか撮影が無事終了。彼女も終始にこやかにしていたが、私はと言うと、かなりヒヤヒヤしていた。滅多な事は考えない方が良い様である。

そんなこんなで、どうしても撮りたかった一枚は、これで撮る事が出来た。その写真は申し訳無いが、ここに掲載することは出来ない。
そして、私が次回乗車する時、立派に成長されていて、再びお会いした時はこの時の写真を見せてあげようかとも思う。本当に感謝である。

教訓:掻き捨てる恥もほどほどに・・・・・。(でないと、次回が恐いから(笑)

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こんばんは。
はじめまして。
私が2番目に多く乗った夜行列車が「北斗星」です。

記事の一つ一つが、手にとるように伝わってきます。
フランス料理は18年前に1度だけ。
あとはパブタイムと朝食だけですが、それでも満足です。

北海道新幹線の開業時には転機が訪れるかも知れませんが、その姿をいつまでも見たいものです。

2009/11/6(金) 午後 10:14 HERO

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こんばんは。コメント有難うございます。
道内に新幹線が走るようになった時、北斗星がどうなっているのか、不安な面も有るのは確かです。HERO様の仰る「転機」が訪れる前である現在、少しでも多くこの目に焼付けたいです。

2009/11/8(日) 午後 6:35 [ Pin ]

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こんばんはw

楽しく読ませてもらっております。
とても読み易く、情景までも想像できて素晴らしいです。
もちろん!ポチwですよ!!

そうですね北海道新幹線開通と共に、連絡船の様に姿が消えなければ良いのですが・・・。

2009/11/9(月) 午後 10:34 [ 北斗星☆彡 ]

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北斗星☆彡 様、私のつたない文章にポチ!本当に有難うございます。
北海道新幹線、もう待った無しにその時が来ているのですよね・・・。
思えば、青函トンネル開通、ひいてはその象徴とも言うべき北斗星就役が青函航路に引導を渡した事を考えると、時代が産んだ皮肉と言うべきでしょうか・・・・・。複雑な心境です。

2009/11/9(月) 午後 11:54 [ Pin ]

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