寺島実郎の魅力

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  2009年8月30日(日)16時22分

一、

 国際級政策シンクタンクと並んで、寺島氏は第二の提案として「国際級新型通信社の創設=国際情報イ

ンフラの整備」を指摘する。欧米先進国には、米国系のAPとUP、英国系のロイター、フランス系のA

FP,旧ソ連のタス通信などがあるが、このような自前の国際情報収集回路の必要性を提案している。

 たとえ、商業ベースでは採算にのらないとしても国際情報のインフラ整備のために、日本の経済界は、

10億ドル(1000億円)程度の資金を調達して、国際級通信社を作っておくことの必要性を訴えている。

 このような寺島氏の提案を、今あえて紹介する理由は、今回の政権交代が一つのチャンスであると思う

からである。第一の国際級政策シンクタンクの提案にしても、第二の国際級通信社の提案にしても、現状

の日本の経済力・資金力で決して調達できない負担額ではない。

日本の防衛予算は年間5兆円と言われているが、1000億円としても約2%にすぎない。1930年代における

「情報戦の敗北」という歴史的総括から言っても、寺島氏の二つの提案は決して非現実的なものではない。

 最近の自民党麻生内閣の、2兆円の定額給付金や、177億円のアニメの殿堂のようなムダ金を使って

いながら、国家戦略上最優先すべき課題に対しては、まったく取り組もうとしていないことこそが問題で

はないか。


 二、

 また寺島氏のような国家戦略上の重要な提案の根源には、1930年代の日本における「知のしくみ」の欠

如についての痛烈な【歴史の教訓】があるからである。

 今回の政権交代こそ、【歴史の教訓】を生かす、千載一遇のチャンスである。21世紀の国家戦略・国家

ビジョンを今からしっかり構想していかなければ、日本は今後ますます衰退していくことはまちがいな

い。

 歴史の貴重な教訓を生かすことができない国民は、衰亡の一途をたどるであろう。

 私のこの連載論考に対しては、賛成する人、反対する人、感情的に反発する人、それぞれ反応もイロイ

ロであろうが、とにかく「政権交代」をまじめに考え、民主党政権の樹立に大きな期待をかけている読者

諸氏への参考としていただければ幸いである。(完)

  2009年8月30日(日)11時33分

 一、

 寺島氏は、湾岸戦争の国際的責任分担費用が1、1兆円拠出しておきながら、その10分の1の1000億円

の費用さえ、国際戦略研究所に出費するという政治的センスを日本の政治家が持っていないことを厳しく

指摘している。

 このことはすべてに言えるであろう。日本には世界屈指の経済大国として、豊富な資金力を持ちなが

ら、その場限りその時限りのバラマキでどんどん富を使い尽くしているということなのではないか。

 その典型が、自民党・竹下内閣の「ふるさと創生事業」(1989年)である。当時、全国の3300の市町村

に、各1億円ずつ配ったが、総額3300億円をばらまいたことになる。こういう発想力の貧困な政治家がト

ップについている日本の不幸はここにある。

 またマスコミなども、日頃、日本の政党の政策には国家ビジョンがないと、言いながら、竹下内閣のふ

るさと創生事業のようなムダ使いに対しては、「3300億円もあるのなら国際級のシンクタンクを作るべき

だ」というという発言をしたと言う話は聞いたことがない。

 自民党道路族などは、10年間五十数兆円の道路設備費を確保するためなら、あれだけの執念をもって取

り組むにもかかわらず、たかだか1000億円出せば国際級のシンクタンクができるというのに、情熱をもっ

て取り組む政治家がほとんどいないというのはどういうわけか。

 ジャーナリストなども、「国家ビジョンがない」と言いながら、もっとしっかりした国家ビジョンを作

るためにも「民間シンクタンク」を充実させるべきだ、という発言をしたという話は聞いたことがない。

 二、

 政権交代とは、「発想の転換」を可能にする政治システムである。長期政権では、それまでの発想の転

換の必要性を自覚した政治家がいたとしても、政権全体がそれに取り組もうという体制になっていない。

 これに対して新政権は、成果をあげるためなら、どんなアイデア・発想も活用して実行していこうとい

う柔軟な姿勢を持つことになる。国民から衆知を集めて、それを政策に生かそうという積極的な態度が出

てくるのである。

 私が見たところでは、マスコミ・ジャーナリズムこそが「政権交代」の可能性が大きくなるにつれて、

「今までのような自民党長期政権の時代の方が、やりやすくてよかった」と思っているような気がしてな

らない。ようするに民主党が政権・与党についた場合の、自らの立ち位置をどう定めてよいかわからない

からである。

 今までは「自民党には不満がある。民主党には不安がある。」と言っていれば、メシが食えていたとい

うことだろう。挙句の果てには「民主党が勝利すれば、政局は混乱するのではないか」などと不安をあお

る始末だ。マスコミ・ジャーナリストの連中は、自分たちが混乱しているだけではないか。

 「政権交代こそ、日本が新しく生まれ変わる最大のチャンスだ」と言うことがまるでわかっていない。

 こういう政権交代という状況こそ、新しい発想、新しい人材、新しいチャレンジの可能性がようやく日

本社会に生まれたことを歓迎すべきなのだ。

 マスコミ・ジャーナリズムこそ、古い発想、古い人材でチャレンジしようとしないばかりか、新しい発

想、新しい人材で新しくチャレンジしようとする人たちの足を引っ張ろうとしている最大の元凶なのだ。

  2009年8月29日(土)21時19分

 寺島氏は、敗戦国から戦後目覚しい復興を成し遂げた経済大国日本が、大きな経済力を持ちながらも、

政府官僚機構にシンクタンク機能を全面的に依存するだけで、政策代替案を常に準備して与野党が議論を

深め、切磋琢磨していく体制つくりを怠ってきたことをはっきりと指摘している。


「日本は経済力のわりには、こうした政策代替案、特に国際戦略の政策シナリオの基礎的調査研究をする

「知のしくみ」を作ることを怠ってきた。「湾岸戦争でいきなり110億ドル(1、1兆円)もの金を

『国際責任』として分担せざるを得ないのなら、その10分の1の資金でも民間セクターで主体的にプー

ルし、国際戦略研究所を作るべし」ということを私も発言して来たが、その後、米国の主要政策シンクタ

ンクの財務内容を調べて見て、5億ドル(500億円)の基金があれば世界最大級の国際戦略研究所がで

き、年間4000万ドル(40億円)の活動資金が確保できることがわかった。

・・・国益の追求という次元にとどまらない、真の国際級政策シンクタンクを準備していくこと。これ

は、私たちの世代に与えられた重要な仕事ではないだろうか。」(第6章)


 民主党の言う「脱官僚」ということを実行するためには、政府官僚機構のシンクタンク機能に頼らない

政府から独立した、しかも政府官僚機構に対抗(対決ではない)しうるだけの政策立案能力をもった民間

シンクタンクが必要であると言うことを提案しているのである。

 政権交代のある代議政治の確立をしてゆく上でも、寺島氏の提案は、重要な意義を持つのである。

 これを怠ってきたのは今や野党になろうとしている自民党の責任も大きい。あれだけ潤沢に政治資金を

持ちながら、自民党独自のシンクタンクを作ることなく、政府官僚機構のシンクタンク機能に丸投げして

来たために、今後野党としてまともな政策論争をしかける能力がなければ、自民党の復活のシナリオも成

り立たないのである。

 かつて細川政権が出来て自民党が下野した時、当時の自民党幹事長・森喜朗のとった対抗策は、謀略に

よる政権与党への返り咲きであった。

 立法府を、本来の政策論争の場にするためにも、しっかりした民間シンクタンクの設立は非常に重要な

のである。

 米国の場合、共和党系、民主党系、中立系のシンクタンクがさまざまな国家ビジョンの構想・政策立案

を常に行なっており、政策面でのさまざまな多様な選択肢が提案されていることが、立法府での政策論争

を活力あるものにしているのである。(つづく)

  2009年 8月28日。

 一、

 私が今あえて寺島実郎氏を取り上げるのは、まさに政権交代前夜という歴史的状況において、必要な人

物であると言う一点につきます。

 以前にも、今年6月の民主党代表選挙に落選した岡田克也氏(現幹事長)に対して、寺島氏を中心とし

た民主党系シンクタンクの創設を提言したことがあります。
 
現在、自民党・民主党のマニフェストに対して、多くの方々は「個別政策の提示」はあるが、将来の国家

ビジョンが欠如しているという不満を抱いていることも確かです。

 ところが「国家ビジョン」を構想するためには、しっかりした歴史観を持って、しかも国際的視野でも

のごとを考えることのできる人物でなければ、到底構想することはできないものであることも確かなので

す。

 幕末・維新の時代も、政局を主導した薩摩・長州の尊皇攘夷派は、武力倒幕へのエネルギーはあって

も、新政権の国家構想はほとんどできておりませんでした。当時、福井藩・松平春獄の政策ブレーン、横

井小楠だけが、唯一、国家構想を持っていたのです。

『船中八策』を構想した坂本竜馬、『五箇条のご誓文』(明治国家の基本理念)を起案した由利公正など

は、横井小楠から多くを学んだ人たちです。

 この幕末・維新における横井小楠の立場にあるのが、現在の寺島実郎であろうと思われるのです。

 とはいっても現代は、幕末・維新の時代よりもはるかに、複雑であり、国際社会についても大変動期に

あるということも確かですから、寺島氏が一人で国家ビジョンの全体像を構想することは困難です。そこ

で寺島氏を中心とした、国家ビジョン構想のためのシンクタンク(調査・研究グループ)の必要性を痛感

するわけです。

 民主党が、今後しっかりした国家ビジョンを打ち出すことができなければ、短命政権に終わる可能性が

強いということです。(つづく)

※民主党国家戦略局と幕末の横井小楠 (参考サイト)
http://blogs.yahoo.co.jp/simasatosijp/6149750.html

  2009年8月27日(木)21時05分

 第二の反省点=「知の仕組みの欠如」


 「アジア軽視」と並んで寺島氏が指摘するのは、情報戦における敗北と言う視点である。

「太平洋戦争へと日本がのめりこんだ原因も突き詰めて行けば、【国の独善】と【世界についての認識不

足】であった。日米戦争と言っても、結局は情報戦であり、日本は情報戦に破れたのである。

 一つは情報回路〔情報収集回路〕の問題、もう一つは、情報を総合化し、政策論にまで高める仕組みの

問題である。

 つまり、時代をいかに認識し、それにいかに対応していくかについての「知のしくみ」をどのような形

でその国が持っているのかが、その国の命運を決することを、私たちは【日本の1930年代を見つめるこ

と】で思い知らされるのである。

・・確かに、〔現状〕均質的な情報はあふれてはいるが、意思決定の質を高める形での情報の仕組みは、

あまりにも未整備だということなのである。歴史の教訓をふまえて、そろそろ工夫が必要な時であろ

う。」  (第5章「歴史の教訓」)

 寺島氏の言う「歴史の教訓」とは、あくまでも今後の指針を求めるために必要な準備作業であるが、同

時に歴史的知の蓄積は、新たなる発想・アイデアの源泉となるものでもあった。

「あとがき」には次のような記述がある。

「今、何よりも実感することは、「自分はあまりにも歴史〔現代史〕を知らなかった」と言うことに尽き

る。正直なところ、私は戦争に至る日米関係史については一通りの知識を持っているつもりでいた。しか

し、それは間違いだった。戦後日本人は、現代史について、巨大なブラック・ホールの中にいるごとく、

重要な歴史的事実についてさえ知らない、理由は戦後の日本が、戦争に至る歴史を直視しなかったからで

ある。」(「あとがき」)

 政権交代という歴史的事件を前にしても、今一つ日本国民の中に、盛り上がりが欠けることの中には、

日本国民の現代史への認識不足が大きく影響していることは否めない。そもそも本格的な政権交代が起き

なかったことの最大の理由が、日本国民の歴史意識〔歴史認識〕の欠如であったと言わざるを得ない。

 昨年の田母神・前航空幕僚長の国会参考人招致の場においてさえ、まともに歴史認識の問題を正々堂々

と議論できない状況は、近現代史に関する歴史認識が、国会議員のレベルでさえも、決定的に欠落してい

ることを物語っているではないか。(つづく)

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