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金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員来日問題(二)
ヨウスケ
2010年8月4日(水) 22時12分 評価に値する対北朝鮮プロパガンダ外交
一、
このたびの金賢姫(キムヒョンヒ)元工作員の来日は、外交政策としては「対北朝鮮プロパガンダ外交」と言うべきものであろう。今までの日本外交に決定的に欠如していたものである。とにかく大きく取り上げて、派手に報道し、拉致問題の存在を内外にアピールするということが必要なのである。そういう面では、大成功であったと言うべきであろう。満州事変の際、軍事的に圧倒的劣勢にあった当時の中国(中華民国)が、国際連盟でとった外交政策も対日プロパガンダ外交であった。軍事的には勝利したはずの日本が、国際連盟の常任理事国の立場にあったにもかかわらず、連盟からの脱退に追い込まれ、外交的には中国の対日プロパガンダ外交に敗北したといってよい。
軍事力の行使という選択肢がないという面では、拉致問題における日本の立場において、プロパガンダ外交はきわめて有力な外交手段であるというべきであろう。マスコミ・評論家の諸君は、そのことがまるでわかっていない。
二、
マスコミ・評論家諸君の中には、英国のインデペンデント紙の批判的な記事をことさら取り上げて、民主党政権を批判している連中がいるが、拉致問題の深刻さは、日本国民でなければ共感的に理解することは不可能であろう。
またとにもかくにも金賢姫(キムヒョンヒ)元工作員の来日のニュースが、世界をかけめぐったこと自体が、プロパガンダ外交としては、大きな成功を勝ち得たのである。そもそも英国国民にとって、大韓航空機爆破事件に対しても、拉致問題に対しても、ほとんど関心がないのであるから、このニュースが伝わっただけでも、意義はあったのだ。
さらには、このプロパガンダ外交に過剰反応した北朝鮮側は、ASEANに参加した北朝鮮高官から、「金賢姫は国家に対する裏切り者」と、つい口走ってしまったではないか。これが大成功であると言わずして、何が大成功と言えるのか。
三、
昨年、拉致されたも同然の中国系アメリカ人ジャーナリスト二名を、引き取るためにわざわざクリントン元大統領が、北朝鮮側に謝罪したことを思い出す。またノ・ムヒョン元大統領が、数十億円の身代金を手渡して、タリバンに誘拐された韓国人二十数名を取り返した事件があった。このときは、テロリストに多額の活動資金を与えたということで、国際的には批判も多かった。
主権国家というものは、自国民の生命を守るためなら、国際社会から何と言われようとも、何でもするのである。世界一の大国であっても、自国民の生命を守るためには、独裁者(金正日)に対してさえ、頭を下げるのである。相手がテロリストとわかっても、多額の身代金を支払うのである。
それができない政府は、主権国家の政府として失格であり、国民に対する責任を果たしたことにならないのである。
今回の「金賢姫(キムヒョンヒ)元工作員の来日」は、民主党政権の大ヒット外交であった。民主党政権は、これに大きな自信をつけて、今後とも拉致問題に取り組んでいただきたい。
※金賢姫元工作員の来日「逮捕されるべき犯罪者が、要人扱い」−英紙
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対北朝鮮外交
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金賢姫(キム・ヒョンヒ)元工作員の来日は対北朝鮮「心理的圧力政策」
ヨウスケ
2010年8月3日(火)22時12分 削除 金賢姫(キムヒョンヒ)元工作員の来日に対して批判的な評価も多いが、まったく視野狭窄の外交音痴としか言いようがない。とにもかくにも、これだけの外交イベントを企画・立案し、実行した政治力は非常に評価されるべきだ。「民主党政権もなかなかやるじゃないか」というべきところだろう。
特に「何も確実な新情報は出て来なかった」ということだけで、今回の金賢姫元工作員の来日を評価するのは、大きな間違いだ。このような批判者は、外交の心理戦としての側面がまるでわかっていない。北朝鮮にとって寝返った元スパイの存在ほど邪魔な存在はないであろう。その元スパイが、日本政府の公式招待を受けて、日本国民の前で堂々と肉声で「田口八重子さんは、かならず生きています。」とハッキリ証言したことがどれほど、北朝鮮に対する心理的圧力となっているのか、についての想像力がまるで欠けている。
今回の金賢姫元工作員の来日で、トントン拍子に拉致問題が解決するほど単純な問題ではないことぐらい誰にでもわかることだ。今回の金賢姫元工作員の来日の外交的成果としては、西岡氏が述べておられたが、ASEANでの北朝鮮高官発言として「金賢姫は国家に対する裏切り者だから、何も話さない」を引き出したことは、大きな外交的成果である。
「圧力と対話」路線は今までも多くが語られてきたが、外交政策における「圧力」には「経済的圧力」もあれば「心理的圧力」(世論喚起)というものもあるということがまるでわかっていない。今回の金賢姫元工作員の招聘が、外交政策として、世論喚起による「心理的圧力効果」がどれほどのものであったか、という政策評価をする評論家もまるでいないというのは、あまりにも外交音痴というべきであろう。
外交政策には、その政権のパフォーマンスも含めて、さまざまな国内事情も伴っているということは、歴史的な事例としても枚挙にいとまがないであろう。日本のメディア・評論家諸君の問題点は、このような国内事情だけをあげつらって、肝心の対北朝鮮外交における心理戦についての評価がまるで無いのは、視野狭窄以外の何物でもない。
かねてから日本の政治家は外交が下手であると言われているが、日本のメディア・評論家諸君もまた外交音痴が多いことが、今回の金賢姫元工作員の来日問題でも露呈されたというべきであろう。
.【金賢姫来日に関する、松田光世氏の解説。】
金元死刑囚の来日で、拉致問題で一定の成果と北朝鮮の対応の変化があった。しかし、よほど取材力がないのか、おばかな自民党幹部の発言を伝えるぐらいで、肝心の情報を伝えていないマスコミには、あきれるほかない。
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金証言は、北朝鮮の姿勢に変化をもたらした。ASEAN関連外相会議で日本側から金証言の内容を伝え聞いた北朝鮮の外交官は「金賢姫は国家に対する裏切り者だから、何も話さない」とテレビの質問に激高した。スパイが国家機密を他国の政府に漏らしたのだから怒るのは当たり前だが・・・。.
.しかし、北朝鮮は、これまで外交の場では、大韓航空機事件も認めず、金元死刑囚も北朝鮮の人間ではないと、全面否定してきた。それが、カメラを前にしたぶら下がり取材に対し、金元死刑囚が北朝鮮のスパイであったことを実質的に認める発言をしたことに、日本の政府高官は注目している。.
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2009年6月17日(水)22時40分 |
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2009年6月14日(日)12時55分 |




