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「原発輸出継続」閣議決定 不信招く「ご都合主義」
産経新聞 8月6日(土)7時56分配信
政府は5日の閣議で「諸外国がわが国の原子力技術を活用したいと希望する場合には、世界最高水準の
安全性を有するものを提供していくべきだ」として、海外への原子力発電所輸出を継続する方針を表明し
た答弁書を決定した。一方、菅直人首相は原発の危険性を強調して「脱原発」を打ち出している。国内外
で論理と政策を使い分ける政府の姿勢は国際社会の不信を招く恐れがある。
答弁書は、「各国における原発の安全性の確保については、一義的には各国が自国の責任の下で判断す
る」と指摘。その上で、すでに原発受注などに関する合意文書に署名しているヨルダン、ベトナムなど4
カ国との原子力協定に対する国会承認を要請している。
これについて枝野幸男官房長官は5日の記者会見で「国家間の信頼を損なうことのないよう留意し進め
ていくということだ。(首相の発言と)矛盾は全くない」と理解を求めた。ただ、実際のところ政府対応
は矛盾だらけだ。
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こういう議論は、政治についての議論の未熟さを露呈しているものだ。「原発受注などに関する合意文
書」をすでに署名している以上、相手国から合意破棄の通告が無い限りは、継続するということは何ら差
し支えない。
「国内外で論理と政策を使い分ける政府の姿勢は、国際社会の不信を招く恐れがある。」
産経新聞の論調は、「国益」重視の立場に立つはずであるが、国益を守るために政策の使い分けなどは
国際政治の世界では常識というべきであろう。むしろ日本側から合意破棄することの方が、国益に反する
はずではないのか。産経新聞は、日本側から合意を破棄すべきだとでも言うのであろうか。
オバマ大統領の核廃絶・プラハ演説なども、その後、臨界核実験が行なわれ、ダブルスタンダードとい
うことにもなるが、国益を守る立場からは、何ら問題とされてはいないではないか。
むしろこういう使い分けのできない政権こそが非常に問題があるというべきだろう。こういう矛盾を抱
え込みながらも、何とかして国益を確保するところにこそ政権運営の妙味があるというものだ。
むしろ民主党は、政権運営において成熟しつつあるということだ。
つまりは、「国内外で論理と政策を使い分ける日本政府は、したたかに国益を守ることを優先している
ようだ」ということになろう。
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