海外有力紙による麻生・ナチス発言

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le monde

ル・モンド紙 2013年8月2日


       「ナチスに関する発言をした日本の副首相に、辞任の意思なし(要旨)」



「辞任する意思はありません」。ナチスドイツについて言及し、今週激しい論争を巻き起こした日本の副

首相麻生太郎は、8月2日にこう表明した。

安部晋三の右翼政権の財務大臣を兼任する麻生氏は、日本国憲法の改定のために、ナチスドイツを参考に

することを提案した発言を、木曜日に撤回した。

金曜日、麻生氏は記者会見の場で、左翼の反対党が求める辞任は考えておらず、「誤解」についての説明

もするつもりはないと語った。麻生氏がこの驚くべき発言をしたのは、1947年に戦勝国と占領軍に押

しつけられた平和的憲法を改定することを目的とする、保守の研究サークルの討論会においてである。

本政府はさっそく、麻生氏の発言は少しも公式の見解を意味しないと強調した。「安部内閣は、ナチス体

制を積極的にとらえることは決してない」と菅義偉官房長官は表明した。

首相である安部晋三は、これまでに何度も1947年の憲法を改定すること、とりわけ日本の軍隊が集団

的自衛権を行使して、たとえば同盟国を援助することを可能にするという願望を表明してきた。

しかしとりわけ1930年代から1945年にいたる日本の帝国主義としての過去によって、この問題に

ついての議論は、中国、韓国をはじめとする近隣諸国においてばかりでなく、多数の日本国民の間にも懸

念を引き起こしている。

http://www.france24.com/en/20130801-japanese-minister-retracts-nazi-example-constitution-taro-aso/


AFP通信 / フランス24 8月1日

Japanese minister retracts comments on following Nazi example

「麻生副総理、ナチスを例とした改憲発言を撤回」


日本の麻生太郎財務大臣は、日本は第二次世界大戦前、ナチス・ドイツが憲法を国民が気づかないよう

に変更してしまった、その手法を真似るべきであると発言したことが、大きな反響を呼んだため、8月1

日、その発言を撤回しました。

この発言に対しては近隣諸国と人権問題の活動家などから、猛烈な抗議が寄せられました。


麻生外務大臣の発言は、第二次世界大戦以前にナチスが国民が気づかぬよう密かに憲法を変えてしまった

手法を学ぶべきであると発言した以前にも、日本の政治家は論議の的にされないよう、靖国神社への参拝

は秘密裏に行うべきであると発言し、批判を浴びていました。

1日の記者会見の席で、麻生外相は自分が誤解されていると語り、第二次世界大戦後に制定された現憲

法の改正論議が「喧騒にまぎれて十分な国民的理解及び議論のないまま進んでしまった悪しき例」となら

ないように、というのが自分の真意だと語りました。

「ナチス政権に関する発言が、私の真意と異なり誤解を招いたことは遺憾である。」と、語り、「意見を

撤回したい。」と語りました。

副総理も勤める麻生財務大臣がナチス・ドイツに関わるこの発言を行ったのは、1日月曜日、超保守派

の政治家によって組織される国家基本問題研究所月例研究会の席上においてでした。

現在政権の座にある自民党に対し批判的な立場の人々は、戦後アメリカの影響を受けて制定された現在

の憲法を改定し、強力な軍隊を持つことを可能にしようとしている自民党の姿勢に懸念を深めています。

第二次世界大戦中、日本がアジアの広大な地域を、そしてドイツがヨーロッパの広大な地域を占領下に

おいたタイミングで、両国は軍事同盟を結びました。

そして1945年、この戦争が彼らの敗北に終わるまでに、ドイツ人種至上主義者のナチス・ドイツは約600

万人ものユダヤ人の虐殺を行ったのです。

1910年に朝鮮半島を植民地化して以降、アジア各地で日本が行った軍事行動の数々が、現在この国の憲法

が軍事力の保持を制限する理由になっています。

朝日新聞の英語版に掲載された発言記録を見ると、かつて麻生副総理は、自民党が提案内容について

『静かに、広範な』議論を行ったにもかかわらず、年配の日本人の間で平和憲法改定への支持が少ないこ

とを批判したこともありました。

「私は、憲法改正が喧騒にまぎれて、十分な国民的理解及び議論のないまま進んでしまう事を望みませ

ん。」

公表された正式のコメントの中で、麻生氏はこう述べています。

憲法改定は国民の間から広範な抵抗を呼びかねず、である以上「ナチス・ドイツはある日、誰にも気づ

かれないうちにワイマール共和国憲法をナチス憲法に書き換えてしまった。こうした戦術を我々も参考に

すべきではないのか?」

安倍政権の菅官房長官は、この問題について以下のように語りました。

「安倍晋三内閣としてナチス政権を肯定的にとらえるようなことは断じてない。日本は戦後、一貫して平

和と人権を徹底的に擁護する社会を築き上げた。」

「この方針に変更は無く、尚も前進させていきます。」


菅幹事長はこう付け加えました。

麻生氏はこれまでにも放言が多く、そのたびごとに物議を醸してきました。

以下はその不用意な発言の数々です。

高齢者は日本社会のお荷物だと語り、謝罪したこともあります。

アルツハイマー患者を冗談の種にし(2008)、「独断と偏見かもしれないが、私は金持ちのユダヤ人が住

みたくなる国が一番いい国だと思っている」と発言(2008)、また対立する民主党をナチスに例える発言

(2008)を行ったこともあります。

1日木曜日麻生副総理は「十分な国民的理解や議論のないまま進んでしまった悪しき例として」ナチス

政権を引き合いに出したのだと主張しました。

発言の経緯を詳しく見てみれば「ナチスやワイマール憲法の経緯を極めて否定的にとらえていることは

発言全体からでは明らかである。」とも語りました。

「日本国憲法は国民全員のためのものであり、その改正論議を喧騒にまぎれて行うべきではないと考えて

いる。」

1929年に始まった世界恐慌によってドイツ経済は破滅の瀬戸際に追い詰められ、ワイマール憲法は一時的

に停止され、それを利用してヒトラーのナチス・ドイツは1930年代初頭、政権の基礎固めを一気に進めて

いったのです。

※ヒトラー内閣成立後間もない2月22日、国会議事堂放火事件が発生した。ヒトラーはヒンデンブルクに

迫って民族と国家防衛のための大統領令とドイツ国民への裏切りと反逆的策動に対する大統領令の二つの

大統領令(ドイツ国会火災規則)を発出させた。これにより、ヴァイマル憲法が規定していた基本的人権

に関する条項、114、115、117、118、123、124、153の各条項は停止された。

ヒトラーとナチ党はこの大統領令を利用し、反対派政党議員の逮捕、そして他党への強迫材料とした。ま

た地方政府をクーデターで倒し、各州政府はナチ党の手に落ちていった。〈ウィキペディア〉

そして1933年、アドルフ・ヒットラーは首相として、国家の全権を掌握してしまったのです。

この時は憲法を改定した訳では無く、諸制度を悪用したというべきでしょう。

野党各党の指導者は、麻生副総理の発言が正しい歴史認識を書き、国際社会における国家の利益を損な

ったとして批判しました。

麻生副総理の辞任を求める声もあります。

野党民主党の大畠章宏幹事長は麻生発言について

「ナチス政権の行為を賞賛しているとしか受け取れず、全く理解できません。」

社民党の又市征治党首代行は、次のように批判しました。

「麻生氏の史実に対する無知が明らかです。」

「ヨーロッパ各国においては、ナチス政権を賞賛すること自体が、犯罪にあたることを教えてやりたい思

いでいます。

ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を歴史にとどめ置くためのサイモン・ヴィーゼンタール・センターは、

麻生氏に対し、ただちに発言の真意を明らかにするように迫りました。

「いったいどんなテクニックについて、ナチスに学ぶべき点があるというのか?民主主義を密かに破壊

するためか?」

サイモン・ヴィーゼンタール・センターの副代表を務める、アブラハム・クーパー牧師(ユダヤ教のラ

ビ)は、声明の中で怒りをあらわにしました。

「麻生副首相は、ナスス・ドイツの力への信奉が、第二次世界大戦当時の世界をたちまちに言葉には出

来ない程の恐ろしい闇の中へと引きずり込み、あらゆる場所で人間性を破壊していったことを、もう忘れ

てしまったのでしょうか?」

韓国外務省のスポークスマンは、麻生発言が

「世界中の人々を傷つけてしまったことは明らかだ。」とコメントしました。

「日本の意政治指導者は、その発言と行動について、もっと慎重であるべきだと考えます。」

同じく第二次世界大戦前から日本帝国の軍隊による侵略と占領を受けた歴史を持つ中国の、外務省のス

ポークスマンは麻生発言が

「日本の成長と発展が、いったいどこに向かっているのか」

アジアの近隣諸国と世界各国が、日本に対する警戒レベルを上げる必要がある事を伝えるものだと語りま

した。

同スポークスマンは、戦争犯罪者として有罪判決を受けた14人の太平洋戦争を推進した指導者も含め、2

30万人の日本人戦没者を祀る靖国神社参拝に関する麻生発言についても批判しました。

麻生氏は日本の国会議員たちに国際問題にならないよう、世界がその訪問を注視している8月15日前後

を避けて、靖国神社を参拝するよう訴えました。

中国外務省のスポークスマンは最後にこう語りました。

「我々は日本が過去に行った歴史認識に対する約束事を守り、もっと真摯な態度で過去の歴史に向き合う

よう要求します。そしてアジアの近隣諸国と国際社会の信頼を得られるよう、具体的措置を採るよう求め

ます。」

イメージ 1

・                Autsch: Taro Aso zieht seinen gewagten historischen Vergleich zurück.


http://www.faz.net/aktuell/politik/ausland/asien/japan-und-dann-war-alles-nur-ein-missverstaendnis-12315619.html

Frankfurter Allgemeine Zeitung

01.08.2013


               Und dann war alles nur ein „Missverständnis“

 2013年8月1日         
                   「全部『誤解』だったらしい」

                                                      Carsten Germis


 日本の副総理は政治において驚嘆すべき手本を見いだした。ドイツの国家社会主義者である。...憲法

を改正しようとする安倍首相の計画は、日本国内でも手放しの肯定を受けている訳ではないのだが、それ

でも政府は1933年からのドイツの国家社会主義者を模範としなければならないと麻生氏は週明けの研究会

で述べた。

...安倍氏と麻生氏という二人の熱狂的な国家主義者は、日本の戦後憲法を根本的に変えようとしてお

り、平和主義の条項を削除する以上のことを望んでいる。憲法九条は日本国に軍事力を持つことを禁止し

ており、それに対して今までは武装した〈自衛隊〉を所持することによって対処して来た。さらには九十

七条による基本的人権の保障も安倍氏、麻生氏をはじめとする自民党の国家主義者達の前では定かではな

く、自民党の憲法改正案ではその完全な削除が予定されている。これらの憲法改正案に息づいているの

は、人権よりも専制主義国家を優先する精神である。

1933年三月のナチスによる全権委任法が理想像とされた麻生氏の講演は、この背景を考慮するとより一層

恐ろしく見える。麻生氏は財務大臣であるだけでなく、副総理でもあるのだ。彼はこれらの発言によって

暗に、日本の公の場とメディアにおいて従来の専制主義国家を再建しようとする政府の目論見に反対する

運動があることを示した。麻生氏はメディアが憲法改正に関して多くの喧噪を掻き立てているとし、「今

回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。」と述べた。従来よ

り安倍政権のもとでの日本の右傾化を懸念してきた中国、韓国は発言に見合った反応を見せた。韓国は、

そのような発言は1930から40年代にかけての日本の侵略戦争下で苦しんだ人々を傷つけるとして批判し

た。

<国内での辞任要求は僅か>

...過去に何度もその人種差別的、挑発的な発言で注目を浴びて来た麻生氏は木曜日に全ては「誤解」で

あった(実際には彼の言葉選びに誤解の余地等少なかったのだが)とし、高まっている批判の火消しを謀

った。

麻生氏は木曜日に「私は、憲法改正に ついては、落ち着いて議論することが極めて重要であると考えて

いる。この点を強調する趣旨で、同研究会においては、喧騒にまぎれて十分な国民的理解及び議論のない

まま進んでしまった悪しき例として、ナチス政権下のワイマール憲法に係る経緯をあげたところであ

る。」と弁解したが、研究会の参加者はおそらくそのようには理解しなかっただろう。


現在議会の大多数を占めている自民党は野党であった際既に、前政権の大臣の悪意の無い〈失言〉を参議

院で多数派であることを利用してやり玉に挙げ辞任に追い込んだが、麻生氏の件に際しての辞任の要求は

木曜日には少数野党である社民党の代表からしか出なかった。確かに東京の多くの市民は怒りを表明した

が、行政側は動じていない模様だ。安倍首相は未だに考えを表明していない。

麻生氏は軽蔑的で無思慮な発言で有名であり、今年の始めにも病気の高齢者は社会保険制度の負担になる

よりは死んだ方が良いと発言したことで非難を浴びていた。

http://japanese.ruvr.ru/2013_07_31/118882408/

ザ・ボイス・オブ・ロシア

2013.7.31

               麻生副総理 日本憲法の「ワイマール式改正」を求める

                                             イリナ イワノワ

韓国、中国その他のアジア諸国で、またもや日本の政治家の発言が物議をかもし出している。つい最

近、大阪の橋本市長の、帝国陸軍が徴用した所謂「従軍慰安婦」に関する発言が大きな怒りを呼び起こした

ばかりだが、今度は首相経験もある麻生副総理が、1930年代のワイマール共和国憲法見直し経験を引き合

いに出し論議を呼んでいる。

29日、麻生副総理は「ドイツのワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変

わった。あの手口を学んだらどうか」と述べた。その際確かに、麻生副総理は、大きな騒ぎは引き起こし

たくないとし、憲法改正の目的は、国の安定化であり「落ち着いて、われわれを取り巻く環境は何なの

か、状況をよく見た世論の上に憲法改正は成し遂げられるべきだ」と強調している。

とはいえ、この麻生副総理の発言は、アジア諸国で大きな反響を呼んだ。ナチスによるワイマール憲法

の見直しは、第一次世界大戦の結果により定められたドイツ軍の規模の制限破棄を意味するものだから

だ。その結果、ドイツは短期間のうちに急速に、その軍事力を増強できた。そしてドイツは、英国及びフ

ランスの暗黙の合意を得て、まずオーストリアとチェコスロバキアを占領、その後、ポーランド侵略に取

り掛かり、第二次世界大戦の幕を開いた。中国や韓国が、日本の所謂「平和」憲法の見直しと軍の改革が、

日本の潜在的軍事力の急激な拡大の諸条件を作り出すのではないかと危惧するのも当然だろう。

しかし、ロシアの日本問題の専門家ヴィクトル・パヴリャテンコ氏は、そうした恐れはないと見ている―

「世論調査から判断して、日本社会には2つのグループが形成されています。憲法見直しに関する安倍首

相の考えを支持する人々と、それに反対する人々です。反対派は、毎日新聞の調査では51%に上っていま

す。ここで申し上げたいのは、安倍首相は、以前よりも今は断固とした態度で憲法見直しを訴えてはいな

いという事です。恐らく、彼の側近の誰かが、そうした立場は日本に害を及ぼすばかりでなく地域の緊張

を高めるとして、状況を先鋭化させるべきではないとアドバイスしたのでしょう。

もちろん麻生副総理の発言は、自由民主党や日本社会の一定の部分の気持ちを反映しています。その背

後には何があるのでしょうか? 何もありません。あるのは目論見ばかりです。社会の一定の部分が方針

を決め、その方針に沿って、近い将来、日本の発展の方向付けをしたいと欲しているのです。しかし、そ

うなるかどうかはまだわかりません。なぜなら、先日の参議院選挙の最も重要な結果は、連立与党が衆参

両院で多数派となり、この6年間で初めて議会と政府が一つになったことで、これは自民党内ばかりでな

く社会内の安定の要因となっているものの、残りのすべての事は、この安定から派生して生まれるものだ

からです。

もちろん多くのことは、アベノミクスが今後どう実現されるかにかかっています。もし経済プログラム

に停滞が生じれば、対外政策や、安倍氏がその一期目の時にもう予定したこと、つまり憲法改正や自衛隊

の本格的な軍隊化などを通じて、その埋め合わせをする事になるでしょう。しかし、日本の軍事力拡大の

途上には、大きな障害物が横たわっています。それは米国の存在です。日本の軍事的政治的同盟国であり

ながら、その一方で、米国は、日本政府が東アジアに軍拡競争を誘発したり、まして再び強力な軍事大国

になることなど望んでいないからです。」

イメージ 1

http://www.theguardian.com/commentisfree/2013/aug/02/japanese-finance-minister-taro-aso-nazi-comments?INTCMP=SRCH

the guardian.com, Friday 2 August 2013

Rana Mitter

ザ・ガーディアン 8月2日

   The Japanese finance minister's Nazi comments hark back to a dark past

     「麻生財務相のナチス コメントは暗い過去を思わせる」

                                           ラナ・ミッター

再軍備についての麻生太郎外務大臣のコメントは、日本を再軍備に向かわせようとする勢力を勢いづかせ

ようとするものであり、中国との緊張を一層悪化させる可能性があります。

「憲法改正はヒットラーに学べ?!」

 日本の再軍備を禁ずる、第二次世界大戦後アメリカ占領下で編纂された日本国憲法を改訂したければ、

ワイマール共和国憲法を密かに骨抜きにしたナチス・ドイツの手法を参考にすれば良い、これが日本の財

務大臣という要職にある麻生太郎氏が7月末におこなった『提案』の要旨であるようです。

8月1日になって麻生氏はこの発言を撤回しました。

この発言は突如行われた訳ではありません。

日本が尖閣諸島と呼び、中国がダイユー諸島と呼ぶ東シナ海の不毛な島の主権を巡り、両国は1年以上

に渡り論争を続けてきましたが、しばしばジェット戦闘機や艦船を繰り出して軍事的緊張が高まる場面も

頻出しました。

日本と中国は1937年に始まり、未だに本質的解決に至っていない紛争の危機の新たな場面を作り出して

しまいました。

日本の中国侵略に関する一連の清算を行い、その後永続させるべき平和的関係の骨格を作り上げること

に、両国は1945年以降多くのことをやり残してしまいました。

紛争の始まりは、歴史に克明に刻まれています。

1937年7月7日北京郊外の盧溝橋で、日本の占領軍と中国国軍の間で戦闘が発生しました。

この戦闘をきっかけに、数週間のうちに戦火は中国各地に拡大して行きました。

日本は上海、広州、そして南京を占領し、史上悪名高い数千数万の一般人の虐殺が行われました。

約1,400万人以上の中国人がこの戦争の犠牲になり、8,000万人以上の難民が生み出され、中国は極めて高

い代償を支払わなければなりませんでしたが、日本に対する降伏だけは拒否し続けました。

その抵抗は1945年の日本の無条件降伏まで続いたのです。

それから70年近くを経た現在に至るまで、両国は日中戦争についての完全な清算にも至らず、また双方と

もに互いの国内政治、国際政策について認め合った訳でもありません。

中国においては未だに抗日戦争は、この国の精神的支柱のひとつとなっています。

慰霊碑が併設された南京‪大虐殺紀念館‬では、薄暗照明の中に浮かぶ数々の写真が、1937年12月日本軍に占

領された当時の首都における大虐殺の恐怖を思い起こさせます。

そして今、中国全土ではビデオ・オンラインゲームが何万人もの参加者を集め、画面上に再現された日本

軍を倒すために腕を競っています。

しかしこの中国における戦いへの見方は、まだかなりゆがめられたままです。 

東西冷戦の間、毛沢東の統治下にあった中国では、抗日戦争のかなりの部分、すなわち蒋介石率いる国

民党軍の抵抗戦争の大部分が『公式』に忘れ去られていました。

具体的には1937年秋の激戦となった上海防衛戦では、187,000名もの国民党軍兵士が日本軍との戦闘で死

亡しました。

しかし1949年の内戦で中国共産党が勝利すると、蒋介石とその残党は台湾に逃亡。

このためこれほどの戦いもその犠牲者も、抗日戦争勝利のためのどのような評価も得ることなく、歴史の

狭間に埋もれてしまったのです。

こうした状況は、冷戦の終結とともに変わり始めました。

中国政府が台湾統一を国家の目標のひとつに掲げ、それとともに国民党政府が抗日戦争に果たした役割

もまた、少しずつ再評価されることになったのです。

しかしそこには厳しい制限もあります。

抗日戦争の主役、そして勝利者は飽くまで中国共産党でなければなりません。

対日戦争継続のための国共合作は歴史上有名な事実ですが、公の場で語られることは滅多にありません。

中国の大衆文化において、善悪が明らかな日本との戦いは、まるで漫画のように万人にとって解りやすい

通俗活劇になりました。

こうした背景に煽られるように、尖閣諸島では日中双方が「完全勝利」を収めようとし、緊張が高まりま

した。

日本側で緊張を煽ったものとしては、まずは政治家の責任をあげなければなりませんが、最近になって

太平洋戦争は侵略ではなく、日本がアジア各国を白人帝国主義から『解放』した戦争であったとする考え

方が、この四半世紀、徐々に浸透してきました。

漫画家の小林よしのり氏の劇画が大きく影響しました。彼は1992年に発表した『戦争論』の中で、日本軍

をアジアの同胞の解放者のごとく描きあげ、65万部を売り上げました。

もちろん、日本は現在民主主義国家の一員です。

そしてナショナリズムを煽って戦前の暗黒社会の復活を謀るがごとくに振るまい、国際社会において日本

のイメージを低下させ続けている政権与党自民党の中にも、そして最左派の日教組にも、日本の戦争中の

行為を美化すべきではないという正論もあります。

しかし第二次世界大戦 =太平洋戦争中の日本軍の数々の非道を美化する動きについて、これ以上の歪曲を

許せば、日本と周辺諸国との緊張はより深刻なものになってしまうでしょう。

日中間の紛争のそもそもの起源とその後の展開について、私はこの10年間調査と研究を続けてきまし

た。 私はこう確信しています、現在の日中間の危機は1937年当時程は深刻ではない、と。

しかし類似点も多々あり、状況が切迫しているのも事実です。

そしてアジア地区には、東シナ海に浮かぶこの小さな島々を巡る大国間の争いを調停できるような他国間

機構は存在しません。

1937年の日中戦争は、互いに対照的なイデオロギーを掲げて国家建設に邁進しようとしていた国家同士

が、些細な事件をきっかけに勃発し、瞬く間に拡大していきました。

今日の政治家には、そのような誤りを再び引き起こさないようにする責任があります。

今回の日本の麻生外務大臣が行ったような発言は、アジア太平洋地区の平和を築いていくために、どんな

役にも立たないのです。

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