海外有力紙・NHK会長発言問題

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2014年2月10日(ブルームバーグ):


         フォックス・ニュースは、日本では安倍が操るNHKだ

                                   ウィリアム・ペセック

自分の叔父を最近処刑した独裁者に危険人物として目を付けられるようになったら、北アジアにおけるあ

なたの評判はこれ以上落ちようのないところまで落ちたと認識するべきだ。北朝鮮の金正恩(キム・ジョ

ンウン)第1書記によってアドルフ・ヒトラーと比べられた安倍晋三首相は、真剣に考えるべき時だろ

う。

もちろん、将軍様は世界一まともな政治評論家というわけではない。叔父の張成沢(チャン・ソンテク)

氏を狂犬病の犬に食わせたという報道まであったくらいだ。しかし安倍首相をヒトラーに比べたのは金第

1書記だけではない。第2次世界大戦のA級戦犯14人が祀(まつ)られている靖国神社を昨年12月26日に

参拝したことは、アジアの「ナチス」に敬意を表する行為だと中国当局者から激しい抗議を受けた。

韓国も安倍首相の歴史認識に怒りを隠さない。朴槿恵大統領は昨年9月、日本との関係改善を呼び掛けた

ヘーゲル米国防長官に、「もしドイツが何事もなかったかのような顔をして隣国国民に痛みを与えるよう

な発言を続けていたら、欧州の統合が可能だったと思いますか」と問い返した。朴大統領は「私はそうは

思いません」と述べ、ヘーゲル長官に安倍首相の「誠意の完全な欠如」について一席ぶったと報じられて

いる。

安倍首相は平和と友好、理解を望んでいるのだとアジアに信じさせようとしている。それが本心からのも

のであれば、翻訳の途中で何かが抜け落ちたのだろう。しかしNHKをめぐる最新のごたごたは首相の本

心を疑わせる。

<特定秘密保護法とNHK経営委員会>

安倍首相は昨年遅くに特定秘密保護法も強引に成立させた。さらに、NHK経営委員会を自分と意見の合

う保守主義者たちで固めてしまった。12人の経営委員は国会が指名するが、首相の意向が強く反映され

る。政府人事案に基づき新任委員となった作家の百田尚樹氏は先週、「南京大虐殺はなかった」との発言

で猛烈な非難の嵐を巻き起こした。女性は家庭にとどまり子供を育てるべきだと論じる長谷川三千子氏

も、安倍首相が推した経営委員。そして会長に就任した籾井勝人氏はまるで、米FOXニュースのボス、

ロジャー・アイレス氏だ。

米国民が敗戦の玉音放送で初めて昭和天皇の声を聴いたのもNHKラジオを通じてだった。子供たちはN

HKの番組を見て育つ。家族は夕食を囲みながらNHKのドキュメンタリーや時代劇、特番を見る。ロシ

アのソチで始まった冬季五輪を観戦するのもNHKでだし、2011年3月の大震災後の日々、福島から放射

能の雲が押し寄せてくる中で1億2600万人の国民が情報を求めて頼ったのもNHKだった。

<メディアの役割>

戦時中の従軍慰安婦問題について思慮を欠いた発言で国際的緊張をさらに悪化させた籾井氏のような人物

を、安倍首相がNHK会長に推挙した上に今もなお支持しているというのは大いに憂慮される。政府の言

いなりになって安倍首相の右寄りの政策の片棒をかつごうとしていると認めた籾井氏の発言も、国民の怒

りを買った。

籾井氏は就任記者会見で「日本の立場を主張するのは当然のこと。政府が右と言うことを左と言うわけに

はいかない」と発言。しかし、それは「当然」ではない。民主国家におけるメディアは政府を監視するた

めにあるのだ。公共放送でもそれは同じだ。なのに今やNHKは、ブッシュ前大統領にとってのFOXニ

ュースのように、安倍首相が自身の見解を国民に押し付けるための宣伝機関になってしまった。その弊害

は既に表れ始めている。

NHKラジオで経済コメンテーターを長年務めていたエコノミストの中北徹・東洋大学教授は、東京都知

事選を前に脱原発についてコメントを予定していたが、NHKに内容の変更を求められ出演を拒否した。

安倍首相の自民党が電力会社や原発再稼働に賛成する産業界を支持基盤としていることは周知の事実。安

倍首相は原発用の設備や技術の国外輸出にも力を入れている。

<福島原発事故>

2011年の原発事故の当時ですら、NHKの報道はお粗末だった。パニックを引き起こすことを恐れ、リス

クを過小に報道した。東京の住民の多くは福島第一原発での爆発を、日本の最も信頼されている放送局か

らではなく、CNNやBBCといった外国メディアまたは米軍の記者会見で知った。次の大災害の時には

どうなっていることだろう。

国民が情報を切に求めている時に、NHKはせっせと政府のちょうちん報道でわれわれの不安を紛らせて

くれるのだろう。それが今や、政府とNHKの公式方針なのだから。(ウィリアム・ペセック)

(ペセック氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです。コラムの内容は同氏自身の見解です)

原題:Fox News Hits Japan as Abe Pulls Strings at NHK: WilliamPesek(抜粋)

(フィナンシャル・タイムズ 社説・2014年2月9日初出 翻訳gooニュース) 


             安倍氏のナショナリズムが心配な方向へ


<日本の公共放送を抑圧しようとするのは嘆かわしい。>

 アベノミクスの原動力のほとんどは中国からきている。日本経済を復活させようという大胆な作戦は、

力をつけて台頭する中国への警戒心があればこそのものだ。 積極的に自己主張する新興中国を恐れるか

らこそ自民党は、声高に愛国的な安倍晋三氏に頼ったのだし、中国台頭を恐れるからこそ多くの日本人は

鼻を抑えながらでも 安倍氏に投票したのだ。中国について同じように危機感を抱くからこそ、安倍氏自

身も、15年にわたる日本の不況をなんとかして、自国利益を守ることのできる豊かな国を作らなくてはな

らないと確信するに至ったのだ。安倍氏は、戦争中の残虐行為について日本だけが不当に特別扱いされ批

判されていると考える「歴史修正主義者」だ。それでも安倍氏は最初のうちは、経済改革案を立ち上げて

軌道に載せるまでは、経済対策に専心していた。しかし自分の政権が2016年まで続く見通しとなり、就任

から1年以上たった今、安倍氏は自らのナショナリストな政策課題(アジェンダ)をより強力に推進して

いる。そしてそれは、日本の民主主義にとって心配な意味合いを伴っているのだ。

昨年12月に安倍首相はアメリカ政府の助言に逆らい、外交上の分別をも無視して、問題になりがちな靖国

神社を参拝した。その結果、中国政府との対話の可能性は一気に後退。もしかすると韓国との対話の可能

性さえ損なった。

靖国参拝の前には、安倍政権は実に厳しすぎる秘密保護法を強引に成立させた。確かに安全保障と言論の

自由の間には常に一定のバランスが必要だ。しかし日本の法律は秘密を重視しすぎている。

特定秘密保護法に対する人々の疑心暗鬼は、NHKに対する首相の態度でますます強くなった。安倍氏は

かなり不器用なやり方でNHKを抑え込もうとしているからだ(NHKは日本のBBCに相当する公共放

送)。NHKは12月、籾井勝人氏を新会長に選んだ。そしてその籾井氏は「「政府が『右』と言っている

ものを、われわれが『左』と言うわけにはいかない」と発言。重大問題についてNHKは政府の意向に異

を唱えるべきではないとも受け取れるその発言に、多くの人が警戒心を抱いた。

籾井氏はさらに従軍慰安婦問題について、右翼に典型的な主張を展開。後に撤回したものの、第二次世界

大戦で朝鮮半島などアジア各地で何万人という女性が売春を強制させられた事実はないなどと述べたの

だ。12人からなるNHK経営委員会に安倍氏が任命した4人のうち1人はもっとひどいことに、1937年の南

京大虐殺などなかったとまで発言。もうひとりの経営委員は「女は家で育児が合理的」と主張している。

NHKはさらに、原発が大きな論点だった東京都知事選の前には、原子力産業への批判を封じたもよう

だ。安倍氏率いる自民党は原発推進派だが、2011年に福島で起きたメルトダウン事故以来、国民は以前よ

り原発を警戒するようになっている。

安倍政権は国民的議論の幅を狭めようとしている。絶えず日本を挑発して嫌がらせをしている中国は、安

倍氏の手助けをしているようなものだ。米ピュー・リサーチ・センターによる最近の世論調査によると、

中国に好意的な日本人は5パーセントしかいなかった。しかし自らの政策目標のために画策してきた安倍

氏のやり方は、国民がやかましすぎるどころか受け身過ぎる日本のような国においては危険だ。

日本の人たちがもっと議論すべき課題は山積している。たとえば、軍が同盟国を支援できるように「集団

的自衛権」の解釈を変更するのは、まともな選択かもしれないのだ。日本憲法第9条を改憲するかどうか

もまた、正当な議論のテーマだ(日本憲法9条は国の交戦権を認めないという、世界でほとんどほかに類

を見ない内容だ)。しかし日本ではほとんどの人が日本の戦後平和主義を強く支持しているし、首相ほど

保守的ではない。これが安倍氏にとっての不都合な真実だ。

安倍氏は、議論の場を着実に減らし続けることで、世論を自分の望む方向へ誘導しようとしているよう

だ。安倍氏の存在は日本の近隣諸国にとって危険だという中国の主張は、もっぱらナンセンスだ。けれど

も安倍氏は日本そのものにとって危険な存在になり得る。日本は比較的開かれた社会だ。中国脅威論を口

実にその開かれた社会が攻撃されたりしたら、それこそ悲劇だ。

(英・フィナンシャル・タイムズ 2014年2月4日初出 翻訳gooニュース)


                安倍首相の介入でNHKの姿がぶれる

                                  ジョナサン・ソーブル東京支局長

 もう何年も前からその人たちは、日本の公共放送NHKの門前でいつもやかましく騒いでいた。いろいろ

な右翼の末端組織が、公共放送の内容がリベラルに偏向しているとメガホンを通して抗議していたのだ。

自分たちこそが日本の愛国精神を守っているのだと自認する人たちは、いつもなにかしらNHKの放送に怒

っている。NHKがもつたくさんのテレビやラジオのチャンネルを通じて放送される何かが、彼らの逆鱗

に触れるのだ。それは戦争ドキュメンタリーだったり中国報道だったり。時には韓国のメロドラマでさえ

もが。

それが今ではこの人たちは、国の最高権力者を味方につけている。安倍晋三首相は(「日本のBBC」とし

ばしば呼ばれる)NHKの役割をめぐって、激しい論争に火をつけてしまったのだ。保守派の安倍氏は日

本の文化や教育に関わる組織・制度を改変しようとしていて、NHK経営委員会人事はその一環だという見

方もある。

首相のこうした動きは先月末、裏目に出たように見えた。昨年12月にNHKの新会長に選ばれた元ビジネ

スマンの籾井勝人(もみい・かつと)氏がその発言の中で、第2次世界大戦中の日本軍による女性への性

的虐待を大したものではなかったかのように扱うという、日本の保守派としてあまりに相変わらずの失態

を重ねたのだ。

さらにこの発言と同じくらい物議を醸したのが、NHKの報道姿勢に関する籾井氏の発言だった。バラン

スのとれた報道がNHKの正式な責務であるはずなのだが、新会長はそれとプロパガンダをごっちゃにし

ているかのようなことを言った。NHKの国際放送において「政府が右ということを左というわけにはい

かない」と述べたのだ。

この発言を受けてNHK内部からも、政府の不興を買うかもしれない報道を管理職たちが抑え込もうとし

ているとの指摘が相次いだ。NHKラジオで経済コメンテーターを長年務めていたエコノミストの中北徹

東洋大教授は先週、番組を降板。教授によると番組で原発問題を取り上げようとしたところ、2月9日の東

京都知事選に向けて原発の話は止めてほしいと言われたのだという。

原発問題は安倍氏の率いる自由民主党にとって気まずいテーマだ。2011年の福島第一原発事故を受けて国

民の多くが原子力発電に警戒感を抱いている中で、自民党は原発継続を指示している。

元NHK記者で1990年代に研究者となり、NHKと政治家の関係についての著作もある川崎泰資氏は、何

か言えばどうなるか分からないという空気が今のNHKの中にはあり、それが自己検閲につながっている

と指摘する。

イギリス人のピーター・バラカン氏は、NHKや民放ラジオに番組をもつ日英バイリンガルなラジオパー

ソナリティーだ。バラカン氏も最近、東京都知事選が終わるまで原発に関する発言を控えるよう2つの番

組のディレクターたちに言われたと、民放ラジオで発言。原発の話題を控えるよう指示したのがどの放送

局のディレクターかは、明らかにしていない。

公共放送が政府の規制監督機関に圧力をかけられるのは、NHKだけの話ではない。オーストラリアの保

守派を率いるトニー・アボット首相は先週、公共放送ABCが「地元チームに対する愛情」に欠けている

と批判。似たような話でおそらく最も有名なのは、BBCによるフォークランド紛争報道を愛国的でない

と批判した当時のサッチャー政権だろう。

NHKではもっと最近のBBCと似たような問題も起きていた。NHKは義務的に払われる受信料を財源

としているが、職員による横領など身内のスキャンダルでも評判を落としていたのだ。そしてNHKの報

道内容は保守や右翼だけでなく、リベラルや左派からも批判されていた。たとえば原発事故の際には、国

民に警戒感を抱かせたり政府に恥をかかせる情報は放送を控えていると思われていた(今回騒ぎとなった

籾井氏の発言についても、NHKが自ら報道するまでに3日かかった)。

しかし何よりNHKを揺るがしてきたのは、右派から向けられる政治的な敵意だ。安倍氏は以前にもNH

Kと対立した経験がある。朝日新聞によると首相は2005年、別の自民党政治家と共にNHKに圧力をか

け、戦時中の「慰安婦」に関するドキュメンタリーの内容を変更させた。同紙によるとNHKは、旧日本

軍の「慰安婦」強制連行と性的虐待について昭和天皇に責任があるとする市民団体の「模擬裁判」の映像

を、安倍氏らの要請を受けてカットしたという。安倍氏はこれを否定している。

安倍氏は昨年、複数の仲間をNHKの経営委員に任命したことで、籾井氏の会長就任の道筋をつけた。安

倍人事で任命された経営委員たちの物の見方は、日本でまともとみなされる保守思想の限界を試す内容

だ。経営委員のひとりで作家の百田尚樹氏は週末、都知事選の右翼候補のため公然と応援演説をした。そ

の中で百田氏は、日本軍が南京で中国の民間人を大量虐殺した事件は「なかった」と断定。戦後の東京裁

判は、広島などで連合軍が行なった日本人の「大虐殺」を「ごまかすための裁判だった」と述べた。

同じく安倍人事で経営委員となった長谷川三千子氏は新聞のコラムに先月、女性の社会進出が出生率を低

下させたとして、女は家で育児をするのが「合理的」だと書いた(長谷川氏自身は大学教授として働きな

がら子供を育てた)。

籾井氏の発言が批判の嵐を巻き起こしたのを受けて、安倍氏は国会で先週、「籾井会長はじめNHK職員

のみなさんには、いかなる政治的圧力に屈することなく中立公平な放送を続けてほしいと願う」と述べ

た。

安倍氏はさらに、日本の教育現場はリベラルすぎるという考えの持ち主で、そこにもまた手を入れようと

している。教育改革のため首相が設置した諮問機関・教育再生実行会議は、各地の教育委員会の弱体化を

提案。これまた保守派が毛嫌いする日教組の組合員が教育委員会には大勢いるからだ。そこで首相の諮問

機関は各都道府県の教育長の任命権を首長に直接与え、教育委員会の弱体化を提言している。

さらに安倍政権は先月、日本の領土問題についてより愛国的な論調での指導がされるよう、学習指導要領

解説書を改訂した。新しい解説書には、領有権が争われている3カ所の島々(ロシアが実効支配する北方

領土、韓国が実効支配する竹島、日本が実効支配するが中国と台湾が領有権を主張する尖閣諸島)につい

て「我が国の固有の領土」と明記されている。

The Economist

(英・エコノミスト誌 2014年2月8日号)

          NHKを巡る騒動:いくら右でも我が祖国


<過去の亡霊が再び安倍晋三首相を取り囲んでいる。>

歴史に関して異様に修正主義的な意見を述べ、2008年に職を解かれた元航空幕僚長の田母神俊雄氏(65

歳)が、まだ一目置くべき存在だというのは信じ難いことに思われる。だが、東京都知事選に向けた田母

神氏の選挙運動は、日本の巨大公共放送局、日本放送協会(NHK)を巡る論争を激化させた。

 安倍晋三首相は昨年末、NHKの報道を右寄りに変えることを狙い、定数12人のNHK経営委員会に新委

員4人を任命した。2月上旬、新委員の1人である右派の小説家、百田尚樹氏が田母神氏の選挙応援を行っ

た。

報道によると、同氏は東京都心部で選挙カーの屋根の上から、日本軍が中国市民を殺した1937年暮れの南

京大虐殺はプロパガンダに過ぎず、実際には「なかった」と断言したという。


<物議を醸す新会長と経営委員の発言>

 この一件は、歴史に関する安倍氏の右派の思惑に大きな関心を集めている。わずか数週間前には、安倍

氏が物議を醸す靖国神社――250万人の戦没者とともに14人のA級戦犯が祀られている――を参拝したばか

りだった。

 1月25日、やはり安倍氏に直に選ばれたNHK新会長の籾井勝人氏が就任後初めての記者会見で、NH

Kは政府の方針に従うよう努めると語った。NHKは法律で中立であることを義務付けられているにもか

かわらず、だ。「政府が『右』と言っているものを『左』と言うわけにはいかない」と籾井氏は説明し

た。また安倍氏の靖国神社参拝をNHKが批判すべきではないとも付け加えた。

 籾井氏は、戦中の日本軍が「慰安婦」として韓国やその他アジア諸国の女性を働かせていた問題に関す

る論争にも加わり、従軍慰安婦の活用は昔は「ヨーロッパはどこでもあった」慣行だと述べた。国会に招

致されると、籾井氏は発言を撤回した。

 しかし、政府が籾井氏の発言に驚いたわけがないと、政治情報誌「インサイドライン」の歳川隆雄編集

長は話している。籾井氏の率直な物言いは、安倍氏の側近の間ではよく知られていたからだ。

 安倍氏と自民党にとっては、メディアを再起動させることは戦略的な優先課題だ。彼らの考えでは、第

2次世界大戦中に日本軍の宣伝媒体としての役目を果たしたジャーナリストらは、その後、対極へと走っ

た(もっとも他の民主主義国のメディアの基準からすると、日本のメディアは既に不健全なほど従順

だ)。

 2012年まで続いた民主党政権下では、NHKで時事問題を扱う部局が、2011年の福島第一原発の原子力

災害に対する政府の対応を批判する番組を制作し始めていた。今年1月30日に抗議の意思を示してラジオ

番組を降板した出演者によると、NHKは今は事実上、原発問題について一切議論しないよう命じられて

いるという。

 新会長による扇動的な発言について、他のマスコミから猛烈な批判を浴びるなか、NHKは3日間もそ

のニュースを報道しなかった。

 2月上旬には、安倍氏が任命したNHKの経営委員からさらに右派の妄想が出てきた。1つは長谷川三千

子氏の随筆で、同氏は1993年の極右の人物による儀式的な自殺は日本の天皇を現御神にしたと記してい

た。

 しかし、安倍首相は戦後日本の平和主義体制の見直しを訴え続けている。政府報告書の草案は間もな

く、日本の自衛隊が「集団的自衛」に加わることを認めるよう、戦争を放棄する憲法の解釈見直しを提言

すると見られている。そうなれば、日本は同盟国、特に米国の救援に駆けつけられるようになる。

<安倍首相とホワイトハウスの関係にも悪影響>

 この措置は米国の国防機関に支持されている。しかし、NHKに関するニュースは恐らく安倍氏とホワ

イトハウスとの関係を悪化させるだろう。両者の関係は既に安倍首相の靖国参拝でこじれていた。菅義偉

官房長官は、NHKの経営委員らの見解を非難することを拒んだ。

 近隣国、特に中国は、かつての敵国が、次第に右傾化し国家主義の色彩を強める政権の下で、戦後の軍

事的制約をかなぐり捨てるかもしれないと愕然としている。中国外務省は2月5日、「国際正義と人類の良

識に対する公然たる挑戦」として百田氏の発言を非難した。

 平和主義が依然支持されている日本国内では、集団的自衛の容認を売り込むのが一段と難しくなるだろ

う。もっとも、日本最大の放送局を味方につけておくことは間違いなく助けになるだろうが。

イメージ 1

フランクフルター・アルゲマイネ紙

 2014年2月14日

Japans Staatsmedien

    Hier spricht die Regierung

Es gab keine Sexsklavinnen,und am Zweiten Weltkrig waren alle anderen schuld

11.02.2014 ·


日本の国営メディア

            こちらは政府放送局です

                            カーステン・ゲアミス、東京


<性奴隷の女性たちはいなかった、そして第二次世界大戦はみんな他が悪かった。

2014年2月11日・ 日本の国営放送では中国的状況が支配している:政府首長の安倍が放送をし

て、彼の国家主義的コースへと仕上げようとしている。宣伝も含めてだ。>

                             
日本の政府の長である安倍晋三による、日本の国営ラジオとテレビ放送・NHKを、彼の国家主義的アジェ

ンダのメガホンにしようする試みが、次第におかしな様相となっている。この数日間、放送局の監督機関

における国家主義者と修正主義者たちの増大する影響に対して、東京のアメリカ大使館までが抗議するこ

とを強いられている。

 その前に、安倍により取り立てられた新しい放送監督者のひとりが、またしてもうさん臭いテーゼで第

二次世界大戦の歴史を書き換えようとした。彼は1945年の東京裁判を「馬鹿げていると」批判し、か

つての裁判はアメリカ人が、東京大空襲や広島と長崎への原爆投下などの戦争犯罪をごまかそうとしたと

非難した。アメリカ大使館の報道官は「日本とその他の責任ある人々が、地域の緊張を煽るようなコメン

トを避けることを願っている」と述べている。

<宣伝機関としてのNHK>

安倍首相が放送をして、単に政府路線に持ち込もうとするだけではなく、第二次世界大戦時の日本の歴史

の国家主義的な解釈転換の道具にしようとしていることは明らかである。安倍により任命された新任のN

HKの会長である籾井勝人がそれを着任した最初の週に示した。

籾井はジャーナリズムにそんなに理解がありはしない。しかしながら三井物産の元副社長であった彼は、

政府の長と親密であり、なによりも両者は国家主義的イデオロギーで一致している、そうであるからこそ

安倍は彼を日本の国営テレビ放送NHKの会長に据えたと、東京では伝えられている。ところが、新任のス

タートから籾井は、意に反して破綻することになった。彼はNHKの会長としての最初の記者会見で、日本

での独立した国営放送を維持するつもりがまったくないことをはっきりさせた。「政府が『右』と言え

ば、われわれは『左』と言うことはできない」と述べたのだ。放送ははっきりと「日本の立場」を示さね

ばならないと籾井は要求した。はっきりしていることは---これまでは高い評価を得ている---NHKは、彼

の3年の任期中に宣伝道具にならねばならぬということであり、対立意見は歓迎されないということであ

る。NHKの番組は将来、政府の立場からそれほど離れたものであってはならないと籾井は声明した。

<彼らは否定し隠蔽する>

新しいNHK会長のこれらの見解は、もし籾井がここで、いわゆる「慰安婦」に言及しなければ、日本の

報道でおそらくこれほど注目されなかったであろう。これらの女性たち、彼女らの多くが若い朝鮮人女性

で、戦争中に暴力的に日本軍の前線の売春宿へ連行されて売春を強制された。安倍は今日に至るまでこの

犯罪を否定している:当時の政府の強硬派が意図して遂行した正義の戦争の世界観に整合しないからだ。

籾井は性奴隷の女性たちに関して、それは戦時には「どこの国も」行ったと述べた。かつて起こったこと

を「今日のモラル」を背景にして批判されている。そしてとにかく:「韓国が、日本だけが暴力で女性た

ちを集めたと主張するからややこしくなる」と言った。

 かつての日本軍が何万人もの少女たちを、参謀本部方式で性奴隷にした---この方式は国際的にも、独

立した歴史研究者たちの見解においても独自のものであったとされている---ことは、東京の新しい政権

の権力者の変速レバーによって今にいたっても否認されており、また日本が中国と朝鮮を侵略戦争で征服

した事実も同様に否認されている。菅義偉官房長官も、婉曲的に「慰安婦」と呼ばれている性奴隷女性た

ちの問題への質問で、明確な見解を示すことを拒否した。菅は、籾井は彼の問題発言を個人的な見解とし

てしただけであるとはっきり述べたと答えた。これで東京政府にとっては一件落着となった。責任は問わ

れない、なぜなら菅と安倍は非公式な内輪では、このような立場と何の制約もなく同意見であるからだ。

<放送監督者としての修正主義者>

新しいNHKの長の発言に対する中国と韓国からの反応は壊滅的なものとなった。北京と同様にソウル

においても、籾井の登場は安倍のもとで日本の政治に浸透する国家主義と報復主義のさらなる証拠である

と受け止められている。実に日本的なやり方であるが、籾井は責任をとることなく、発言を謝罪しながら

も地位を保っているので、彼は3年の任期をNHKを路線に乗せようと利用するであろう。「もし日本に

良心のあるグループがあるならば、これほど馬鹿げた発言をする籾井のような反倫理的な意見を持つ人物

が、公共放送の長に就くであろうか?」と問う声がソウルから東京に届いた。返答は全くなかった。


籾井の登場は例外ではない。安倍により新たに任命された放送監督者の一人は、東京の選挙戦で、南京

での日本軍の虐殺を否定した---これによって彼も安倍の歴史修正主義と同じ路線である。公開された最

新のNHKの経営委員会の議事録は、安倍により招集された放送の助言者たちが、放送をして日本の国家

主義者の歴史観をを広めて、他の意見を容認しないようにさせようと望んでいることを証明している。

「このような歴史の基本認識を伝える番組への余地があるべきである」と安倍によりこの地位に持ち上げ

られた百田尚樹は要求している。彼は南京虐殺を否定し、また神風飛行士に関する英雄的な小説の著者と

して有名になった人物である。 

 評判を懸念した国営放送の表明によれば、これは経営委員たちのプライベートな意見であるとのこと

だ。とはいえ、このような安倍が信頼する人たちの任命は、日本における報道の自由をシステマチックに

空洞化させる、政府による一連の決定に合致している。

政府の長は昨年末に、リベラルな報道機関から検閲の始まりであると批判されていた国家機密の保護法

を議会で強行に成立させた。

新しいNHKの会長はこれについて「法律が決定された今では、それに疑問を呈する理由はない」と述

べた。このような政治の結果はすでに現れている:NHKの編集者たちが外国人の同業者たちととの話し

の中で、安倍の政治の危うさと危険性が話題になり、彼らが何故この問題が番組に全く採り上げられない

かと問われると、彼らはあきらめて肩をすくめるだけである。

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