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「第54回江戸川乱歩賞受賞作品」が目を引き、
ぱらぱらとめくってみて、時代設定に気を惹かれ、購入。
物語は、思い切り敗戦直後から始まる。
『誘拐児』 翔田寛 作
悪いけど、こんな作家知らん。 というかこの人に限らず、大抵の推理小説の書き手を知らない。
特に江戸川乱歩賞受賞作家となると、目を向けないようにしてきたから尚更。
それだけに先入観なく 「読書心」 を誘われたとも言えるけどね。
ほんと怖がりなんだけど何とか読了。
人の怖さ、迫り来る危機感の怖さ、時代の怖さ、闇の怖さ、やっぱり怖かったよ〜〜。
からっとした怖さとじとっとした怖さの中間だろうか。
時代の闇がじとっとした怖さを煽り、
主人公のナイーブな悩み方と、恋人の清楚さが、じとじと感を中和してくれる。
読みながら、多分作者はこの時代を肌で知っていないんだろうなとは思った。
なんだか違うもんね。
それが湿り気感の希薄さに繋がっているのか。
かと言ってそれを悪いとは思わない。 こんな描き方、こんな印象があっても良いんじゃないかな。
参考文献を掲示しているところに作者の努力と誠実さが伺え(掲示が当然であったとしても)、
書き手の若返りと時の移ろいを実感。
現実と折り合いをつけ、都合の良い結末にねじ曲げないのもオッケーか。
だけど、今も釈然としないタイトル。
誘拐児ってどういうこと? しょうゆうこと!・・・ではなく、
このタイトルから、
作者の言いたいのは、誘拐をされた児であって、
誘拐をした当の本人である児という意味ではない!ということが正確に伝わるだろうか。
それとも、これはこれでありなんだろうか。 |
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