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写真:米陸軍ホームページより
戦争ほど残酷なものはない。戦争ほどむごいものはない。
昨年100歳で亡くなった祖母が、生前に独り言のように言っていた言葉だ。
既に耳も遠くなり、痴呆症に近い状態であっても、よっぽど悲惨な経験がそう言わせたのだと思う。
本日のNHKニュースによれば、イスラム教シーア派の聖地として知られるイラクのナジャフ近郊にて、
イラク、アメリカの両軍が武装勢力との激しい戦闘を繰り広げ、250人以上を殺害したそうだ。
ナジャフはイラク南部、バグダッドから南に200KMほどの位置にあるシーア派の聖地である。
この時期は年に1度の重要な宗教行事の「アシュラ」が始まり、30日に最高潮を迎えるのを前に、
各地から巡礼の人が集まるが、28日早朝からイラク軍とアメリカ軍が大規模な軍事作戦を繰り広げ、
イラク軍の報道官によれば、武装勢力のメンバー250人以上を殺害したとのことである。
地元の州知事は「アシュラに合わせてシーア派の聖職者を殺害しようという企てが発覚した」と述べており、今回の作戦は、シーア派の聖職者や巡礼の人々を狙った、
スンニ派武装勢力によるテロを防ぐことが目的だったとみられる。
私が滞在していた頃はサダムフセインの恐怖政治が治安を維持していたが、
当時もイライラ戦争と呼ばれたイラン・イラク戦争が8年間も続き、
その後はさらに湾岸戦争、そして今回の米国との戦争である。
イラクの人達はいったいいつになったら安住の生活ができるのであろうか。
実際にあってみれば皆が本当に人懐こく、バスに乗るのもほかの乗客に挨拶する人達だ。
そのような人達が、なぜこのような果てしない闘争に巻き込まれなければならないのか。
どこまで血を流せば、どこまで家族を失えば気が済むのだろうか。
イスラム教の神が本当にいるのであれば、なぜ彼らを戦争の地獄におとしめているのだろうか。
イラン・イラク戦争当時、自分が滞在していた頃から悲報が毎日のようにあった。
ある人は戦争で3人の息子をすべて失った。
ある家族は父親を失った。
ある女性はご主人を失った。
そういう話が毎日のように延々と続く、この世の地獄のようなものだ。
一日一日が地獄としか言いようがない。
我々が直接何かできることはないのか、無力さを痛感するばかりである。
神や仏が本当にいるのであれば、なぜこの世の地獄とも言うべき戦争が止められないのだろうか。
イラクで笑顔を見せてくれた同僚達が心配でならない。
続く
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