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誰が付けた呼称か知らないけど、「アラブの春」というにはあまりにも多くの血が流された。
イラクでは相変わらず自爆テロが続き、シリアでは一般住民に対する弾圧が続き、 アフガニスタンやパキスタンでも一般の人がテロの標的になっている。
イラクには1985年12月〜1988年7月まで滞在したけど、 直接会って一緒に仕事した人達は、ジョークを言いながら楽しく仕事をしていたし、 他のアラブの国と同様に家族や友人知人を大切にしている人達だった。
バスに乗るときには入口でサラームアレイコム(こんにちは)と言って挨拶しながら乗っていた。 座席が隣になれば知らない者同士でもぺちゃくちゃ話をしていた。 そういう人達が今や無事に生きているのかどうかも分からない。
イラン・イラク戦争は8年も続き、1988年にやっと終わったと思って一安心したのに、 その後はクウェート侵攻をきっかけとした湾岸戦争、 さらに米国との戦争が再勃発し、延々と戦争状態が続いているけど、 平和な日が来るのはいつのことになるのやら見通しは立たない。
シリアでの滞在期間は短かったけど、1988年に初めて訪問し、 その後1991年、2001年からも何度か訪問した。
外国人の自分にとっては治安も良くて、仕事の関係者も親切で全然問題なかった。 内部での問題はむろんたくさん抱えていたのだろうけど、 少なくとも自分自身にとっては良い思い出の地でしかない。
シリアは西側が地中海に臨む沿岸地域、チグリスとユーフラテス川のある河川地域、 南側の山岳地域、東側の土漠地域と、調査のために8,000kmを移動したが、 どこへ行っても歓迎してもらった。
アフガンは行ったことないけど、 お隣のパキスタンでも一緒に仕事した人達とは仲良くさせてもらって感謝している。 彼らの多くもまた家族や友人知人を非常に大切にしている人達だ。
自分があった人達はいずれの地でも人懐こくて礼儀正しくて、よい思い出しかないが、 それが何か起こるたびに誰かが血を流す結果になっている。
いくつかの独裁政権が倒されたとはいえ、それで問題が解決したわけでもなんでもない。 今もなお何の罪もない一般の人達の血が流され続けている。 アラブにとって本当の春が来るのはいつのことになるのだろうか。
続く
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