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マスコミでは景気が下げ止まり、今後は回復していけそうだという楽観論が報道され始めた。
しかしながら筆者の目から見ると根本的な問題は何一つ解決していない。
米国に端を発した金融危機だという認識を多くのマスコミや有識者が示しているが、
いくら国力があるとは言え、たった一つの国の問題が世界中に危機的状況をもたらすような、
そういう産業構造自体に問題があることは否めず、
産業改革といえるほどの変化はもたらされていない。
仮に一時的に若干回復することがあったとしても、別の国で経済危機に陥ることがあれば、
また同じことが起こりえない産業構造になっている限り、危機的状況が去ったとはいえないはずだ。
ある高級官僚から、「日本の政治とマスコミは世界でも最低レベルだ」と聞いたことがある。
実際にバブル崩壊後の回復にあまりにも時間がかかりすぎ、
十分に回復できない状態のままで今回の金融危機が発生、パンデミックも起こりうる状態だ。
政治家達が足の引っ張り合いをしている間に次々と問題が発生している。
マスコミはマスコミで社会全体に影響を与える問題も個別に捉えるべき問題も混同させ、
社会全体を混乱させるようなことばかりだ。
このため政治家達も戦々恐々として、次から次へと首相レベルまでもが交代し、
ますます政治も社会も混乱してしまっているように思える。
その混乱の結果として、経済状況も社会保障も何一つ問題が解決できない状態になっている。
この混乱した社会状況を変えられるのは一体誰なのだろうか。
どういう人達であれば国家的規模の問題、国民全体に影響を与る社会問題を改善できるのか。
大企業のトップ達は政府が先導していかなければならないと指摘しているが、
実際にその肝心の政府がインパクトのある対策が何一つできないでいる状態で、
このまま期待して待っているだけで問題が解決できるとは思えない。
個人レベルではNGOやNPOも普及傾向にあるものの、医療や介護といった社会保障の問題、
教育分野においては高校中退者が10万人に上るといった大きな社会問題に対して、
個別のNGOやNPOで対応できる部分はごく一部の話でしかない。
では誰に期待すべきなのか、誰がどうすればよいのだろうか。
結論として筆者は政治家やマスコミをあてにするのではなく、
社会起業家を早急に育成、輩出するしかないと考えている。
大規模な社会問題に取り組み、かつビジネスとして継続性、発展性のある事業を構築し、
社会全体の認識を変えられるほどの社会事業が必要とされているのではないだろうか。
ごく一部の社会事業であっても、それが民間企業でも可能なビジネスモデルを構築し、
それが社会問題の改善に繋がるような仕事が必要だ。
一部の社会事業であってもインターネットを駆使して社会全体に情報が普及し、
きちんと収益が確保できるビジネスになれば多くの民間企業が参加することも可能である。
その社会事業によって多くの社会問題が改善し、民間企業が収益を確保することで活動が拡大、
社会保障の改善、雇用の確保、消費活動の回復、教育分野にも波及する事業が必要であり、
それが可能なのは、結局我々国民しかないと思う。
政治家もマスコミも結局世論には勝てない。
彼らが混乱を起こすのは、我々国民自身が政治や社会問題について真剣に考え、
他力本願で政治家やマスコミに期待するのではなく、
逆に政治家やマスコミを世論の意思を反映させる道具として見るべきだろう。
我々国民が明確な考え方を示すことで政治もマスコミも我々自身が変えていくしかないと思う。
以前にも何度か紹介しているが、最後にアインシュタイン博士の言葉を紹介したい。
ある新聞記者が博士に聞いた質問に対する回答だ。
記者:博士、我々人類は21世紀には何を頼りとして生きていけば良いのでしょうか。
博士:我々自身です。
続く
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