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小説 「たったそれだけの事です!!」
自分自身を裸に出来ない人間が、他人を裸にする権利はない。物を書くとはそういうことと理解する!!

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二ヵ月ほど前の事だ。地上から15メーターほどの高さのモミの木の中にカラスがじっと動かずに何かを暖めている気配を見つける。

空が血潮のように真っ赤になっても、風に雨が転がって吹き付けてもカラスは懸命に何かを暖めているようだった。僕は仕事から帰ってもカラスをじっと物陰に隠れ、彼らを見つめた。6月にはいってカラスは子供が出来た。小さくて何かの黒い塊に見えた。まさか四匹も生まれるとは驚きだった。親は夫婦交代で必死に子供のために餌を取り大空に翼を広げた。

当然だが、最初に生まれたカラスはお兄ちゃんだか、お姉ちゃんだかわからないけれど、きわめて大きく見えた。親は必死に餌を子供の黄色い口ばしに差し込んだ。子供たちは毎日、大きく成長し早朝からピヨピヨ鳴いた。親は夜以外、今度は交代で餌を取りに空に消えその間、もう一匹の親はじっと近くから子供たちを見守った。

子供達が四匹も生まれたら巣は狭くなって最初に生まれたカラスは一段高いところから小さなカラスの見守りをしているように見えた。おおよそ2週間ぐらいから、子供たちは徐々に飛ぶ事を覚え親を先頭に空を飛んだ。最後に生まれたカラスは当然体が小さく、臆病で親は毎日、近くの空間から鳴いた。早く飛びなさいといっているように僕には聞こえた。

両親と四匹の子供達が巣をすっかり捨て、どこかに飛び立ってもう四日ほどになる。今日もカラスの一家は1度も巣に戻る事はなかった。僕は今日も空っぽになった、彼らの巣を呆然と見つめる。人生は1度で十分だろうよ。何度も、人生をおくるなど考えられない。小さな手のひらにたくさんの苦労という線をみつめ、今日の夜もため息に酔う。

カラスの子育ては完璧だった。大きな空を駆け抜けるように親子はどこかに飛び去った。苦いコーヒーを飲みながら久しぶりに記事を書いた。最近、何も怖くなくなった。あれほど温厚な僕が職場で仁王のように激怒している。自分が驚いているのだから他人はもっと驚いているだろうか。めっきり疲れが抜けず、しかも短気になって仲間や部下を叱責するようになった。何も怖くなくなった。わからない。何もわからない。

  • 顔アイコン

    久しぶりに訪問してみました。
    カラスは賢いので、
    家族愛も人間以上なのかもしれません。
    童謡は本当だったようです。

    [ mittyan ]

    2019/7/3(水) 午後 1:10

  • ゆうさん、お疲れさまです。

    疲れが溜まっているのでしょうか。

    カラスの子育て。

    我が家には、つがいで来るカラスがいますが
    人間が食べ物を捨てるタイミングを見計らって

    ご飯を食べに来ます。

    カラスって、本当に賢いんです。

    ゆうさん、あまり無理しないようにね。
    難しいかもしれないけれど。

    ファイトです!

    ybw**897

    2019/7/3(水) 午後 10:24

  • 顔アイコン

    お疲れなのでは?
    年々衰えを感じますが目の前の事をこなさなきゃ生きて行けないものね。

    kibi

    2019/7/7(日) 午後 6:35

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