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死刑台のエレベーター Ascenseur pour l'échafaud(フランス 1957) ■ジャンル: サスペンス ■本編: 92分 ■スタッフ 監督: ルイ・マル 製作: ジャン・スイリエール 原作: ノエル・カレフ『Ascenseur pour l'échafaud』 脚本: ロジェ・ニミエ/ルイ・マル 撮影: アンリ・ドカエ 音楽: マイルス・デイヴィス ■キャスト ジャンヌ・モロー (フロランス・カララ) モーリス・ロネ (ジュリアン・タベルニエ) リノ・ヴァンチュラ (シャリエール警部) ジョルジュ・プージュリー (ルイ) ヨリ・ヴェルタン (ベロニク) 「ジュテーム...ジュテーム...」 ジャンヌ・モローのクローズアップで、この映画は始まる。 その美しさとは裏腹に、大富豪の夫の殺害を、愛人ジュリアンに教唆するフロランスの独白が印象的だ。 そしてオープニング・クレジットが流れると共に響くトランペット。そう、マイルス・デイヴィスのあまりに有名なあのフレーズ。 モノクロームの映像に、鮮烈なイメージを彩る瞬間である。 ルイ・マル監督から依頼を受けたマイルスは、流れる映像を見ながら音楽をつけた。 即興で演奏したと記された書物が多いが、実際にはパリに訪れてからホテルでピアノを用意し事前に作曲をしている。すべてにスコアがあったわけではないようで、フィルムを観ながらインスピレーションを湧かせて演奏した曲もあるようだ。 ルイ・マルは音楽が必要なシーンだけフィルムを繋ぎエンドレスで流したという。 エレベーターに閉じ込められ、放置されたジュリアンのオープンカー。 それを盗み逃避行するルイとベロニクのシーンで流れるメロディが、なんともスリリングでカッコいい。 監督のルイ・マルはこの映画で初めてメガフォンを執ったのだが、このとき若干25歳だった。 「死刑台のエレベーター」は、後のヌーヴェルバーグの先駆けとなった記念碑的作品である。 ■アルバム/アーティスト■ 死刑台のエレベーター[完全盤]/マイルス・デイヴィス ■楽曲リスト■ 01. テーマ 02. カララの殺人 03. ドライヴウェイのスリル 04. エレベーターの中のジュリアン 05. シャンゼリゼを歩むフロランス 06. モーテルのディナー 07. ジュリアンの脱出 08. 夜警の見回り 09. プティバックの酒場にて 10. モーテルの写真屋 11. シャンゼリゼの夜[take 1] 12. シャンゼリゼの夜[take 2] 13. シャンゼリゼの夜[take 3] 14. シャンゼリゼの夜[take 4] 15. 暗殺[take 1](夜警の見回り) 16. 暗殺[take 2](エレベーターの中のジュリアン) 17. 暗殺[take 3](カララの殺人) 18. モーテル 19. ファイナル[take 1] 20. ファイナル[take 2] 21. ファイナル[take 3] 22. エレベーター 23. 居酒屋[take 1] 24. 居酒屋[take 2](プティバックの酒場にて) 25. ドライヴウェイ[take 1] 26. ドライヴウェイ[take 2](ドライヴウェイのスリル) ■パーソネル■ マイルス・デイヴィス(tp)、バルネ・ウィラン(ts)、ルネ・ユルトルジュ(p)、ピエール・ミシェロ(b)、ケニー・クラーク(ds) ■録音■ 1957年12月4日、5日 ■レーヴェル■ FONTANA 夜のシャンゼリゼを、ショーウィンドウの明かりに照らされ歩くモロー。 愛人への思い。憎しみ。自信。失望_ その繊細な心理描写を、マイルスは見事に表現してみせる。 そして映画は2つの物語を同時進行させながら、悲劇への連鎖反応を起こしていく。 マイルスはこの映画で初めてサウンドトラックを制作したが、以降このスタイルで二度と録音することはなかった。 映画に携わったのは7本あるが、マイルスのサントラといえばこれが最初で最後なのである。 映画音楽としての完成度の高さに加え、貴重なマイルスの記録として永遠のアイテムとなったのだ。 未だ映画をご覧になってない方は、ぜひ観ていただきたい。 そして、映画と音楽の総合芸術を心ゆくまで堪能して欲しい。 ラストシーンで描き出される世界は、現代では通用しないかも知れないが、その意図は十二分に理解できる。
もしかしたら、あなたにとって戒めの映画となるかも知れない。 |

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