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クリフォード・ブラウンをトランペッターに従えた歴史的傑作『 Hellen Merrill(1954)』の録音から4年。 ジャズ・ヴォーカリストとして順風満帆な音楽活動を続けていたヘレン・メリルが、マイルス・バンド加入直前のビル・エヴァンスのピアノをバックに歌った傑作を記録した。 それが52年前の今日、2月21日である。 ■アルバム/アーティスト■ ザ・ニアネス・オブ・ユー/ヘレン・メリル ■楽曲リスト■ 01. Bye, Bye Blakbird, バイ・バイ・ブラック・バード 02. When The Sun Comes Out, ホエン・ザ・サン・カムズ・アウト 03. I Remember You, アイ・リメンバー・ユー 04. Softly As IN A Morning Sunrise, 朝日のごとくさわやかに 05. Dearly Beloved, ディアリー・ビラヴド 06. Summertime, サマータイム 07. All Of You, オール・オブ・ユー 08. I See Your Face Before Me, アイ・シー・ユア・フェイス・ビフォア・ミー 09. Let Me Love Love You, レット・ミー・ラヴ・ユー 10. The Nearness Of You, ザ・ニアネス・オブ・ユー 11. This Time The Dream's On Me, ジス・タイム・ザ・ドリームズ・オン・ミー 12. Just Imagine, ジャスト・イマジン ■録音/パーソネル■ 1957年12月18, 19日(01〜06) Chicago ヘレン・メリル(vo)、マイク・シンプソン(fl)、ディック・マルクス(p)、フレッド・ランドクイスト(g)、ジョン・フリゴ(b)、ジュエリー・スロスバーグ(ds) 1958年2月21日(07〜12) New York City ヘレン・メリル(vo)、ボビー・ジャスパー(fl)、ビル・エヴァンス(p)、ジョージ・ラッセル(g)、オスカー・ペティフォード(b)、ジョー・ジョーンズ(ds) ■レーヴェル■ EmArcy ■効能■ ピアニスト、ビル・エヴァンスがマイルスのバンドに加入したのは1958年5月26日。 ヘレン・メリルの歌伴を務めたのは僅か3ヶ月前のこととなる。 エヴァンスがマイルスと最初に録音したセッションは、名盤『1958 Miles』に収められている。 丁度1年後の超名盤『 Kind Of Blue(1959)』への布石となったこのセッションは、ウォームでビューティ。 そして、このヘレン・メリルとのセッションも実にウォーム。 クール以前の温かいエヴァンスのピアノを堪能できるエヴァンス・ファン必携の1枚だ。 “ニューヨークのためいき”と呼ばれるヘレン・メリルの歌唱は、ハスキーさも手伝って情緒に溢れている。 そう、ビル・エヴァンスのピアノとの相性も抜群だ。 アルバムは2つのセッションが収められているが、7曲目からがエヴァンスとの録音で、メンバーもまた豪華である。 白眉はやはり、アルバム・タイトル10「The Nearness Of You」だろう。 名曲「Stardust」を作曲したホーギー・カーマイケルのもうひとつの代表的名曲だ。 “わたしを興奮させ、ときめかせてるのは青い月ではなく、君のそばにいるから。君のそばにずっといられたら、わたしの気分はずっと最高”という、ストレートなラヴ・ソング。 メッセージがシンプルなだけに、表現は寧ろ難しい。 メリルは儚い心模様を滲ませながら、哀感を交えて表現する。 そしてそれを支えるエヴァンスのピアノ・ソロは、どこまでも美しい。溶けてしまいそうな、いつまでも聴いていたい響き。 マイルスとの初セッションにおける「Stella By Starlight」の美しさへと繋がりを感じてしまう。 ボビー・ジャスパーのフルート、ジョージ・ラッセルのギターも情感たっぷりだ。 オスカー・ペティフォードのベースの音色も、アダルトなムードを更に盛り上げる。 12「Just Imagine」のヴァースにおけるメリルとエヴァンスも美しい。 名旋律に心も弾む。 誰かに聴かせてあげたいのに、こっそり楽しみたい気分にさせる。 やはり、ヘレン・メリル。ためいきが出てしまう。 あなたもきっと。 ■所有■
紙ジャケCD |

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