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夭折の天才トランペッター。そう聞くと、先ずはクリフォード・ブラウン(1930-1956)の名前が挙がるのは当然至極である。 ブラウンが絶頂期の頃自動車事故で亡くなったのは僅か25歳のとき。 そして、もうひとり。ブラウンの8年後1938年に生を受けた男は、ブラウンの再来と評価されながら、33歳でその短い生涯を閉じた。 男の名はリー・モーガン。52年前の今日2月2日、僅か19歳だった彼はワン・ホーンによるアルバムを録音した。 ■アルバム/アーティスト■ キャンディ/リー・モーガン ■楽曲リスト■ 01. Candy, キャンディ 02. Since I Fell For You, シンス・アイ・フェル・フォー・ユー 03. C.T.A., C.T.A. 04. All The Way, オール・ザ・ウェイ 05. Who Do You Love I Hope, フー・ドゥ・ユー・ラヴ・アイ・ホープ 06. Personality, パーソナリティ ■パーソネル■ リー・モーガン(tp) ソニー・クラーク(p) ダグ・ワトキンス(b) アート・テイラー(ds) ■録音■ 195711月18日(02, 06) 1958年2月2日 ■レーヴェル■ BLUE NOTE ■効能■ ワン・ホーン・カルテットによるアルバム。それは、選ばれし者にしか与えられない誉れ高きもの。 高い評価を受けたリー・モーガンでさえも、ワン・ホーンによるアルバムはこれ1枚しかない。 テナーやアルトなど、一切の邪魔が入らないのだ。モーガン・ファン必携の作品である。 しかも、この『Candy』は内容がよい。 ハード・バッパーとしてのモーガンの魅力が凝縮された代表作だ。 クリフォード・ブラウン亡き後、モーガンには多くの白羽の矢が立ったわけだが、モーガンの歌心に溢れながらも、硬質で潔いトランペットはやはり彼の真骨頂。 確かにブラウンと似ているところもあるが、モーガンはディジー・ガレスピーのバンド時代にディジーから色濃く影響を受けている。 そのため、ブラウンより音色の温度が少し高め。更にワイルドなイメージ。流麗なフレージングの中に、遊び心を忘れないのがモーガンなのだ。 アルバム・タイトル曲の01「Candy」ではそんなモーガンの個性溢れるトランペットを十二分に堪能できる。 モーガンを支えるメンバーがまた優れている。 ピアノにはソニー・クラーク。1ヶ月前にはあの美脚ジャケの名盤『Cool Struttin'』を録音したばかり。ノリに乗ったクラークの渋いプレイは、元気なモーガンと対照的な色合いで見事なテイストを醸し出し、アルバム・カラーを決定付けた。 ベースのダグ・ワトキンス、ドラムスのアート・テイラーは、50年代を代表する名リズム・セクション。 しっかり支えながらも、丁々発止にモーガンを煽る具合がちょうどいい。 バラッド・プレイにもモーガンの歌心が光る。 04「All The Way」のふくよかなトランペットは、モーガンにしか出せない音色だ。 暖かな幸福。涙腺を刺激する遠い日の声。 この録音の直後、モーガンはアート・ブレイキーにジャズ・メッセンジャーズへの加入を誘われた。 そして同年10月に名盤『モーニン』が生まれたのだ。 疾風の如くジャズ界に登場し、新たな旋風を巻き起こしたリー・モーガン。 しかし彼は突然現れ、突然消えた。 1972年_ニューヨークのジャズ・クラブでのステージの途中、愛人に銃撃され天に飛び立ってしまったのだ。 ■所有■
紙ジャケCD |

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