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37年前の今日1月20日、生涯を賭けてピアノ・トリオのスタイルを探求し続けた男が、東京の地にその成果を記した。 ■アルバム/アーティスト■ ライヴ・イン・トーキョー/ビル・エヴァンス ■楽曲リスト■ 01. Mornin' Glory, モーング・グローリー 02. Up With The Lark, アップ・ウィズ・ザ・ラーク 03. Yesterday I Heard The Rain, イエスタデイ・アイ・ハード・ザ・レイン 04. My Romance, マイ・ロマンス 05. When Autumn Comes, ホエン・オータム・カムズ 06. T.T.T.T.(Twelve Tone Tune Two), T.T.T.T. 07. Hullo Bolinas, ハロー・ボリナス 08. Gloria's Step, グロリア・ステップ 09. Green Dolphin Street, グリーン・ドルフィン・ストリート ■パーソネル■ ビル・エヴァンス(p -07 solo)、エディ・ゴメス(b)、マーティ・モレル(ds) ■録音■ 1973年1月20日 東京 芝・郵便貯金会館ホール ■レーヴェル■ CBS/SONY ■効能■ ジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスはヴォーカリストである。 叙情味溢れる繊細な音の粒を紡ぐヴォーカリスト。 60年代以降、エヴァンスが明確に示したピアノ・トリオの新しいスタイル、インタープレイからもヴォーカリストである所以を感じ取ることができる。 ピアノが主役でベースとドラムスはそれを支える脇役という形態を一変させたインタープレイ。 3者が対等な関係で演奏を行うことで、ピアノ・トリオとしてのあるべき姿をエヴァンスは描き出したのだ。 エヴァンスはベースの、そしてドラムスの音色に乗せてピアノで確かに歌っていたのである。 Gomez、Morell、Evans(L to R) このアルバムは、一途に美しい音色を追求していた晩年のエヴァンスの東京でのライヴを記録したものだ。 全曲が耳に優しい歌。 特に07「Hullo Bolinas」のピアノ・ソロは、会場全体が固唾を呑むほどの美しさ。 天使のつぶやきをそこに見出せる。 この曲はコンサートの初日1月19日ではトリオで演奏された。 しかし、ドラムスのマーティ・モレルの提案でピアノ・ソロになったらしい。 モレルもベースとドラムスの邪魔なしに、エヴァンスのヴォーカルを堪能したかったに違いない。お陰で素晴らしい天使のつぶやきを味わえたのだから、モレルに感謝しなければなるまい。 最後にエヴァンスの言葉を掲載しよう。 「ピアノはとても機械的な楽器だ。楽器に触れ、鍵盤を押し下げることでしかコントロールできない。管楽器や弦楽器のほうがずっと表現力が豊かだ。 ピアノに命をふきこむこと、ピアノを通じてヴォーカルのニュアンスを出すこと、これは大きな挑戦だよ。どんな感情のつぶやきでも鍵盤に移せる、そういうフィーリングこそテクニックのすべてさ」 ■所有■
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