鬼平犯科帳を追っかけて

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全1ページ

[1]

先に江戸時代の差別用語について出版社からの但し書を紹介したが、

池波正太郎氏が差別を助長している人物ではないという添え書きである。

物語は江戸時代終了の百年ぐらい前を時代背景に語られている。

士農工商の身分差別を軸に幕藩体制を整えていた時代。

士農工商の身分の下にさらにエタ非人と言われる

差別下に置かれた層もあったことは周知である。

それらのことを池波氏は十分把握して話しを進めているのである。

三話の「血頭の丹兵衛」は、密偵小総の粂八の登場場面である。

どうしてもドラマの蟹江敬三が浮かんでしまうのだが

キャスティングに間違いはない。

小総の粂八が、かっての親分が江戸で急ぎ働きをしていることを知り

自分の知っている親分血頭の丹兵衛は、人を殺める盗賊ではない。

血頭を名乗る偽者を捕まえるために探索に出かけるのだが

急ぎ働きの盗賊に変貌したかっての親分をみつけ、粂八は唾を吐きかけ

「にせものの丹兵衛め。獄門にかかりあがれ」と叫ぶ。

「な、何だと・・・こいつおれがにせものだと・・・」

間違いなく本物の血頭も叫ぶ。

「そうよ。俺の胸のうちにしまってある丹兵衛どんは、手前のようなうす汚ね  
 ぇ野郎じゃねぇ」

まったくもって胸のすくような密偵粂八の登場である。

「両親の顔しらねぇということは、人間の生活に何ひとつ無ぇということ

で・・・それからのあっしが悪の道にふみこんだのも・・・」

と粂八が鬼平に語る場面がある。
 
鬼平が盗賊の残した乳飲み子を養女としたことを知った粂八の人間鬼平への

心からなる信服が密偵粂八の誕生なのである。


この三話で池波氏は

「現代は人情蔑視の時代であるから、人間という生き物は情智ともにそなわっ

てこそ[人]となるべきことを忘れかけている。情の裏うちなくしては智性おの

ずから鈍磨することに気づかなくなってきつつあるが、約二百年前のそのころ

は、この一事、あらためて筆舌にのぼせるまでもなく、上流下流それぞれの生

活環境において生き生きと、しかもさりげなく実践されていたものなのであ

る。・・・」
と言っている。

なんと含蓄のある一文であることか・・・

現代に生きる一人として深く考えさせられた。

池波氏の鬼平にも似た人に向けるやさしさに

粂八同様、心からなる信服を寄せたい。

第一巻第一話「唖の十蔵」

ドラマでは「むっつり十蔵」というタイトルになっていたが

原作は「唖の十蔵」、びっくりした。

新装版文庫として出版されたのが、2000年5月のこと。

最初の出版が1974年、それから26年を経て新装版に但し書が添えられ

たようだ。

「本作品の中には、今日からすると差別的表現ないしは差別的表現ととられか

ねない箇所があります。しかし、それは江戸時代における風習、慣行にもとづ

く歴史的事実の記述、表現であり、作者に差別を助長する意図がないことは明

白です。読者諸賢の御理解をお願いします。

                        文春文庫編集部   」

とあった。

たまたま、古本屋で購入した「鬼平犯科帳」は出版年がバラバラだったので

発見できた。1974年の出版、1976年の出版には但し書はなかった。

「唖・・・」を見たとき、今社会からなくなりつつあるオシという表現に驚い

たのだが、江戸時代においては普通の表現だったことは諸文献からも分かる。

だからこそ歴史の推移とともにあってはならない表現として社会に意識されて

行ったのだと思う。

それが、ドラマでは「むっつり・・・」という表現になり、文春文庫編集部の

但し書となっていったのだと思う。

池波氏が如何に江戸時代に堪能だったかが分かる。

私も「読者諸賢」の一人でありたい。

イメージ 1

今まで読んだ本で一番長かった本は山岡荘八の「徳川家康」。

単行本で全26冊だった記憶がある。

毎日時間があると読みふけっていた。何ヶ月かかっただろう。

ひと夏は過ぎていた。

池波正太郎作の「鬼平犯科帳」は、文春文庫全24冊だと言う。

もっぱら吉右衛門鬼平で満足していたのだが、あまりにもたくさんのマニアが

いるのに驚いて、やっぱり原作を読まないことには語れないと思った。

取り敢えず、BOOK・OFFへ。

全24冊はそろっていなかったが、ズラッと並んでいた。

100円かなとひそかに期待していたが、正価440円が300円だった。

1974年が第1刷、私の買ったのは1995年第44刷だった。

初版本は結構な値がついているのかもしれない。

1巻から6巻までそろっていた。7巻が欠けている。8巻があって次もない。

1巻から6巻を購入。

なにかマニアの一人になった気分になった。

第1巻は「唖の十蔵」「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「浅草・御厩河岸」

「老盗の夢」「暗剣の白梅香」「座頭と猿」「むかしの女」

「オール読物」1968年の1月号から7月号に掲載された鬼平物だ。

マニアのみなさんがターゲットにしているのが江戸の食べ物だ。

鬼平が美味そうに食べる「田螺とネギの味噌和え」の味噌は江戸味噌とか。

私も追々書き出してみよう。

今でも名残を残している浅草近辺。

本所は川向こうの新開地。

深川は今でも情緒たっぷり。

大川にかかる橋。

厩橋、言問橋、白髭橋、両国橋・・・

さあて、どこから料理しようか・・・

原作をゆっくり読んでみやしょうか。

イメージ 1

「鬼平犯科帳」マニアがこれほどいるとは、びっくりした。

長谷川平蔵という人物は調べ尽くされていた。

1746年(延享3年)赤坂築地中之町、今の赤坂6丁目に生まれ、その後
 
本所三ツ目、今の江東区菊川に住む。平蔵散歩はここから出発が多い。

都営新宿線菊川駅下車すぐのところに標識が出ている。

九代将軍家重(吉宗の息子)、十代将軍家治、十一代将軍家斉と三代に渡って

江戸幕府を見てきたのだが、火付け盗賊改には十一代家斉の時、寛政の改革の

陣頭指揮者松平定信の推挙によるとのこと。

実在の人物で1795年50歳で没している。

江戸時代もこの後、100年もしないで終わるのだが、この頃の歴史を見ると

天明の飢饉などもあり、人々の生活は不安定さを増していた。

反面、商人の台頭が著しくまた町人文化の発展もあった時代である。


実在の長谷川平蔵と池波正太郎の鬼平とは別物ではあるが少々混乱している。

私は鬼平、特に吉右衛門鬼平を追っかけるのだが、あまりにもたくさんのマニ

ア情報に圧倒されている。

まったく新しいなにかを発見することは不可能かもしれない。



・・・が、吉右衛門鬼平の追っかけでいいかな・・・

鬼平犯科帳

「鬼平犯科帳」の大ファンです。

テレビでは原作を撮りきって、たまのスペシャル版でしか観る事ができません

原作者の池波正太郎氏がアレンジ版の鬼平をドラマ化することを禁じたと言う

それでいい。

今はせっせとレンタルのDVDで観ている。くり返し・・・

中村吉右衛門は四代目鬼平だと言うが、吉右衛門の実父先代幸四郎と萬屋錦

之助は知っているが、もう一人は知らない。

だが、何と言っても中村吉右衛門の鬼平がいい。

つまり吉右衛門鬼平の大ファンといっていい。

江戸の風俗を知り尽くした時代背景の確かさは並ではない。

が、恥ずかしながら池波正太郎の原作は読んでいないのである。

もっぱら吉右衛門を観ていたことになるのだが、

先日、近くの図書館に行きリサイクル図書として「自由にお持ち下さい」

の雑誌に、文芸春秋の「オール読み物」があり持って帰った。

6月号。テーマは「人気時代小説・・・」。

その中に「鬼平犯科帳、誕生四十年」が取り上げられていた。

「目から鱗」とはこんな時使う言葉だろう。

原作を読まねばの思い新たである。

しばらく、ひまつぶしができる。

原作を読む。DVDを観る。

原作にある江戸時代の料理を少しばかりまねしてみよう。

時々ブログに鬼平を投稿しよう。

ボチボチ・・・

全1ページ

[1]


.
yse*se*3
yse*se*3
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

ブログバナー

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

過去の記事一覧

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事