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人的資源のマネジメントについては、目標が3つあるとされています。 有能な人間を惹きつけること、有能な人間を育てること、そして、有能な人間を維持することです。 1.有能な人間を惹きつける 経済社会など外部環境がどのようにその組織の仕事やシステムに影響をしてくるか、今後の仕事量はどうなるか、離職率等はどうなるか、などを見定めながら、自らの組織の人的資源についてのニーズを把握し、人と地位・仕事とのマッチングを探ります。 インタビュー・テストなどを通して、新規採用者がどのくらいのパフォーマンスをあげられる人間かを見極めなければなりません。 詳しくは書きませんが、人の個性を測るひとつの方法として5つの要素を考えることができるそうです。 その中でも、conscientiousnessという要素、これは自律・正確・慎重・論理的などを示す要素ですが、これは、どの職業においてもパフォーマンスと関係するそうです。 また、Extraversionという要素、これは情熱・社交性・行動的・向上心・度胸などを示す要素ですが、これは、マネージャーとしての潜在力に強い影響があるそうです。 新人補充の際は、新卒のみを取るという方法と、中途採用も幅広く取るという方法と、大きく2種類あります。 前者は、行政機関の世界では、mandarin systemと呼ばれていて、中央集権的、試験の結果を重く見る、ジェネラリスト志向で新人みな階層の一番下から上へ上がっていく、というシステムです。日本やフランスはこのシステムです。 一方、中途を多く取る方法は、oepn recruitmentとよばれ、柔軟でマーケット志向なのが特徴、アメリカやオーストラリアが採用しています。 どちらのシステムも一長一短であり、どちらが絶対的に良いということはないと思います。 2.有能な人間を育てる ただ有能な人間を採用するだけではダメです。その後能力を発揮するかどうかは、最初の段階ではわからない。 だから、育てるという視点がすごく重要になってくると思います。 研修やトレーニングといったもの、OJT、昇進や昇給の際に課す試験などといったものは、人を育てるひとつの方法です。 また、技術者やマネージャーにとっては、専門家と会合を持つこと、大学の専門職プログラム(MBAなど)に参加すること、大学などで学ぶための長期休暇制度なども、有意義だとされています。 個人的な感想ですが、霞ヶ関の役所は、この「育てる」という感覚が、あまりないような気がしてなりません。特に、management development、経営・組織運営の基礎に係る知識や技術を向上させる取り組みをどのくらいしているのか、私が知らないだけかもしれませんが、少し疑わしいです。 仕事を通じていれば、それなりの年月を経れば、管理職としての能力も身につく、そういう危うい前提があるような気がしてなりません。 私は運良く留学という機会をいただき、MPAという行政機関の専門家を育てるアメリカの専門職プログラムに参加をしています。留学前、当時の上司の1人から留学して何をやるのか聞かれ、行政機関版のMBAのようなもので、どのように組織運営をするのかとか戦略だとかそういうことを学びますと答えたところ、そういうことは仕事をしながら覚えるもんじゃないの、と言われたことを良く覚えています。 もちろん、仕事をしながらが、一番大きい要素かもしれません。やはり、仕事だと切迫感がある。 でも、それ以外の機会もたくさん提供しないと、やはり人は育たないのではないでしょうか。 人を育てない、人が育たない組織は、先がないと思います。 3.有能な人間を維持する 惹きつけ、育てても、どんどん自らの組織から離れてしまっていっては、元も子もありません。 そのため、有能な人間を維持することが必要になります。 Starlingは、そのために必要なこととして、規律づけと不平不満を聞くことをあげています。 規律については、パフォーマンスを挙げられない職員や組織を乱すようなことをする職員については、懲戒・停職・叱責・降格・解雇といった手段で裁くことにより、組織全体としての規律づけ、しっかりと働いて成果を出さなければという、下限を示すものだと思っています。 一方、後者については、広く言えば職員にとって魅力ある職場環境を作るということだと思います。末端の職員を含め、全ての構成員は組織の一員として、組織のあり方について意見を持つこと、表明されることが許されてしかるべきだと思いますし、トップマネジメントは、そうした声を拾い上げ、改善すべきか改善し、より良い組織となるべく、努力をすべきだと、思っています。 もちろん、わがままを聞けというわけではありません、でも、現場で働いている人間が一番その現場を知っているとよく言われるとおり、改善提案を構成員にさせることは、モチベーションを高めるという意味でも、非常に意義のあることだと思います。 労働市場が柔軟となってきている昨今(脱線ですが、人材の流動化という言葉は、とある役所では嫌うという話を聞いたことがあります。)、中途採用などなどもあり、入ってくる人がいれば出て行く人もいる、という状況もあるかもしれません。
しかし、そういう状況であっても、やはり有能な人間を組織にとどめさせるような、そういう環境や雰囲気などは必要なのだと思います。 |
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この人的資源のマネジメントは、大企業、行政など一部のエリートを抱えた場合にのみ、エリートが自然と入ってくる組織でのみ通用する感じがします。そして今の時代、いわゆるエリートと今のできる人は違うのですから、2の育てるところからはじめるしかない。それを怠っているのが行政であり、私が属する大企業なのでしょう。私はその考えを改めようと自分の企業の中で奮闘中です。
2005/8/13(土) 午後 4:39
本当は「できる人」=エリートだと思いますが、日本社会では違った捉え方をされている気もします。エリートって、本来の意味を離れて、響きの悪い言葉になってしまっていますよね、日本では。「できる人」が自然と入ってくる組織なんてないと思います。だから、もちろん育てるところも非常に重要ですけれど、「できる人」、もしくはそういう潜在力を持っている人をどうやって見極めるか、1.もやはり私は2.と同様に重要だと思います。
2005/8/14(日) 午前 6:52
なるほど、おっしゃる通りです。ただ、私は、どんな人もできる人だと信じたいところがあります。無名の会社ではどんなに懇願しても良い人は入ってこないだろうと思います。そうすれば育てないといけない。そうすべき会社のほうが遥かに世の中には多いと感じます。あの組織は人が育つという社会の評判が立って、結果論として人が集まってくるのかもしれません。
2005/8/14(日) 午後 9:50
>SHIINOさん、どういう人を「良い人」というのかですが、私は、無名の会社でも有名な会社でも、その組織文化にあった人材、組織の価値を高められるような人材は、学歴等のバックグラウンドに関わらず、全てその組織にとっては「良い人」「エリート」だと思います。どうやってそういう人材を発掘し、採用するのか、それが1.なんだと思います。
2005/8/15(月) 午前 8:41
日本の未来も優秀な人材にかかっていますね。どんどんベンチャーで活躍してくれるといいんですが、大組織の歯車の中では、うもれていく人がほとんどです。
2012/11/28(水) 午後 11:01 [ 悲歌慷慨 ]
優秀な人材をいかなる組織でも埋もれさせない、くさらせない、育成することが重要だと思います。
2012/12/4(火) 午後 11:38