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前回の続きです。 3.公共選択型(Public Choice) どこかで、「官僚の行動原理は予算の最大化」という話を聞いたことがないでしょうか。それは、この型によって官僚を捉えています。 経済学の考え方に近いもので、官僚も制約の下に自己の満足を最大化させるという前提があります。 官僚の態度は、自己の関心や自らが得るもの、例えば政治的・社会的地位の向上などの最大化を目指すというもの。 公益の増進に対しては、全ての官僚が互いの関心をぶつけ合う結果として、誰も得るものがなければ中立(なんだかとってもマイナスな感じですね。) 組織のパフォーマンスに対しては、競争が生じることによる効率化などといった面ではプラス。 4.公共サービスモチベーション(Public Service Motivation) あまり日本では馴染みのない概念だと思います、Public Service MOtivation(PSM)。 簡単に言えば、公益・公共・社会に対して何かの役に立ちたい、そういった気持ちがモチベーションとなるということです。NPOなどで精力的に活動なさっている方々や、皆さんは信じてくれないかもしれませんが行政機関で働く多くの公務員は、多かれ少なかれこうしたモチベーションを持っていると思います。 少なくとも私の周りの公務員仲間は、皆、多かれ少なかれこうしたモチベーションを持っているから、公務員になったのだと感じます。 キーワードは、利他主義、慈善、など。 官僚の態度は、自らの欲求を満たす方法として、公益に貢献するような行動を取るというもの。要するに、公益・公共・社会のために奉仕・貢献することが、各個人の自己実現に結びついているということと言えます。 公益の増進に対しては、各官僚のそれぞれが考える善意や公益が真に社会全体にとって有益であればプラス。 組織のパフォーマンスに対しては、組織の使命・目標と各個人のモチベーションが結びつくことでプラス。一方、時に効率性が失われるという面でマイナス。 ちなみに、このPublic Service Motivationですが、行政機関の職員のほうが民間企業のそれに比べて持っている人が多いという研究結果もありますが、行政機関だけに限った話ではないのです。民間企業にお勤めの方でも、企業における財・サービスの提供を通じて何か社会のために役に立ちたいとか、環境に配慮する製品づくりとか、そうした気持ち・好意は、Public Service Motivationと言えると思います。 官僚と聞くと、お役所仕事、融通が利かない、5時には退庁、自分の関心だけ、とか紋切り型で色々言われています。 火のないところには煙は立たないかもしれませんので、そうした批判は常に受け止めて自己を省みる必要があると思っていますが、こうしてみますと色々な角度から官僚というものを見れるのだと、ご理解していただけるのではないかと思います。 以上、下記論文より。
Wise, Lois Recascino. 2004. Bureaucratic Posture: On the Need for a Composite Theory of Bureaucratic Behavior. Public Administration Review 64(6): 669-680. |
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