今日は都都逸です。
浅草美ち奴さんの『あゝそれなのに』
昔は芸者さんがレコードを出し、そのまま年末の紅白に出るというとはよくあることでした。
同じ様な芸者さんの赤坂小梅さんに関する画像も、過去に貼り付けましたけど。
僕が作演出した舞台『中野ブラザーズ物語』の主人公、中野兄弟がお世話になっていた方らしいです。
幼い頃、この方の家に住んでいたんですって。
中野ブラザーズのお2人の名前の【中野】は、女剣劇で名をはせた中野弘子さんから頂いたもので、お2人のお父様もお母様も中野劇団に在籍していた大衆演劇の役者さんでした。
お2人の上には、南風カオルさんというもう1人お兄さんもいて、その南風カオルさんが、大衆演劇でずっと活躍されていました。
中野ブラザーズは中野弘子劇団に所属していた子役でしたので、中野弘子さんと美ち奴さんの交流が始まってからは、年中忙しい美ち奴さんの家に留守番がてら、家族でお住みになっていたのでした。
中野ブラザーズお2人は、活躍の場をダンスの世界へ移し、タップダンスで草分けになるんですけど…
美ち奴さんの弟さんは、浅草でコメディアンになるんです。
それが深見千三郎さん。
ビートたけしさんの師匠です。
たけしさんにタップをやらせたのも深見さんでした。
たけしさんの芸風は全て深見さんから学んだものだというエピソードをひとつ―――
深見さんが、座敷で飲んだあとに下駄履きに立つと、弟子のたけしさんが、ささっと師匠の靴を出したら怒られて、
「こういう時はワザと違うものを出すんだ」
と教えられたそうです。
次に、師匠が下駄履きに立った時、ワザとホカの女性客のヒールを出したそうです。
すると深見師匠はそのままヒールを無理やりに履きながら
「この靴がなあー…」
と、ひとボケした後、
「バカやろう」
と、ツッコんでくれたそうです。
かくして……美ち奴さん、深見さんの姉と弟は、浅草という土地で日本芸能界にたくさんの種を撒いたのでした。
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