森に親しむ談話室

森と人をつなぎ、人と人をつなぐ、森に親しむための談話室です。運営は、「森に親しむ研究所」です。

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写真は、千葉県四街道市のタカオカミ神社です
台地の高台にあり、この地域は、縄文時代から人が棲み、古来、谷津田と呼ばれる湿田が開かれていました。

「雨かんむり」に、「龍」という字を書くと、「オカミ」と読み、雨水を司る神様です。
 以下は、平成8年に「林業技術」(現「森林技術」)に掲載したものを書き改めたものです。

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水源の神々の系譜(2)
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はじめに

 平成6年の夏は、西日本を中心とした異常な小雨による水不足で長期にわたる給水制限が行われたり、農作物をはじめとする干ばつ被害が発生し、各地で昔ながらの雨乞いの行事まで復活したりしました。
 平成7年夏には全国の「水源の森百選」を認定するなど、水源としての森林を見直す契機ともなりました。
「マツリゴト」という言葉は、政治と祭祀が一体不可分であったことを意味していますが、古来日本が農耕を生産の基盤としていたことを考えると、作物の豊穣を祈るために水源の神々を祭ることが、統治者、被統治者を問わず、古代社会において喫緊の大事であったことが自ずと推察されます。
 また、(オカミ)または、雨乞いを意味するといわれますが、高オカミ神(タカオカミノカミ)を祭神とした神社や「夫神山」などが各地にあることから雨乞い神事は全国的な習俗であったといえます。

今日においても神や神社に対する信仰は、日本人の精神生活において大きな位置を占めており、古来の「水源の神々に対する信仰」と今日における「水源の森を大切にしようとする心」とは、決して無関係ではないと思われます。

本稿では、日本人がその精神生活において水源の森とどう関わってきたかについて考える上で参考とするため、「古事記」及び「日本書紀」での水源に関わる神々の記述について確認したうえで、神社資料等から水源の神々の系譜を概観し、千葉県内の雨乞い習俗と千葉県北部に現存する高オカミ(タカオカミ)神社についての若干の調査結果を報告します。

1 「記紀」における水に関わる神々

 古事記(5)によると、伊邪那岐命(イザナギノミコト)、伊邪那美命(イザナミノミコト)は国を生んだ後、更に神を生んだが、このうち、河口を司る神である二神が分担して、水に関係のある八神、すなわち、水面のナギと波の神である沫那藝神(アワナギノカミ)、沫那美神(アワナミノカミ)、頬那藝神(ツラナギノカミ)、頬那美神(ツラナミノカミ)の四神、分水嶺の神である天之水分命(アメノミクマリノカミ)と國之水分神(クニノミクマリノカミ)の二神、水を汲んで施す神である天之久比奢母智神(アメノクイザモチノカミ)と國之久比奢母智神(クニノクイザモチノカミ)の二神を生んだとされる。
また、伊邪那美命が火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)を生んだとき、やけどをして病み臥せたが、このとき尿から彌都波能賣神(ミツハノメノカミ)すなわち潅漑用の水の神が生まれたが、ついにかむさり、伊邪那岐命は悲しんで、迦具土神の頚を斬ったところ、刀の柄からの血がしたたり指の間から、谷の水を司る闇淤加美神(クラオカミノカミ)が生まれた。

ほかに、伊邪那岐命が黄泉國(ヨミノクニ)から戻り、川で禊ぎをする際、六柱の水神、すなわち底津綿津見神(ソコツワタツミノカミ)・底筒之男命(ソコヅツノヲミコト)・中津綿津見神(ナカツワタツミノカミ)・中筒之男命(ナカヅツノヲノミコト)・上津綿津見神(ウワツワタツミノカミ)・上筒之男命(ウワヅツノヲノミコト)が生まれており、伊邪那岐命が左の目を洗ったとき天照大御神(アマテラスオオミカミ)が、右の目を洗ったとき月讀命(ツキヨミノミコト)が生まれたことから天照大神には、水女神的な性格があるとされている。

また、日本書紀(6)の一書(第2)によれば、伊 諾尊(イザナギノミコト)は軻遇突智(カグツチ)を生む時に、焦かれてかむさったが、そのとき 象女(ミツハノメ)を生んだ。とあり、一書(第3)にも同様の記載がある。

 一書(第4)には、伊邪那岐命の小便(ゆまり)が 象女となったとある。
 一書(第6)には、火の神軻遇突智を生んだとき焦かれてかむさったが、伊 諾尊は恨んで、剣で軻遇突智を三段に斬った。剣の先からしたたり落ちた血が闇 神となったとある。六柱の水の神と天照大神、月讀尊についての記述は古事記とほぼ同内容である。
一書(第7)には、伊 諾尊が軻遇突智を3段に斬り、雷神(イカズチノカミ)、大山祇神(オオヤマツミノカミ)、高 神(タカオカミノカミ)となったとある。

以上の水に関わる神々のうち、特に、高オカミ神(タカオカミノカミ)・闇オカミ神(クラオカミノカミ)・ミツハノメノ神・天之水分神(アメノミクマリノカミ)・國之水分神(クニノミクマリノカミ)の五神が各地の神社祭られ、潅漑を司る神あるいは祈雨、止雨の神として伝えられているようです。(つづく)

「連載3:水源林信仰」書庫の記事一覧

閉じる コメント(4)

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初めまして。失礼ながらTBさせていただきました。コメントを・・・と思いましたが、パスワードであきらめておりました。今回、適当なパスワードでもOKの場合もあると聞いたものです。失礼の段はご容赦ください。

2005/12/24(土) 午後 9:46 [ nakamura ]

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当ブログへのコメントは、パスワードは必要ありません。何かのお間違いでは?

2005/12/25(日) 午前 2:52 ytr**m

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興味深いレポですね。いつも感心して拝見しています。農耕だけでなく生活に欠かすことのできない水を司る神々ですし、また「みず」ではなく「みもひ」と発音した音の分析などから「身をすすぐ」ものでなく色んな思いが籠もっている様な気がします(^_^)

2005/12/25(日) 午後 0:01 つっちー

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古来、人々は水辺や湧水の近くで生活をはじめたことからも、水への想いは切実であったと思います。オカミの語源は、アイヌ語のウォッカ・カムイ(水の神)であることは間違いないとの情報があります。このことは、平成7年9月28日の日本経済新聞夕刊の文化欄で同好のS氏を通じ情報提供しました。「みず」が「みもひ」からつながることについて、今後調べてみたいと思います。ありがとうございました。

2005/12/25(日) 午後 0:16 ytr**m

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