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ちょっと、更新をお休みしました。
今回は、当「森に親しむ研究所」の得意分野である「海岸林の話」です。
これまで取り上げた海岸の話題は、東京湾の富津岬の例が多いのですが、今回は、太平洋に面した九十九里海岸です。
延長66kmといわれる日本有数の砂浜である九十九里海岸も、南北の海浜は侵食が激しく、道路や住宅を守るためにコンクリート護岸が設置されています。
写真は、九十九里海岸のちょうど真ん中の、最も広い砂浜がある成東町から蓮沼村付近です。
今回も長くて、ちょっと専門的な話題で恐縮です。
今から、およそ30年前、林学科2年の学生であった私は、造林学の教授に単純な質問をしたことがあります。
「日本で森林限界はどこで見られますか?」
一般には、標高の高い高山に「森林限界」があると考えられるものですが、日本の高山は、「地形的な森林限界」を除くと、明確な森林限界はほとんどないということを私は知っていて、その著名な造林学者がどんな答えをするかを「期待して(?)」の質問でした。
答えは次のとおりだったと記憶しています。
「日本の高山には、いわゆる森林限界はない。(どんな場所でも森林が成立してしまう、森林国「日本」では、富士山の頂上でも雨量と気温から、土壌ができれば森林が成立する可能性が十分あるということです)
「ただし、海岸砂地では波打ち際に近い砂浜に、森林が成立しない場所が常に存在しているので、これが森林限界といえないことはない」
すなわち、日本では、海抜0メートルの海岸の砂浜に「森林限界」があるというのです。
上の写真は、その「森林限界」に当たる場所の様子です!
一番先端部にある植生は、「ハマニンニク」という草です。
厳寒の北海道の海岸でも見られます。
ハマニンニクは、自然状態では、茨城県の海岸が南限とされていますが、人為的に植栽されたものが九十九里海岸に定着したといわれてます。
砂の移動が最も激しい場所に好んで生育します。
この草が生えると、ここに、風と波によって「前砂丘」という自然の砂丘ができます。
その裏に、コウボウムギ、ハマヒルガオ、コウボウシバ、チガヤなどが生育します。
さらにその後ろに、人為的に砂丘を造成して、クロマツやトベラなどの森林がはじめて生育できるのです。
自然の海浜が少なくなり、このような、風景も貴重になっています。
海のはるか向こう、アメリカのサンディエゴの球場では、日本と韓国が白熱の戦いをしています!
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興味深く読ませてていただいております。自然海岸の減少とっともに日本の海岸線の風景も変わってしまいますね。
2006/3/19(日) 午後 11:32
なるほど!ふむふむ 勉強になります。
2006/3/20(月) 午前 0:14
こんばんわ^^ランダムできました!楽しんでもらえるようなブログ作りめざしているので、見に来て下さい^¥^
2006/3/20(月) 午前 1:24 [ wes*12*k*yak*n ]
コメありがとうございます!yasukoさまの熱心な観察日記、私の苦手な鳥が良く出てくるのでとても勉強になります。
2006/3/20(月) 午前 6:29
旅人間さん、感想ありがとうございます。興味をもっていただいて何よりです!
2006/3/20(月) 午前 6:33
コヤケンさん。足跡残していただきありがとうございます。また、どうぞおいでください!
2006/3/20(月) 午前 6:35
なるほど、確かに言われて見ればクロマツ林と海岸性植物は、高山における亜高山帯と高山植物の関係に似ていますね。「土壌さえしっかりしていれば高山でも森林ができる可能性がある」というのは盲点でした。真の森林限界は海岸にあったのですねえ。
2006/10/2(月) 午前 0:58 [ Jupitar ]
今から20年ほどまえ、九十九里海岸の砂草を調べたことがあります。ハマニンニクが、もっとも最前線に分布しますが、この秘密は、著しい地下茎の成長力にあると思われます。1年で3mも伸長しているのを掘り出して確認しましたが、この数字は、モウソウチクの地下茎の伸長量に匹敵するものです。地上が厳しい環境なら、地下から伸びるという植物のしたたかさには、脱帽です。
2006/10/2(月) 午前 6:48
生物多様性cop10が愛知で開催されます。
生物多様性を実現することを簡単に言うと多様な生物のエサと棲みかを確保するこですね。
もっとも大きなエサの多くは土壌や底質から生産され食物連鎖で上位に生物に引き継がれます。
底質には有害物質が蓄積しエサの生産が阻害されていると共に、有害物質が食物連鎖の過程で濃縮され、猛禽類などの食物ピラミッドの頂点にいる生物の生存を危うくしています。
生物多様性を実現するには、底質汚染対策が必要不可欠です。
2010/10/2(土) 午後 3:08 [ 底質汚染 ]