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連載シリーズ〜水源の神々の系譜は、今回をもってひとまず「最終回」とします。
当ブログでは、日本の森林について、林政史的な観点・精神文化史的な観点から私論を展開してきました。これらを現実の社会に適用していくためには、具体的な活動の提案と活動を実践する上での政策論や技術論の観点での妥当性を確認し続ける必要があります。
ブログ「森に親しむ談話室」開設後3ヶ月近くになり、長い長いトイレットペーパー状(これは単純で分りやすい側面もあるのですが)になりましたので、年末でもあり、少しずつ談話室の大掃除と整理、再構成をしようと考えています。
今から10年前、「水源の神について語る会」の設立趣意書ですが、この連載シリーズの「結び」に変えて掲載します。当森に親しむ研究所と(財)サンワみどり基金事務局長のS氏が、発起人兼世話人となり発足したものですが、わたしの個人的事情が発生し設立1年後以降は、S氏が会の活動を企画し支えています。
この会は、本年、平成17年から、群馬県の利根川上流の水源林との関わりを深める上下流交流活動を行うフィールド主体の会となることとして解消し、再出発しています。
森林や自然環境の保全・管理について、地域のフィールド主体の活動が活発になることは最も大切なことですが、井の中の蛙にならないよう、時に応じて時間的にも空間的にも広く目を向ける「場」が必要であると考えます。
この「森に親しむ談話室」もそのような「場」をめざしますので、今後ともどうぞよろしく!
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水源の神々の系譜(その6〜最終回)
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「水源の神について語る会」の趣旨について
平成6年、7年と日照りの夏が2年続いたこともあり、改めて水の大切さに思いをいたすとともに、水源と私たちの生活との古くからの密接な関係が広く注目されることとなりました。古来からの雨乞い神事に関わるとされる「・(オガミ)神社」や「オガミ山」が各地に点在していることが話題となり、全国から興味ある事例が寄せられています。
また、平成7年の夏には、林野庁により、全国の「水源の森百選」が認定され、水源を大切にする心は、森を大切にする心であるという、森林の価値を再認識する契機ともなっています。
オカミ神(おかみのかみ)の信仰は、日照りに際しての「祈雨」だけでなく洪水に対する畏れから「止雨」を祈ることの意味も込められていたことが伝えられており、水源の神に対する農民や都市の民衆の想いは、そのまま自然に関わる人間とその生活のあり方の根源に通じるものと考えられます。
日本人の永きにわたる、水とそれを育む森林との関わり合いの歴史を考えれば、「森を畏れ、敬い、そして森に親しむ心」を大切にすることが、自然と人間との関わり方の最も基本的な理念であると言うこともできます。
今、21世紀を間近にして地球的な視点から、日本が多くの国々とともに環境の保全・管理を協力して進めることが平和な世界の実現に貢献してゆく上での重要なプロポーザル(提案)であるとすれば、その根底となる日本列島に居住した人々の水や水源の森に対する想いを改めて語り、考えることが、興味深く、かつ、意義深いことと考えます。
もとより、このささやかな集まりでは、全国の土俗信仰としての「雨水の神」や「水源の神」についての情報交換や「水源の森」についての話題を中心とし、水や森に関わる人の心について気軽に語りながら親睦を深めようとするものですが、同時に、参集者それぞれにとってのあるべき暮らしや活動のためのヒントや源泉となることも大きな目標にしたいと希望します。
平成7年11月22日(水)
第1回「水源の神について語る会」一同
(ひとまず終了)
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