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写真は、数年前、山形県金山町を訪れた際、地元岸家の若き当主である岸三郎兵衛氏に、同氏が主宰される(財)カムロファーム倶楽部に案内していただいたときの写真です。
岸氏は、広大な金山町の森林面積の約1割を占める森林所有者であり、高蓄積林分をはじめ金山林業地の核としての森林を代々受けついでこられました。
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「森づくり」で大切なこと(6) 〜 「日本の森林美(その3)」
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連載6回目です。(初回からは、左の書庫の「連載5」をご覧ください)
普遍的な「日本の森林美」を考えるとき、思い浮かぶのは、金山の森林であり、街の景観・風景・風土です。
このことは、イザベラ・バードの「日本奥地紀行」に記されていることをご存知の方も多いと思います。
明治初期、世界を旅したイギリスの女性探検家の公平な目をとおして見た、日本の風景の評価はとても印象深く感じられます。
以下、「東洋文庫」の高梨健吉氏の訳からの引用です
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今朝新庄を出てから、険しい尾根を越えて、非常に美しい風変わりな盆地に入った。ピラミッド形の丘陵が半円を描いており、その山頂まで、ピラミッド形の杉の林で覆われ、北方へ向かう通行をすべて阻止しているように見えるので、ますます奇異の感を与えた。その麓に金山の町がある。ロマンチックな雰囲気の場所である。私は、正午にはもう着いたのであるが、一日か二日ここに滞在しようと思う。
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記述は以上だけなのですが、374頁の「日本奥地紀行」で、日本の風景・風土を好ましく表現している場所は極めて限られており、強く印象に残る一節です。
金山林業は、現在もわが国の代表的な林業地のひとつですが、森林を基調とした風土が育まれているところであることを、今から130年前に、イザベラ・バードは直感的に表現したのだと思います。
金山町は、「森づくり」と「心にふれる風景や風土の美しさ」には普遍的な共通項があることを感じさせる町です。
(つづく)
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