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(写真上)キノコに生えるキノコ:ヤグラタケ、と クロハツ
山に行くと、とても変わったものに出くわすことがあります。
この写真はクロハツというキノコに生えたヤグラタケというキノコで特にめずらしいものではなく、キノコの傘の上に生える2回建てのキノコです。
ところが、このときは傘の裏にも下に向かって生えていました。「3階建てのキノコ」の写真です。
(写真下)山武林業での市民による森林活動
サンブスギで有名な山武林業地の森林所有者であるS氏は、雑木林を育てる活動のため山林の一部を市民に開放しています。
毎月1回の活動は、5年目になりますが、多い時は40名以上の親子が県内外から集まります。
S氏自らの発案による企画で、参加者の協力による、自己所有山林との新たな関わりの実践例です。
■森林に親しむ
森林の荒廃が叫ばれる一方で、近年、全国各地で里山の価値を見直そうとする動きが強まっています。森林ボランティアの活動や森林をフィールドとする教育活動など自然や森林に関わる多様な活動が、ここ数年活発化し、現在、定着したと考えられます。
森林から木材を生産することは林業の基本ですが、森林は木を伐り出さなくてもいろいろな価値を発揮していることの「あかし」として、里山をめぐる今日の多様な活動をとらえることができます。
私は、森林を単なる「物」や「資源」として見るまえに、土と水と光と様々な生き物が渾然一体となり一定のバランスをとって存在している「生命体」として見ることが、大切であると考えます。「大きな命」として森林が存在しているという実感を味わうと、無限の可能性をもった森の恵みが見え始め、森林に親しみ森林の恵みを活かすのにはどうしたらよいか、いつまで考えても飽きない豊かな時間の流れを感じることができます。
多くの森林が放置されている今日、これを打開して地域における森林のあり方を示し、具体的な姿として実現するためには、人と森林との具体的な関わりを取り戻すことからはじめる必要があります。
そのためには、まず、「森林に親しむ」ことが第一歩です。現在、子どもも大人も、森林についての実体験があまりに不足し過ぎています。
■自然の恵みを絶やさずに楽しむ
筆者は、今から10年ほど前まで、約10年間にわたって「キノコの会」の世話人をしていました。この会は、林業関係者を中心とした「キノコ大好き人間」の集まりですが、森林生態についてのエキスパートも多く、キノコだけでなく自然についての実践的な勉強会でもありました。毎年1回、十月の第一土曜日、30〜40名の仲間たちが房総半島の北から南から「収穫物」を携えて三々五々集まってきました。「収穫物」は、名前をつけ区分けした後、食べられるものは自分たちで料理し、酒をのみながら夜中までスライドを見たり近況を報告したり、仕事を忘れてキノコ談義に花を咲かせる。
この会の活動の成果として、「キノコを楽しむ七つの原則」を確認しました。
1. キノコを通して森林をみる
2. 森林を深く知ればそこに生えるキノコがより一層分かる
3. 食用キノコより毒キノコを覚える
4. 「キノコ狩り」ではなく「キノコ探索」を行う
5. キノコのシロ(生育場所)を荒らさない
6. 古くなったキノコやまだ未熟な小さなキノコ(幼菌)は採らない
7. 周囲の貴重な植物を荒らさない
自然の恵みを絶やさずに楽しむには、自然を体験し、正しく理解ことが第一歩です。今回は、まず親しみやすい事例として、野生キノコの楽しみ方や注意する点についての話題としましたが、このことは、森林からの恵みを利用する場合に広く通じることがあると考えられます。
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