森に親しむ談話室

森と人をつなぎ、人と人をつなぐ、森に親しむための談話室です。運営は、「森に親しむ研究所」です。

連載4:最新森林技術情報

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文字通り、実際にヤマで見たこと、考えたこと、実際に実施することをテーマにします。
既存の技術をいかにヤマに適用するか、最新の森林技術情報です。
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新年、おめでとうございます。
もう、1月3日、年末年始の休みもあっという間に過ぎていくような気がします。

街ではなかなかお正月気分の抜けない今の季節、正月を過ぎれば、山仕事はすぐに最高潮の時期に入ります。

早速ですが、年末からの連載シリーズ「最新森林技術情報」の2回目ですが、本題です。

(初めて訪問いただいた方、どうぞ左の書庫の中もご覧ください!)

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連載シリーズ 〜 最新森林技術情報(その2)
      複層林造成の実際
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写真は、昨年、11月のはじめ、2級河川小糸川水源域の森林の状況です。
房総半島で唯一、全国の水源の森百選に指定されています。
この水源林の中核となる地域、今年から3年間の仕事の対象としている約1000ヘクタールのうち、人工林は20%程度です。

45年前から50年前に植栽された、スギ・ヒノキの森林65ヘクタールを今年から3年間で、手入れする計画を実施します。

木材価格が長く低迷しているため、全国各地の人工林はただでさえ間伐が遅れ気味ですが、35年を越えると、国の補助金がでないため、都道府県有の森林ですら手入れをしにくくなるのが一般です。

40年が、スギの柱材が採れる年数に該当するため、これより5年前までしか、補助金を出さないのが造林補助金の考え方です。これ以降は、保安林であれば、治山事業で実施する道が開かれています。

今回、計画を実施する65ヘクタールの森林も手入れが遅れている森林であるため、60ヘクタールについて間伐を、5ヘクタールを複層林の造成する計画です。

いずれも、長伐期施業といわれる、最終的に上木を100年生から200年生の森林にすることを目標にしています。

今回、樹齢50年生に近い森林に対して、複層林施業をどう進めるかの基本的な考え方を決めました。

一般に、40年生ぐらいですべて伐ってしまう「用材林生産の育林技術」は定説ができていますが、長伐期や複層林造成の技術は、定説がありません。

最近注目され、森林ボランティアの入門者まで親しみを感じるという「オガヤ式間伐」も、このような時代の要請の中で、わかりやすく体系化された技術ですが、今回の複層林造成のようなものまで想定しているわけではありません。
自然を相手にする場合、教条的なマニュアル化が一番禁物です。自然は常に正しいのです。
一方、基本的な技術との整合性は常に、明確にする必要があると思います。

基本的な技術と教条主義は全く異なるものです。
言葉が独り歩きして、現場に適用されてしまうと手痛い目にあうことは、十分念頭に置く必要があります。

先の連載シリーズ2「近代日本の森林と人の関わりの系譜」の中で記したとおり、「技術至上主義」が明治30年以降昭和40年代まで継続したことが、現在の森林問題の現状と符号していることも自戒をこめて確認しておきます。

そもそも、複層林造成が適当かどうか、人によって大きな議論の分かれ目になるところです。

■複層林造成技術の基本事項

(1)なぜ、複層林を造成するのか

(2)現在の森林をどう見るか

(3)将来の目標とする森林をどう考えるか

(4)今回の複層林造成の意味

(5)現況調査の手法(森の診断)

(6)保残木の選び方と植栽本数の決め方(将来残す木・伐る木)

(7)現況森林の状況に応じた、基本的な方針の決定(基本方針は変えない)

(8)植栽樹種の決定要素

(9)伐採率・枝落とし・植栽樹種

(10)植栽方法、地ごしらえの仕方

(11)今後予定する管理方法

(12)管理の持続性の確保について

以上、12項目について、今回複層林造成を実施するにあたって、実際のヤマを見て、考え、決定し、実施する内容を記載いたします。

内容は、やや詳細になり専門的に感じられるかもしれませんが、間伐を経験されたことのある方には、興味あるところがあると思われます。
一般の方々の質問・提案や研究者など専門家からのコメントも歓迎いたします。

次回以降、余談を交えながら実際論に入ります。

正月そうそう、カタクルシクッテ申し訳ありませんでした・・・!

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少し模様替えしました。

新連載シリーズをはじめます。
(「息抜き」も「お休み」もします。)

これまでの連載シリーズは、左の「書庫」を見てください。

新たな森林管理に向けての、実践的・技術的な事例報告です。
主に全国の森林に共通する話題をテーマとし、専門的になりすぎないことを心がけます。

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連載シリーズ 〜 最新森林技術情報(その1)
  スギカミキリで枯損したヒノキ 
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当「森に親しむ研究所」は、現在、「水源の森」の森林管理技術についても仕事の対象としています。

写真は、11月のはじめ房総半島の中央部で、樹齢50年に近いスギ・ヒノキの混交林に入った時のものです。房総半島で「水源の森百選」に指定されている森林の一部です。

50年、100年先の、この森林の将来を考え、今、何をすべきかを考えることが目的でした。

1本のヒノキが枯れていました。(写真上)
このように、林の中で突然大きなスギやヒノキが枯れているのに出くわすと、我々は、スギカミキリの被害を疑います。
調べると、典型的なスギカミキリによる枯損でした。(写真下)
(なぜ、ヒノキカミキリと言わないかなどと質問しないでください!)

南は九州・四国から、北は本州の青森まで被害が報告されています。
すなわち、日本の最も代表的な人工林であるスギ・ヒノキを食害するスギカミキリが全国に広がっているので、全国の森林関係者は注目しているのです。

もし、このスギカミキリが大発生したら・・・恐怖です。
スギカミキリは、生きている樹木を直接食害する害虫ですので、対策が極めて難しいのです。
食害の対象となるスギ・ヒノキは日本中にいくらでもあります。しかも、既に全国各地でスギカミキリの被害が報告されています。

しかも、スギカミキリは生きているスギやヒノキを食害して、一気に木を枯らすことがあります。
特に、ヒノキの場合には幼虫は樹皮の下の最も大切な形成層を水平に移動するため、枯らしてしまうことが多いといわれます。スギではどういうわけか水平に動くことは少ない。理由は不明です。

形成層とは、樹木の幹の周りにあって、水分や養分の通り道があり、幹の肥大成長をしている場所でもあり、この部分がやられると、成長ができなくなるだけではなく水分や養分がその上方に行かなくなって木全体が枯れてしまいます。

スギやヒノキがこれほど多くなったのは、永い日本の植生の歴史のなかでは、ついほんの最近のことです。
これらのスギやヒノキの林が今後どうなるか、安易な人工林批判ではなく、冷静かつ公平に観察する目を養うことが、まず必要だと思います。
特に難しいことではなく、山里に棲む人にとって常識のレベルだと言っていただきたいのですが・・
でも、それは簡単ではありませんね。やはり、関係者や専門家の仕事でしょう。

森林に関わる専門家や関係者が減っていることも、大問題だと思います。

いずれにしろ、スギ・ヒノキの林を診断するとき、スギカミキリの様子を観察することも必要です。


本題の、「この水源林の将来をどう考えるか」については、次回以降、少しずつ話題にしていきます。(つづく)

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