森に親しむ談話室

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連載6:新「森林・林業基本計画」

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前回の続きです。
固くて長い話題で恐縮です。

〜 木材会館での会議に参加して 〜 連載2回目です。
写真は、テーマと関係ありませんが、東京都江東区門前仲町の木材会館近くの深川不動尊です。
昨日の17時過ぎの様子です。

昨日、閣議決定された、
新たな森林・林業基本計画の目指す方向については、
次のとおりです。

=============
該当するサイトはここです
http://www.rinya.maff.go.jp/seisaku/kihonkeikaku/houkou.pdf
=============

●基本的な考え方
1.森林は、水を育み国土を守る緑の社会資本であること
2.森林の恩恵を後世の人々が享受できるよう、より長期的な視点に立った森林づくりが必要であること
3.森林を支えるために林業の発展が不可欠
4.国産材の利用拡大を軸に、林業・木材産業を再生し、国産材の復活を目指す
=============
以上のうち、
1.と2.については、多くの方々が問題なく認めるところだと思います。
3.と4.については、明確には分からない部分があるとの印象を持つ方々がいるかもしれません。

もしそうだとすれば、林業の持つ意味について、人それぞれのイメージが異なることが原因だと思います。
当「森に親しむ研究所」としては、すでに、左の書庫の連載2の中で明らかにしていますが、林業を幅広いものととらえています。

中世以来の数百年にわたる日本の歴史の中で培われてきた、尽地力説。
これは、「適地適木」、「適地適産」の思想によるものですが、明治30年の森林法制定において、基礎理論の背景になった考え方です。
そして、その後も、森林の利用と規制のあり方を示す「森林法」において、林業経営の根本は、「適地適木」、「適地適産」であり、これが「地木結合論」として提示されているものであり、土地と森林は一体のものであるという思想(森林純収益説)につながるものです。
林業をこのようにとらえる限りにおいて、今回の、「森林・林業基本計画」の基本的な考え方は、妥当であるとして良いと考えます。

逆に言えば、「林業をどうとらえるか」によって、「基本的な考え方」の意味する内容や結果が変わってきます。

次に、
●転換期を迎えた森林・林業
新たな森林・林業基本計画において、現在の森林・林業の状況を次のようにとらえています。

=========
1.利用可能な資源の充実
2.森林に対するニーズの多様化
3.木材需要構造の変化と新たな動き
=========
森林・林業を取り巻く現在の状況は、元来、この3点だけではなく、多くの問題があります
林野庁が総力を挙げて、絞り込む前の、この3項目以外の問題は公表されていないので、分かりませんが、ちょっと興味があるところです。

1.については、森林資源を利用の観点だけでとらえているのが気になります。森林構成の偏りの問題が注目されていません。
たとえば、森林の資源状態については、現在、50年生ぐらいの森林が急速に増加していることは事実ですが、もうひとつ重要な問題として、植林が最近行われていないため、将来、若い森林が急速に不足するという問題です。すなわち、森林における「少子化問題」です!

2.については、国民の森林に対するニーズの多様化の観点ですが、森林所有者のあり方についても、近年、大きな変化が生じていることについては、ふれられていません。近年の林業後継者の林業離れは、採算性の問題以前に、森林自体を知らないことによる林業離れが急速に進んでいるということが指摘できると思われます。
1次産業や2次産業としての林業・林産業だけでなく、林業・林産業を3次産業も含めた、6次産業としてとらえて展開しようとしている動きも顕著になりつつあります。
 森林所有者の危機的状況や、その中で森林所有者が工夫して、新たな展開を模索している事実が、国民のニーズの多様化という字句の中に包含され、対応する施策の焦点が拡散しているように感じられます。
 
3.については、林業・林産業のより効率的な構造改革の必要性を強調する現状分析ですが、森林・林業基本法の中で公益性を第一義としている森林において、林業としての投資効果の小さい地域が切り捨てられてしまう危険を孕んでいます。
効率性の視点のみで、林業施策の重点配分がされると、多くの落ちこぼれが生じる可能性があります。
近年、里山保全活動や森林ボランティア活動が活発化している状況に対して、どのように評価するかも不明であり、ネグレクトされているような印象を持ちます。森林の中で行政の空白地域が生じることにつながります。

そのほか、20年先を見据えた計画としては、5年前に森林・林業基本計画で提示された、森林の種類の3区分について、区分の概念が国民に十分定着する前に揺らぎが見え始めたのも少し気になります。これは、どのような現状認識によるのでしょうか。森林区分のあり方の本質を確認する必要はないのでしょうか。

これらの点について、当「森に親しむ研究所」も引き続き検討していきたいと思います。

(つづく)

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地下鉄東西線の門前仲町で下車したのははじめてでした。
深川不動尊と富岡八幡宮があって、門前仲町だと、はじめて認識しました。

歴史を感じさせる門前町の様子は、心を和ませます。

さて、不動尊へのお参りが目的ではなく、昨日、木材会館での会議に出席したのです。

北海道から沖縄まで、全国から約100名が7階講堂に参集し、13時半から17時まで林野庁からの説明や質疑が行われましたが、当「森に親しむ研究所」も、末席(実際は、指定された最前列の真ん中寄り)を穢してきました。

昨日、12時少し前に、新たな「森林・林業基本計画」が閣議決定され、その説明と来年度の施策について林野庁が演出し、全国から関係者が集められたのです。林野庁からは、森林整備部長以下、約15名が参加しました。

せっかくの機会ですので、新たな「森林・林業基本計画」について、明治以来の歴史的視点から、その位置づけを検証していくことにしました。
長文の連載になる見込みです。

左の書庫の「連載6」を作って入れる予定です。

こういう固くて長い話題を出すので、このサイトはコメントが少ないのだと分かっているのですが・・
(このイメージは、これからも、変わらないでしょう。もともと、このサイトは備忘録のようなものでもあるので)
(つづく)

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