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7月18日、19日の2日間だけ、山里文化研究所の企画に参加させてもらい、長野県木祖村を訪れました。 木曽街道六十九次の宿場、街道随一の難所といわれた、鳥居峠の西麓の木祖村に薮原宿があります。 地元の方の案内で、薮原宿のほか、菅地区集落、ヒノキ・サワラ・クロベ・ブナの水木沢天然林(木曽川の源流)も訪れました。 薮原宿は、江戸時代から、お六櫛の産地として知られています。 下の写真は、製作中のお六櫛です。 この櫛の材料は、「ミネバリ」または「黄楊(つげ)」とされています。(「木曽のお六櫛」S50.7.30発行) この「ミネバリ」とは、何かというと、標準和名「オノオレカンバ」ですが、みねばりの見分け方について明確な説明がありませんでした。 「ミネバリ」とは別種の、「ヨグソミネバリ」という木がありますが、これと「ミネバリ」が混同されることがあるようです。 「ヨグソミネバリ」は別名、「ミズメ」、「アズサ」などともいわれ、木祖村の山麓やその他の地域にも見られますが、「オノオレカンバ(ミネバリ)」は、それほど、よく見かける木ではありません。 「ミズメ」やそのほかの堅い木も、櫛の材料として使われたことは、「木曽のお六櫛」P52にも記されていますが、国内の樹木として、「オノオレカンバ」は、もっとも堅い木のひとつです。 牧野植物図鑑に、「みずめ」の別名として「こっぱだみねばり」と記されおり、「おのおれ」の別名として「あずさみねばり」と記され、混同する原因にもなっていると思われます。 そもそも、「みねばり」とは何かという説明は、手元にあるどの植物図鑑にも記述がないのです。 でも、みつけました! 明治24年に発刊し、繰り返し改訂版が出されている、大槻文彦著の大言海。 本邦最大の国語辞典ですが、植物の記述もとても詳しいのです。 昭和57年改訂(平成2年刊 第10刷)のものですが、当研究所所蔵の1冊の書籍としては、最も高価なもので、座右の書です。 ずっしりと重い本を開くと・・ さすが! 明確に記述されていました。 「おのおれかんばとは、をのをれ、ミネバリ。」 木祖村のお六櫛資料館の前に植えられているのは、ミネバリ=オノオレカンバです。(写真) 葉の基部は広い楔形。枝をもんでみても、何も臭いませんでした。 皮を傷つけると、サリチル酸メチルの匂いがするのは、別種のミズメです。 葉の基部は浅心形をしています。 お六櫛資料館の脇に植栽されているミネバリ(オノオレカンバ)
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森林・樹木
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森林や樹木などの話題です。
このコーナーでは、特に「人と森林との関わり」についての考察をテーマにしています。
このコーナーでは、特に「人と森林との関わり」についての考察をテーマにしています。
キノコ以外の新しい記事は、とりあえずここに入れます。
「最新森林技術情報」の連載を始めました。実際にヤマで見たこと、考えたことです。
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先日の日曜、千葉市の花の美術館に立ち寄りました スイレンと大賀ハスを見に行ったのですが、アメリカデイゴもきれいに咲いていました デイゴだと思っている人も多いのですが、デイゴは熱帯から亜熱帯の木で、本州では育たないとされています デイゴは沖縄県の木 アメリカデイゴは鹿児島県の木で、別種です マメ科デイゴ属で、日本の南西諸島に自生するのはデイゴです アメリカデイゴはカイコウズとも呼ばれ、南アメリカ原産 |
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前回の更新からあっという間に1カ月 季節は、もう、夏間近です 日曜日の午後、潮を見て、谷津干潟にシギ・チドリを見にいったのですが、干潟は、チュウサギ、アオサギ、カワウが三々五々。 もう一つの目当てのセイタカシギとそのヒナは、予想どおり見ることができました。 親は、小さいながら、とても華麗な姿です。 ヒナを守るため、しきりに警戒している様子です。 ヒナは、全部で四羽。 10日ほど前に、孵ったとのことです。 セイタカシギは、35年ほど前から、谷津干潟で見られるようになるまで、日本では、ほとんど見られない、とても珍しいシギだっとのこと。 現在も、日本では、数えるほどしか見られません。 観察舎のガラス越しですが、これほど、近くで見られる場所は、ほかにないでしょう。 森に親しむ研究所も少しづつ、本格稼働の準備を始めます。
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6日の日曜日、何年ぶりかで、日光の湯の湖に行ってきました。 この場所は、ツツジの仲間の宝庫です。 ちょうど、トウゴクミツバツツジが見ごろでした。 ミツバツツジとの違いは、若枝や葉柄に毛があること。 東北から近畿の山地で普通に見られます。 ミツバツツジは温帯下部、トウゴクミツバツツジは温帯上部に分布しています。 両者の雑種をムサシミツバツツジといわれるとされています。 このほか、レンゲツツジ、シャクナゲも、真っ盛り。 日光は、北関東を代表する山塊です。
1万年前、盛んに噴火したのが、男体山。 新しい火山で、崩れやすく、ツツジ類の好む場所です。 |
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久しぶりの更新2回目も、当研究所の小さな庭の話題です キヨスミミツバツツジが咲いています 平成15年5月に開催された全国植樹祭で配布されたものです 房総半島南部及び三浦半島の地域に分布する全国ではマイナーなツツジです 紀伊半島の大台ケ原にも隔離分布しているということも興味深い特徴です ミツバツツジより1週間ほど遅れて咲きます 今年は、やや遅いようです 図鑑ではおしべが10本とされていますが、庭のものは、6本から9本です 先週の週末、東京大学千葉演習林清澄作業所の宿舎に泊まりましたが、今年定年退官されたIさんも、キヨスミミツバツツジのおしべは、いろいろあることを話されていました 1つの花芽から1つの花が咲く、律儀なツツジです 花が開くまで、芽鱗がしっかりつぼみのてっぺんに付いているのも特徴だと、私は思います ミツバツツジより、種もわずかに大きいようです 種が大きいということは、遠くに飛べないこと、芽の出る力が強いこと、土層の厚い場所で発芽できることにつながりますが、キヨスミミツバツツジは、ツツジの中で種が小さな仲間です 隔離分布していることは、日本列島において、古い植物であることを示唆しています 日本におけるツツジの種類は、特に多く、その理由はいろいろ想像できます (続く)
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