|
すき
その一言が
言えない
言えない
言ってはいけないから
胸に無理やり押し込んで
思ってもいない言葉を
代わりに使う
だって私には
あなたを得るために
今手の内にあるものを
捨てる覚悟なんて
ないのだから
だから
ずるくて最低な私は
今日も
嘘ばかりついている
|
全体表示
[ リスト | 詳細 ]
|
甘いケーキについてくるカプチーノみたいに
あなたは少しほろ苦かった 暑い夏の日のかき氷みたいに あなただけが私に冷たかった シロップのかかっていないホットケーキみたいに あなたはどこか素っ気なかった だから私は あなたを諦めたのに あなたは私を 好きだったと言う あなたから離れて もう戻っては来れない距離にいるから そうやって 自分の 意地の悪さを 「好き」の一言で 覆い隠してみせるなんて あなたは本当に ずるい人 |
|
あなたとする
言葉遊びが
とても好きだ
たまに答えが見つからなかったり
あまりにも単純な結論に辿り着いたり
そうやって
あなたと
全く意味が無いようで
実はとても大切なことだったり
そんな会話を
繰り返している日常が
私はとても好きなのだ
もしもあなたに
そのことを告げたらなら
あなたはどんな反応をするのだろうか
あなたは
これから
どんどん離れてしまって
もう戻っては来ないのだろうか
私はそのまま
あなたを綺麗に忘れて
いつも通りの日常に戻るのだろうか
そうやって
意味があったようで
何も意味がなかった記憶を
いくつも抱えたまま
人は生きていくのだろうか
あなたはそのまま
私には見えない場所で
満たされて
幸せになってくれるだろうか
私は
早く
あなたを
忘れたい
|
|
あなたに
「あなた」と呼ばれた 「君」ではなく 「お前」でもなく 「あなた」と言ったあなた 私は あなたという人は なんて心地良い話し方をするのだろうと その声に 浸ったのだ あなたは 自分には感情が無い、と言った 私はあなたのその言葉を 訝しげに聞いていた あなたが私の心に気付いていないのなら そのままそっとしておいてほしい もしも気付いているのなら これからも気付いている事を隠し通してほしい だって 惨めだから 一人相撲をしている私を 知られたなんて分かってしまったら あまりにも 救いようがないから だから あなたには このままずっと 気付かないふりをしててほしい 私を名前で呼ばないで 私は 「あなた」のままでいたい |



