cafe&bar oldspring♪

内なる声に耳を澄ませ、勇気を持って行動せよ。

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友達のコーヒー屋さん「辻本コーヒー」のメルマガで連載したエッセー。 http://www.rakuten.co.jp/tsujimoto/index.html
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群青色に塗れ!!

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先日、会社の営業部のKさんと今度の特集の打ち合わせをした。僕が担当する記事の写真や体裁を話し合った後で「営業の仕事って大変ですね」と声を掛けると、Kさんは立ち上がりかけた椅子に再び座った。


「俺さ、自分が短気すぎて時々怖くなるんだよ。かみさんにも『病院行ったら?』って冗談でもなく口調で言われる」


Kさんのイラつく原因はいろいろあるらしいが、一番腹が立つのはクライアントに集金の電話を掛けて明るい声で「払います!」と言っておきながら入金を滞る人への怒りが主。


「電話で催促すると調子いいこと言うんだけどね。見えないから」


なるほど、その場では万事OK的なことを言っておいて、その時が来たら×って言うわけだ。確かにストレス。よくある、よくある。


その怒りをどこに発散させていいかわからないし誰かを憎んでもしょうがないから、Kさんの場合は「家の冷蔵庫」に当たっているらしい。しかも、凹んだ跡をかみさんに見られないようにマグネットとゴミ出しカレンダーを貼ってカモフラージュしているという。


涙ぐましい内向的行動に、いささか親近感を覚える。


「イリ君は抑えられる?」


「場合によりますね」


「もっとやさしくなりたいよ」


「本当に。。。」

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そういえば僕も、以前に比べたら怒りっぽい。それは仕事の内容が難しくなったり、教える立場になってきているということもあるんだろうけれど、それだけではないような気がする。


かいつまんでいえば、心に余裕がないんだね。


最近自分が記事を書いているときの自分の表情や、まどろっこしい話をする取材対象者の前で、ふと「俺はどんな顔をしているんだろう・・・」と思うと、たぶん恐ろしくコワイ顔をしていると思う。


生来の短気が久々にぶり返してきたのかもしれない。丁寧にアドバイスしたらおせっかい、やさしく教えたら付け上がる、間違いを指摘したらケンカ腰の態度・・・。そんなことの繰り返しで、こちらの表情も東映ヤクザ映画一歩手前なのである。


毎日のように「一体、本当の自分はなんなんだ?」なんて、二十代前半の似非文学青年のようなことを考えて、つまらない思考の螺旋階段を下っていってしまう。


そういうとき「相手が悪い」「相手がバカだから」で十把一絡げにしてしまっていいのだろうか?う〜ん、あんまりそうは思わないんだけれどなぁ。


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俺がやさしかったときなんてあるんだろうか・・・。そんな気さえしてくる今日この頃。前はもっと気持ちに余裕があって、自分の胸の中の7割くらいを自分用に使って、2割くらいは人のために使って、残りは使ってなかったのになぁ。胸の中のキャパシティーが足りなくなったときって、みんなどうしているんだろう。


そんなことを考えながら帰り道、運転しているとカーステからこんな音楽。


♪やさしかったときの心取り戻せ

嘘つきと呼ばれてもいいから♪



なんにもないのに、なぜか不愉快。


なんでもないのに、なぜか気になる。


なんてことないのに、結構堪える。


そんなときに冷蔵庫に当たらなくても、サンドバッグに無目的の怒りを込めなくてもいいように、いつでも深い青色に染まっていたいと思う、土曜日の午後。

武士の魂なりっ!

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僕の人生、コロ助から学ぶこと多かった。

いろんなことができるようになった今でも、コロ助よ。

お前にはかなわねぇ。。。ナリよ♪


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食べ物で何が好きですかと訊かれて、しばらく悩んだ末に「強いて言えばコロッケ…」と答えたら、なぜか笑われた。「経済的やん」とか「安っすいで、自分」とか。


こうも言われた。「イメージに合わない」。大学時代、親しい友人は「お前はいつもコロッケばっかり食ってんなぁ」と苦笑された。


いずれの意見も、全く持って余計なお世話である。心の中で「うるせーばーかばーか」と言った後で、僕に言わせればそれくらい食べ物にこだわりがないし、逆にどこに行っても何でも食べられるのが自分の強みだと思いたい。


コロッケで思い出すのは『キテレツ大百科』の特殊キャラ、コロ助だ。


コロ助は藤子アニメに必ず登場する非人間特殊キャラの中でも、一際異彩を放っている。ドラえもんは四次元ポケットでのび太に「どこでもドア」や「タケコプター」を出す。パーマンは、飛べる(ちなみにイリイリはパーヤンが好きである)。オバケのQちゃんでさえ、確か靴に化けられたはずだ。そしていずれのキャラも率直に言って、役に立つ


しかしコロ助はなにもできない。風呂桶とホースでできたただのロボットだ。ドラえもんと違いキテレツの発明品に助けられ、あまつさえ平気で発明品のダメ出しをしたりする。まったく、会社でこういう人間がいたら一番先に嫌われるだろう。


そのコロ助の好物が、確かコロッケだった。


一見いいとこなしに見えるコロ助だが、その天真爛漫さと嘘のつけない性格は特筆すべき長所だ。キテレツは頭がいいが、コロ助の勇気と一本気さの前にはとても敵わない。危機的な状況になるとコロ助は背中の刀を抜く。非常に短く、鞘にはタイヤがついている。とっても、かわいい。


そして「武士の魂なりっ!」などと言い、敵に向かっていく。たとえ負けるのが分かっていても。これはキテレツにはできない。ましてや土壇場に弱い野菜バカのブタゴリラや根が臆病なトンガリは、お話にならぬ。


そう、コロ助は誰よりも勇敢でかわいいのだ。


僕はこう思う。コロッケが好きで、コロッケさえあれば幸せで、危機的な状況になれば相手が誰であろうと刀を抜いて立ち向かう(結局負けてキテレツに助けてもらったりする)コロ助は、もうそれだけで他のどんなヒーローよりもステキだなぁ、と。

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コロ助は自分でコロッケを作れない。コロッケはママが作る。絵本や砂遊びには熱心だが、たぶんあまり頭もよくないだろう。精神年齢も非常に低い。首と胴の部分がないので、体のバランスも著しく悪い。通りを歩けば、目がしょぼくれた(ω←コレを横にしたような目のことです)犬に追っかけられたりしている。


そんなコロ助を周りはバカにしたり、なぐさめたり、あるいは励ましたり、からかったり、かわいがったりする。


役に立つか立たないか―。そうカテゴライズした場合、彼(たぶんコロ助は男)は一見すると今の効率優先の社会では最も必要ない存在だろう。


しかし、そうではないのだ。


世の中にはいろんな判断基準がある。仕事ができる人、気配りがうまい人、容姿がよい人・・・。コロ助はどれにもあてはまらない。そういう判断基準で見た場合、非常に評価が低かろう。


でも不思議なもので、「ダメなコロちゃん」は必要なのだ。キテレツ大百科をよく見てみるといい。キテレツは自分よりも優れたところがないコロ助をいつも自分の発明の話相手として選んでいる。ミヨちゃんがいつも放って置けないのはキテレツではなくコロ助である。そして彼女を笑顔にしているのも、コロ助の場合が多い(ような気がする)。


あなたの周りにコロ助みたいな人、いませんか?


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【初掲載】old spring第25回 『武士の魂なりっ!』05.10.2

http://blogs.yahoo.co.jp/yuchanyuchin/12824615.html

君が生まれた頃

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イリイリ24歳。

痛みのどん底でも忘れなかった、激しい恋の記憶。


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自分の誕生日は誰でも覚えているけれど、自分が生まれた「時間帯」を知っている人は案外少ないと思う。


二十歳の誕生日に母親に聞いたところによると、僕が生まれたのは夕方だったらしい。季節は秋だから、もうすでに夕暮れだったろう。


きっと病院の外は枯葉が舞っていて、通りを歩く人の靴の下でサクサクと軽快なリズムを奏でていたに違いない。少し肌寒く、星がもうそろそろ顔を出す頃だったと思う。あるいは雨が降っていたなら、その間をモクセイの匂いが絡みつくように流れていたかもしれない。


こんなことを思ったのは、ある人の存在がある。


星が好きな人だった。随分親しくしていたが、事情があってもう会うことはない。たぶんこれからもないだろう。これからも、ずっと。


最後に彼女の顔を見てから1年半くらい経ったある日、彼女に電話をかけた。まるで別の惑星に住む住人がかけたような、何年も放浪に出ていた旅人が気まぐれでかけたような、そんな電話。


頼りない電波を通して聞こえてきたのは、懐かしいあの声だった。まるで太古の大昔からのメッセージのような、そんな感じ。彼女は「遠い外国の公衆電話からかかってきたみたい」と言って笑った。


彼女は最近プラネタリウムに行き、そこで自分が生まれた日の星空を見せてもらったという。そこで自分が生まれた日の夜空を見上げた、星の好きな星子さん(ほしこさん・仮名)。


「私が生まれたのは秋。時間は昼頃。きっと星は見えなかっただろうけれども、それは目に見えないだけで、昼も夜も関係ないんだなぁ(´∀`*)」。


***☆***☆***☆***


夜空を見上げる機会は、齢を重ねるごとに減っていく。確実に、でも、しょうがなく。


仕事が忙しかったり、疲れてしまったり、夜空なんてものがあるのかというふうに。けれど、ふとしたときに思いがけない夜空に出会い立ち止まることだってある。


「今ならば人生の歩みを止めたっていい」そう思えるような、夜空。


明るい光を放つ月に、そこはかとなく薄い雲がぼんやりとかかっている。そんなとき「ああ、生きていてよかったなぁ」なんて、大げさなことを思ってみたりする。


星子さんはよく「今夜は月がまんまるだねっヾ(*´∀`*)ノ」と言ってにっこり、にっこり微笑んでいた。そのたびに、僕の心の小波(さざなみ)は凪ぎ、やさしい気持ちが胸にあふれた。


星子さんが生まれた頃、僕はまだこの世に生まれていなかった。約3年後、ちょっと離れた場所で僕が生まれ、そして二人は成長して出会った。偶然でも、運でもなく、必然に。


そのときから夜空は、たぶん今見ているままなのだ。


今日も世界中のどこかで産声が上がり、名も知らない国の誰かが静かに息を引き取る。星は瞬き、消え、消えたと思っていたら目に見えないだけで、明るい空にちゃんと浮かんでいる。


僕らが生きている間は燃え尽きることのない青白い星のように、星子さんも僕も生きている限りお互いを近くに感じていると思う。


一年に一度も会えない織姫と彦星でもいい―。それが星子さんと僕の、交わしてはいない大事な約束のような気がする。


風の便りによれば、星子さんはこの秋に結婚式を挙げるらしい。どうかその日の夜空にも、まんまるな月に青白い星が瞬いていてほしい。


昼も夜も消えることのない、空の星たち。消えることのない、小さな小さな物語。


星子さん、おめでとう。いつまでもお幸せに。


そして、どうもありがとう。


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【初掲載】old spring 05.7.8 第19回 『君が生まれた頃』

http://blogs.yahoo.co.jp/yuchanyuchin/6462676.html

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イリイリ21歳。

夏のにおいがし始めると、彼の坊主頭を思い出す

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大学時代の話。


いつもは始業ベルが鳴ってから、あるいはギリギリにならないと教室に現れない僕が、そのときばかりは早めに席に着いていた。2回生になって初の朝鮮語の授業の日だった。


突然、後ろから声をかけられた。やさしい声だった。それが石井君との出会いだった。話し始めて5分後には、お互いビートルズが大好きだということを話していた。


僕たちは普通の友達が仲良くなるよりはるかに速いスピードで酒を酌み交わすまでの仲になった。酔い、さらけ出し、駄洒落を連発し、時にはヘラヘラ、時にはゲラゲラ笑った。真夜中にギターを持ち寄り、隣の部屋からヒートアップした艶っぽい声が聞こえてくるにもかかわらず、ビートルズの『You've Got To Hide Your Love Away(悲しみをぶっ飛ばせ)』を唄った。


隣の部屋の人たち、ごめんね。


それは今思い返してみると、後ろめたさも恥ずかしさもなく、真正面から青春と呼んでいい時間だったと思う。


夏の日。


石井君と昼間から酒を飲んでいた。テレビでは高校野球がやっていた。「イリは高校どこやった?」。僕の通っていた高校は関東地方でも全国でも強豪の私立校なのだ。石井君は「ほんま!?」と驚き、そのとき、こう言ったものだった。


「ワシなぁ、その高校の名前の響きが好きじゃけぇ」。僕は胸の中がゆるくなるのを感じた。


そろそろ秋の気配が漂う、夏の夜。


石井君が「ちょっとワシについてこい」と言う。スプレーで塗装された石井君のカブに二人乗りして着いたところは、彼のバイト先の飲み屋の裏手を少し上った、坂の上の工事現場だった。


「ワシの特別な場所なんよ」


月明かりの下、ギターがないので彼はアカペラで歌った。oasisというバンドの『Don’t Look Back In Anger』。声は月明かりに照らされて、闇に吸い込まれていった。



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春。



同い年でも僕は一浪しているから、石井君は一年早く卒業する。「お別れだな」と心の隅では思っていても、不思議と彼のアパートに足は向かなかった。


数日後、坂の下のローソンに向かう途中、後ろからカブの音がした。石井君だった。僕はお別れとか、そういうことを話すのが、なんだかとっても恥ずかしくて、「そういえば前に1000円借りてたやんな」と、千円札を渡した。


石井君は「おお、そやったわ。ありがとう」と言ってシワシワの千円札を受け取った。卒業式までまだ日があるので「また会うだろう」と、その日はお互いそこで別れた。


「ほんじゃ、また」と。


数日後、お別れを言おうと式に行くと、彼の姿はなかった。電話をしたら、すでに番号が変わっていた。彼の同級生達も、誰もかもが彼の連絡先を知らなかった。


わけのわからないまま、僕らは離れ離れになった。あれから何年が経つのだろう。


今、仕事の帰り道にoasisやビートルズをときどき聴く。するとあの夏の闇に吸い込まれた彼の声が、開け放った車の窓から湿った風とともに甦ってくる。


蝉の鳴き声を伴い、もうじき夏の高校野球が始まる。僕の通っていた高校が予選を勝ち抜き甲子園に行くならば、たぶんどこかで石井君も一度くらいはその名を聞くだろう。


そのとき、彼は思い出してくれるだろうか。


僕のことを。僕らのことを。僕らの歌声を。僕らの時間を・・・。


Hey!You've Got To Hide Your Love Away

Hey!!You've Got To Hide Your Love Away

Hey!!!You've Got To Hide Your Love Away




今年もまた、暑い季節がやってくる。


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石井君は確か、地元の郵便局で働くと言っていた。

ということは緑色のカブを赤いカブに乗り換えて、今日も広島の町を走っているに違いない。

かっ飛ばせ〜、石・井・君。

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【初掲載】old spring 05.6.28 第18回 『oasisと高校野球』

http://blogs.yahoo.co.jp/yuchanyuchin/5759645.html

寄り道

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イリイリ18歳から19歳。初めて「真っ当な道」から外れてみて得たものは

自由に生きるきっかけと、人のやさしさにふれたこと


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高校を卒業してから多少の寄り道をした。


何のことはない。単に大学受験に失敗したから予備校へ通うことになっただけの話である。とはいえ、当時は不安だった。4月の時点で「もし今年受からなかったら、僕の人生はどうなってしまうのだろう」などと、早くも弱気モード全開だった。


頭の中を不安が螺旋(らせん)状に下降していて、小心者の母親の性格を負の部分で完全に受け継いでしまったことを、5月の終わりになって自覚した。


不安であろうとなかろうと、時は誰にでも等しくやってくる。4月下旬、通学定期を買おうとしたときのこと。職業欄にこれから通う予備校の名前を書くと、「予備校生は職業じゃないよ」と駅員は無表情で言った。社会的に予備校生とは無職になるらしい。つまり学割が使えない。ただの通勤定期を使う無職である。その事実を知り、僕は暗い気持ちになった。


予備校には当たり前だが自分と同じように若くしてつまずいた無職がいっぱいいた。同じ予備校生なのに妙に明るい奴もいて、彼らの楽天的な性格がとても羨ましかった。


オリエンテーションをした予備校のスタッフが、「予備校は決して灰色の日々じゃないっっ!」と気勢を上げていたのを強烈に憶えている。こうして僕は、初めてレールから外れた、あやふやなスタートを切った。


使い古された言葉だが、受験生に夏休みはない。ないはずだったが、8月の模試が終わって夏期講習が終わると、9月からの新学期の間に、ぽっかりと10日間の休日ができた。たぶん他の人は必死に勉強していただろう。


僕は夏だというのに毎日のように降る雨を、部屋の窓から怨めしそうにぼ〜っと眺めていた。「来年の今ごろはどうなっているのだろう」と、季節が変わっても暗い気持ちの僕がいた。


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ある日予備校近くの郵便局にお金を下ろしに行った帰り、瀟洒(しょうしゃ)な白いマンションの前のベンチに女の子が二人座っていた。彼女たちは同じ予備校に通う生徒で、そのうちの一人は僕よりひとつ年上だった。


それから街角や教室で彼女に会うと、そのまま僕らは近くの公園やマクドナルドに流れた。彼女には付き合って3年も経つ立派な彼氏がいたのだけれど、なぜか僕とよく遊んでくれた。彼女のつながりで7人くらいの仲間もでき、涼しい風が吹く頃には、少なくとも僕に関して言えば、半ば予備校に遊びに行くようになってしまった。


10月の終わり、僕は風邪をひいた。3日後、彼女から電話があった。僕が予備校に来ないのでどうしたのかと思ったらしい。「大丈夫?」と電話の向こうのやわらかい声が響いた。人に心配されたのは、随分久しぶりだった。


僕は本当に大丈夫になった気がして、古典の活用形の空欄を埋めるためでもなく、彼女に会いに翌日からまた電車に揺られた。


僕の受験は12月に受けた推薦入試(筆記試験)であっけなく終った。第一志望にあっさり受かったのだ。自分の解放感よりも先に、うれしさを彼女に伝えた。僕は、待ち合わせのマクドナルドに、走った。


彼女は「先に受かりやがって〜!でも、おめでとうっ!ヾ(*´∀`*)ノ」と笑っていた。いろんなことがあった1年なのに、その日のことだけが今でもカラーで思い出せるくらい鮮明だ。自分のことのように喜ぶ彼女を見て、僕は19歳で初めて、人のやさしさの襞(ひだ)に触れた気がした。


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仲間の進路は様々だった。親の突然の離別で大学を諦めた者、第一志望に失敗して妥協した者、すべて失敗してもともと通っていた大学に出戻りした者。。。


結果的に僕や、僕たちの寄り道は約1年で終わり、晴れて4月から花の大学生になった。でも、あれほどのどが渇いていた「真っ当な生活」は、実際そんなに魅力的じゃなかった。


仲間とは進学してからも付き合いがあった。でも、いつの頃からかそれも途絶えた。そして、僕の合格を喜んでくれた、あの彼女とも・・・。


あれは、本当に寄り道だったのだろうか? ひょっとしたらあれが僕の本道であって、きちんと働いてお給料を貰っている今が、本当の意味での寄り道なのかもしれない。そんなことを思いつつ、こう思う。


あんな寄り道だったら、もう一回してみたいものだ、と。


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初掲載:old spring 06.3.8

http://blogs.yahoo.co.jp/yuchanyuchin/29059248.html


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