漢風楚雨

ひとはみな、くがのひとくれ

読書

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 大学の夏休みが終わるってことは、また大学に人が帰ってくるってことで。
 畜生、なんで学生・教員700(今日調べてみたら2200人でした。余計疲れが・・・)人を、事務11人で相手しなきゃいけないんだ。

 てな状況で働いていますと、土日はもう立てません。若くないので。
 んで、六畳の座敷にねっころがって、読んだのが『三国志―正史と小説の狭間』一部では、某創○学会をバックに白帝社に出させたという、きな臭い噂も漂っておりますが、師匠に勧められたので読んでみましたです。

 文章はちょっと練れてない印象はあったものの、それは著者の初めての本ですから仕方がない面はあるかと思います。内容は各種史料と先行研究に忠実に、三国時代を丁寧になぞっていく手堅い記述。今まで知らなかったこともあり、興味深く最後まで読ませて頂いた次第。

 ただ、この本、かなり読む人を限定するような・・・
 『三国志』って聞いた時に、人形劇の紳紳と竜竜しか出てこない人が読んだばあい、ほとんど何の話をされているのか理解が出来ないはずです。
 『三国志演義』と『正史三国志』の区別がついて、やっぱり史実を追求してウンチクをたれたい!って人以外は、読んでも疲れるだけではないでしょうか。少なくとも入門書ではないわなぁ・・・

 ところで、著者は私と4つしか違わないのか。
 むー、それはすごい。オイラももっと精進しないと。
 
 こちらの掲示板で話題になっていたので、早速購入してみましたです。自殺者やら反日デモやらのときの総領事ということで、いろいろ書きにくいこともあるかなーと思って読んでみましたが・・・・

 期待以上に、面白かったです。万歳。

 やっぱり、ハードカバーではずすと辛いじゃないですか。同じお金で古本屋で浅田次郎が何冊買えるか分らんのですから。
 映画だとそんなに打撃がないのに、何故かハードカバーではずれを引くと三日はあとに残ります。不思議。
 まぁ、それはおいといて。

 良くある暴露本ではなく、誠実に中国の現状を調査し、分析した本であることに好感が持てました。アマゾンの書評を読むと、そのへんのウラ事情が少ないことに不満を持っている方もいらっしゃるようですが、「当事者の知るあの時の真相」みたいな本より、先に書かれなきゃいけない本はいっぱいあるんじゃないでしょうか。

 現在の中国が抱える問題、および日本人が中国を考える上で押さえておかなければいけない視点・論点をコンパクトにまとめて紹介し、なおかつそれなりに新しいものを盛り込む。これ、なかなか出来る事じゃないですよ。とりあえず、中国理解の入門書としては、最高の一冊なんじゃないでしょうか。

 その一方で「現職のキャリア外交官が書いたにしては平板」との指摘もあるかと思います。いや、私も思いましたもん。もっと突っ込んでもいいのかなって。
 でも、そもそも予備知識のない方に、わかり易く、しかもバイアスのかからない形で中国を紹介する本がこれまでなかったんですから、日中相互理解を掲げる現実主義の外務官僚が、まずはこういう本を書いたということを、私は高く評価したい(って、偉そうだな随分。ははは・・・)
 とともに、まずはこういう本を書かざるを得なかったところに、日本の中国理解の貧困があるのではないでしょうか?擁護論にしろ批判にしろ、相手の論点を整理することなく、互いに言いっぱなしだったなかで、やっと杉本氏が、とりあえずの交通整理をしてくれたのですから。

 あとがきで、氏は予断を許さない癌患者であることを書いておられますが、その力の尽きる前に、さらに歩を進めた、第二、第三の著作を出して欲しい。私はそれを楽しみにしています。

 ・・・・って、ここまで書いて調べてみたら、なんと先月3日にお亡くなりになっていたのであった。
私は本書で初めて著者を知ったわけですが、中国を理解し、愛しながらも、一方で日本の国益をしっかり主張できる、得がたい外交官だったのではないかと思います。

 

 ご冥福をお祈りいたします。

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