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果実の卵 瞳が 生まれたてのレンズだった頃 朝の陽で実ったレールに 自転車は風を孕み 空に近い 羊水の海を潜る 心は涙を流し 美術館に降る雨が 春の麦の穂を香ばしくした 禁じられた魔術から生まれた ビルの群たち 原初の夜は明るくなり 闇はまだ 人の背後にうごめいて それは でもそれだけでは 許しではないはず 肺の中身が血を吹いている 僕は僕を取り戻すために 羊水の潤いを求めて 君の右腕の血流に耳を澄ませる そして 日常という旅に出る コットンの匂いの心を ザックリと着こなして デニムの歩幅で街になじむために 凍え 変質してしまった心が 大気と空に溶けている 光を受け取る 神の暖炉は 徐々に結ばれる。 初夏は汗と腋臭と共に 羊水を空にぶちまける 初夏の羊水がレンズになる日 頬につかの間 海が孵る 還ってゆけるところが あるかのように 熔けゆくゆく世界に 確かな歩みを 始めるために 隠された 本当の涙を あなたの代わりに 流す瞳は 抱きしめる腕 罪びとが 涙の熱さを取り戻す日 今日ある 確かな質量と熱量を持った 涙 僕にシチューを一皿だけ作ってくれないか? そして五月の 雨の日曜日に ビスケットが好きな犬を連れて出席する 友人の葬儀
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