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11月3日(月)
土曜日に会場設営をし、本日裁縫教室を開催。参加者は教室を出て行ったり入ってきたり、席を替わったりするなか、参加人数を何度も確認し、10時にパンとミルクを1時にランチパケット(「バツ」と呼ばれるスリランカの主食「ライス&カレー」を新聞紙で包装したもの)を受け取りに行き搬入する。自治会住民の76人が参加。皆熱心に楽しそうにリボン飾り刺繍法等を学び、満面の笑顔とありがとうという言葉をみんなからもらった。もう他に何もいらないではないか!明日の幼稚園児健康診断の準備。裁縫教室が終わると、会場の120の椅子を私と労務者一人とで移動させ、箒で掃き、ゴミを捨てる。プロジェクターとラップトップコンピューターを準備する。歯科医が会場確認のため市役所を訪れ、入手した薬の確認をすると、幾つかの薬が手配されていないことが分かった。保健所長に依頼し作成してもらった薬のリストであったが、歯科医の現場に精通していないためこのような事態になったようだ。が、午後4時とき既に遅し、コロンボでしかそれらの薬は入手できず、3万ルピーほどのお金も必要となり、省と相談する時間もない。もうすでに時間切れだ。ああしておけばよかったのにと言い合うばかりのカウンターパートと関係者たち。「今回は第1回目だ。最初から問題をひとつも起こさずに万全にプログラムを実施することはなかなか難しい。今回はできる限りのものを精一杯実施して、次回に繋げよう。幼稚園児の乳歯の虫歯を完全に治療することも大事ではあるが、歯磨きの重要性と正しい方法を母親に教えることが一番重要ではないだろうか。」と提案し治めた。カウンターパートと一緒に配車の手配をして、薬を収納庫へ運んだ。
私のカウンターパートは根はまじめだと信じているが、某隊員たちが言っていたが、スリランカ人は何か不都合が起こると病気になり、入院すると。カウンターパートは、顔の目の下にできた小さな塊(筋腫だろうか病名不明)の切除手術を受ける。20代のころにできたものらしいが、JOCV-Unit事業の終了する12月に手術するはずだったが、早く切除しないと脳にまで影響が出てくるとのことで、ご主人から怒られ、11月10日入院することになったという。
カウンターパートはかなり時間をかけて紙に書き「あーでもない。こうでもない」と文書推敲し校正し完全に書き上げたあと、パソコンに座りワードを使ってタイプしている。紙に書くこととパソコンに打つことは同じことで、同じことを2回繰り返すよりも、紙に書かずに直接パソコンで打ったほうが、以前作った文書を少し手直しすることやコピーやカットやペーストをすることや修正したり元に戻したりすることもできるし、文書の校正も画面を見ながらできるので、断然早いのではないだろうかと何回か教えたことがある。ハーハー(はいはい)と言っていたが、今でも一旦紙に書いてからワードで打っている。ワードを打ち終えると、私にプリントさせる。プリントしたものをもう一度見直して、また修正し、再度私にプリントさせる。それを2枚から3枚私にコピーさせる。そして、私と一緒に決裁をとり(稟議し)に行く。再度大きな修正が出たときに、私の提案で、タイピストにワード文書を口述筆記させることになったのだが、一旦真新しい白紙の紙に時間をかけて完全に書き直してから、口述を始め、何度も言い直して、タイピストにパソコンで作成させていた。保存したワードファイルのデータも、自分で探すことが難しい様子で、私に探させる。データの保存も、ひとつのワード文書に様々な種類の文書が数十ページも繋がって保存されていたので、ツリーファイルの仕方を何回も聞かせてみせ、何回もやってみせ、何回もやらせてみせて、何回もほめてみた。が、未だに意味が分かっていないようで、また同じようにひとつのファイルに様々な文書を保存している。未だにカウンターパートはどこに保存したのか分からず、私が直ぐに見つけるので、私に探させる。
私は日本語でも自分の気持ちをきれいにまとめて相手に判りやすく伝えるということがあんまり上手なほうではない。シンハラ語のハンディーも手伝いで伝えたいことが伝えられないこともたくさんあった。相手の言っていることも未だに分からないことがたくさんある。特に徹底的な自己弁護と他者の責任にする文化を持つシンハラ人のネイテイヴシンハラ語スピーカーと1年数ヶ月シンハラ語を学んだ私とが話し合い、分かってもらうことは難しい。私は一生懸命相手の言っていることを分かろうとしてきたつもりだが、自己中心的で相手の立場に立つという文化を持たない国では難しい。物を言い合って分かり合うという場面では、お互いが分かり合おうという気持ちをなくし、一方的に自分の気持ちだけを伝えるだけでは分かり合うことも難しくなるだろう。
バドウッラでは、壊れたものはずっと壊れたままだった。ファックス機も何ヶ月も壊れたままで、市役所は別の店と契約してファックス通信していたようだったが、ずっと事情が分からなかった私は自費で徒歩5分の店まで行きファックスしていた。先日市役所のファックスが壊れていて、カウンターパートから外の店に行きファックスするように命令されたときは、直ぐにはイエスとは言えなかった。一度親切心で自前でやったことで、何度もそれを願われる結果に至ったことを、スリランカではよく経験した。便利に感じたら相手の好意に幾らでも漬け込み可能な限り利用しようとするのだ。例えば実施したプログラムの写真を現像して無料でお世話になった人たちに渡したら、幾らしたのかとも聞かれることは一度もなく、これとこれとこの写真をあと3枚ずつ頂戴と遠慮は一切なく当然至極よく言われる。スリランカでは壊れたものを直ぐに修理するということはなかなかないようなので、そんなイメージがあってバドウッラと同じように毎回私が外の店に行ってずっと自費でファックスしなければならなくなる状況を避けたかったこともある。カウンターパートは自分は徒歩で歩き回るような身分ではないといっていたが、カウンターパートはお前には自転車があるので、どこへでも使いに行けると言う。私が何か作業中であっても、カウンターパートは、簡単に数秒でできるようなコンピューターのスタートとシャットダウンでさえも私にやれと命令してきた。ボランテイア(自発的に行動する人)が命令を受けているのは恥ずかしい。その命令が、コピーやファックスや、荷物運びや、お使いのレベルであればなおさらだ。「私ひとりで仕事をしている。お前ができることは少ないのだから、私が言ったことはなんでも急いですぐやれ。」とカウンターパートは言う。もちろん今までやらなかったことはないし、日本流にてきぱきと即行でやってきた。私がいないときにはピヨン(雑用係)にすべてやらせているので、自分からは決してやろうとはしない。そのようなピヨン(雑用係)レベルの仕事を自分でせざるを得ない状況になると膨大な小言を私に言う。私は、やれることは市長との交渉も含めてカウンターパートの先回りをして率先してやってきたつもりだが、シンハラ語の文書(シンハラ語は会話文と文語がある)のやり取りがほとんどできない私は、ピヨン(雑用係)としてエレン(手紙を渡したり伝言を伝えるお使い係)として使うしかないと考えているのだろう。カウンターパートは何か困難があれば、もうひとりいるサブのカウンターパートには笑顔で話していても、私には怒った顔つきで、どんな酷いことでも言う。そのたびに私はよく話を聞いて、問題がなんであるのかを整理して突き止め、様々な手立てを考え、他の職員と調整をしたり、時には助役や市長に助言や提言をし、時には自前で何かをしたり、カウンターパートにこんなふうに物事をプラスに見てはどうだろうかと話したり、できる限りのことをして来た。私は、できる限りカウンターパートのそばにいて、お叱りを受けることがあろうとも、どこへでも行って同じ困難を一緒に乗り越えて同じ気持ちでいたいと思って、そうしてきたつもりだった。しかし、先週の10月31日(金)JOCV-Unit事業について、私について、カウンターパートの本音だと思う「この仕事は、私の本来の仕事ではない。余分にやっているやってもやらなくてもよい仕事。もうやってられない。やらずにいることだってできる。入金があるまでプログラム費用を立て替えないといけないし、急いで仕事をしろと省から言われても、市役所では誰も協力しない。私はジャーエラ市役所の職員ではない。しかし、何かあれば責められるのは私だ。私には他にたくさんの仕事があるけどお前はこの仕事だけだろう!お前は、何でも私が言ったことは直ぐにしろ。協力が足りない!一人で行けるところは一人で行け!私はもうやめる!」という言葉が、未だに頭から離れない。カウンターパートは今日の裁縫教室の参加者たちの熱心な顔や笑顔やありがとうと言いながら帰っていく姿を本当に見ているのだろうか?
JOCV-Unitの事業はAnnual Implementation Plan(年間実施計画)という市役所と住宅公共施設省の予算を使ったプログラムの実施である。しかしそれは、本来、市役所の政治や職員の恣意に流されず、本当に住民のために使われなければならない。私は市役所に派遣され市役所に机を持っている。しかし、私は、住宅公共施設省に配属されたフィールドワーカーだ。私は、JOCV-Unitの村落隊員のフィールドは、市役所というフィールドと住民の住む村というフィールドそして関係機関というフィールドの3つがあると思っている。今日と明日のプログラムが終われば、カウンターパートはもうJOCV-Unitの仕事はしないだろうか。もし再開することがあるならば、もう、市役所側はJOCV-Unitの仕事の進め方はわかっているので、やはり村落隊員の原点へ帰り、住民のエンパワーメントと関係機関との連携を目的としたフィールドワークに重量を増やしたい。
11月4日(火)
幼稚園児の健康診断を実施。100名の園児と100名以上の父兄と先生たち十数人とで市役所はごった返し、混乱のなか身長・体重・視力測定、診察と薬の配布、歯科診断と虫歯の治療、病気予防と虫歯と歯の磨き方についての父兄への講座を実施他。椅子を運んだり、不足するものを整えたり、手伝えるものを手伝ったり、かたづけたり、ゴミを捨てたり、写真を記録したりとできることをやって、くたくたになった。
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