空に続く道

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Memento mori

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後書き

『Memento mori』今日をもって終了です。
長い物語に最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました。

この物語を描くきっかけは、私が書いた物語を転載している『小説家になろう』というサイトでの出会いでした。

『ボクシング最強伝説』という、ボクシングを題材にした(正確には異種格闘技・喧嘩・ストリートファイトでのボクシングですが)小説が原作です。
そちらの作者さんと少し交流させていただきはじめた時に、ちょうどキャラ募集をされたので、この、沼崎透也というキャラクターを提案させていただきました。

なので、初めにあったのは、実は白石穣のエピソードの方だったんです。
白石はその作品では沼崎(兄)との試合で作った心の傷で、プロボクシングを辞めた、という設定でした。白石は主人公ではなく、主人公の兄貴分の立ち位置だったのですが、非常に魅力的なキャラだったので、そのエピソードを膨らませて、この透也というキャラを作らせてもらったんです。

この物語は、その小説の中で透也が出てくる回の掲載後から書かせていただきました(本編に影響ないように)
この物語(Memento mori)自体のラストがちょっとしり切れっぽくなってるのは、本編につながるようになっているからです。(つまりこの物語のラストは決まっていて変更不可能だったんです)

もし、ご興味ある方はこちらもお願いします
↓ボクシング最強伝説
(第4部25話復讐鬼)
byゲームセンター猪木さん
http://ncode.syosetu.com/n7942h/
こちらでは本当にサブキャラで、まだ復讐の決着もついていないようです。完全に原作者様にその後をゆだねているので、どうなるかは私にもわかりません。

と、いうことで、この物語は通常の物語作りとはちょっと異なる手順だったので、結構面白かったです

本編の透也は
・沈着冷静
・いつも穏やかな笑みを湛えている
・白石を深く憎んでいる
・丁寧語
・警視庁のキャリア
・元柔道家だが兄の死後にボクシングに転向

という設定だったので、これらに説得力を出す事が、まず、この物語の大きな目的になりました。
なぜ、柔道を捨てたのか。なぜ、そこまで兄の死に固執するのか。ついでに、なぜいつも笑っていて丁寧語なのか(笑)……なんて事ですね。
本編を先にご存知の方には、むしろ透也が元いじめられっ子だった事が驚きだったようで。でも、兄に固執するにはそれなりの理由がないと……と思ってできた自然な設定でした。(虐待や再婚の件も含めて)

想像以上に長いお話にはなってしまったのですが、登場人物も最小限に抑えられて、物語の山谷もそれなりに作れたので、書いている方としては楽しかったです

ただ、やっぱり苦手な戦闘シーンは苦労しましたね
ついで、これまで避けまくっていた『ボクシング』という個人的に複雑な思いのある分野を題材に持ってくるのも、迷いがありました。
ただ、結果的には苦手を克服する良いとっかかりになったのかな? とは思います。
少しでも、読んでくださった方に臨場感が伝わったり、ちょと体を動かしたくなったりしていただけていれば、恩の字です☆

山月記は、好きな小説です。何度読み返しても、心がぎゅっと鷲掴みにされて痛くなります。

アマチュアボクシングについては調べる事が多くて大変でした。
私の知るボクシングはプロの方なので、調べて行くうちに全く違うスポーツのアマボクに戸惑いもしました。(競馬と障害競走の違いみたいな?)
でも、タイミング良く、書き始める前に『ボックス!』という映画を見ていたので、その原作を購入し参考にさせてもらいました。なので、何もないより、まだましだったかな

この物語で一番意外な動きを見せたのは、実は加来賀でした(笑)
彼はそんなに重要なキャラではない予定だったんですよ。部員その1くらいの。それが結構なポジションに(笑)透也が(結末が用意されているので)さほどこちらの引いた道を外せなかったので、加来賀の存在は、この物語に勢いをくれました。

最後に、この物語を描きながら聞いた曲を紹介しようと思います

スキマスイッチ
『マリンスノウ』
ライブで聴いて知った曲で、悪夢と墓地でのシーンは、ほぼこの曲からインスパイアされました。

『雨待ち風』
この曲の世界観が素晴らしく『雨』を最後のシーンに使ったのは、この曲の影響だと思われます。


『truth』
ドラマ魔王が好きで、その曲のイメージがずっとありました。兄弟を殺されて、復讐する点は一緒ですね。

平井堅
『瞳をとじて』
はやった時は何かとお笑いに使われていましたが(苦笑)何気に大好きで、聞くと必ず半泣き以上してしまう曲です。

もし、よろしかったら、聴いてみてくださいね。

では、最後になりましたが、この物語を描く事を快諾してくださった原作者様と、そして、この長い長い物語、最後までお付き合いくださった貴方に、心からの感謝を……。

本当に、この物語に触れてくださり、ありがとうございました。

ゆいまる

Final round

「お帰りなさい」

「……ただいま。早いですね」

「あなたの帰りはずいぶん遅かったようだけど?」

 相変わらず鋭い観察眼で自分を軽く人睨みした多恵に、透也は肩をすくめた。案の定、多恵は目ざとく透也の手に血液のついたハンカチを見つける。血液と言っても、透也の血ではない。返り血だ。
 自室に向かう透也に当たり前のようについて行きながら、多恵は「今日は何人?」と尋ねた。透也は付き合い浅からぬ彼女の問いに苦笑交じりに「さぁね」と答える。
 昨夜、血祭りに上げたヤクザという名前の社会のゴミの数なんか、数えた事などない。日々出す日常ゴミの重さを測らないのと同じだ。処分するものに興味はない。ただ、処分するべきか否かを知るだけで十分だ。

「白石の情報でも入りましたか?」

 話を振る。白石にまつわる情報は多恵を通して常に手に入れていた。
 しかし多恵はすぐにはそれに答えず、艶っぽく唇を突き出し腕を絡める。

「何時間も待ちぼうけを喰らわせた女に訊く事は、それだけ?」

「それだけですね」

 透也は簡単にその腕を外すと、エレベーターの前で足を止める。上へあがるボタンを押した。
 多恵は気を悪くした様子もなく「いつもつれないなぁ。まぁ、こっちも情報をもらってるから文句はないんだけどね」と年甲斐もなく舌を出すと、小さな手帳を取り出した。

「まさに、ビンゴよ。さっき、入って来たばかりの情報。山辺組が何者かに襲撃を受けたらしいの。その主犯というのがね……」

 ようやく尻尾を出したか、卑怯者め。お前のような人間、いつか必ず犯罪に関わると思った。
 透也は沸き上がる喜びを押し留めるように口を抑えると、俯いた。
 白石穣。6年前、兄の命を奪っておいて、それを捨てて逃げた男。
 やっと、やっと、やっと……この手で、裁ける。

 エレベーターが最上階に着いた。
 一緒にエレベーターを降りた多恵は手帳を閉じながら、自分よりずっと背の高い透也を見上げる。体格も、出会ったころより一段と良くなった気がしていた。様々な伝説を残しリングを去った彼が、ボクシングを続け、また柔道も再開していた事は知っていた。だけど、もう、あの時のようにスポーツとしてではない。おのれ自身を凶器として磨きあげる、そのためだけにトレーニングを積んでいるのだ。
 そして、実際、今、死神の大鎌は幾人もの人生を、法という名のもとに刈り取っている。

「ねぇ。嘉山や峰井の事だけど……あれでスッキリしたの?」

 この5年、多恵は透也とつかづ離れずの関係を保ってきた。なんとなく、放ってはおけなかった。
 彼が入庁とほぼ同じ時期にスポーツ記者からフリーの記者に転向してからは、お互い情報をやり取りするビジネスパートナーのような存在でもあった。

 透也は先日片づけたばかりの過去の遺物について、多恵が何を懸念しているのかわからずに、じっと彼女を見つめる。

「峰井さん。海で沈んでたの、見つかったらしいわよ」

「あいつらしい最期ですね」

 先月の事だ。衆議院二期目の当選を果たしたばかりの嘉山の、汚職と、ヤクザとの癒着、賭博の実態などが、一気に明るみに出た。それは世間にかなりの波紋を作り、結果、嘉山の所属する政党は支持率を下げ、嘉山自身も職を追われることとなった。もちろん、嘉山の息のかかった者たちには大打撃だ。
 嘉山を調査し、逮捕したのは透也が初めて率いたチームだった。ルーキーの大金星に警視庁内でもちょっとした騒ぎになり、透也は同期の中でも期待し注目される存在となった。

 透也が嘉山をあぶり出す糸口を作ったのは、他でもない、峰井だった。峰井の浅はかな振る舞いや言動から、透也は証拠を固め、逮捕にまでこぎつけたのだ。もちろん、峰井がヤクザや嘉山から報復を受けるであろうことは、透也も十分承知した上だった。むしろ、それを望んでいた節すらある。

「今度は、白石穣なの?」

「ですね」

 悪びれもせずに頷く。多恵はすっかり変わってしまった元天才ボクサーを哀しい気持ちで見つめてから、一枚の紙を差し出した。メール画面をプリントアウトした紙だった。

「歩美ちゃん……心配してるわ」

「歩美? あぁ……佐野さんですか。懐かしいですね」

 懐かしい? 忘れたふりなんかしちゃって。この嘘つき。
 多恵は呆れて片眉を上げると、受け取れとばかりにさらに紙を透也に突き出した。

「貴方が虎になっていないか心配だって」

 多恵には、歩美から送られてきたその言葉の意味がわからなかった。でも、歩美の事を忘れていたはずの透也にはすぐにピンときたようだ。
 忘れてるなんてやっぱり、嘘じゃない。多恵は紙を受け取った透也の顔を見ながら、少しだけ不服そうな顔をして腕を組む。透也はその紙をろくに目も通さずにスーツの内ポケットにしまいこむと、にっこりと微笑んだ。

「多恵さん。お手数ですが、彼女にこう、返事しておいてもらえませんか?」

 嫌よ。自分でしなさいよ。そんな言葉が出かかるが、とりあえず口を噤む。透也はとんと軽く開かれたままになっていたエレベータの中に多恵を押し返すと

「たしかに奴は可哀そうだ。なぜなら人間としてとっくに間違ってるのに、まだ人間なんかでい続けようとするからだ。いっそ虎になればいい。虎になるべき人間は、もともと人間を捨てる運命にあったんだ。そういう人間は虎になる運命からは逃れられない。俺は、昔からそう考えていた……ってね」

 エレベーターの中に手を入れ一階を押し、身を引いた。 
 意味がわからず多恵はきょとんと目を丸める。

「ねぇ、それってどう言う……」

「すみません。これから、また忙しくなるので」

 しかし透也は答えず、代わりに彼女に手をふった。多恵が踏み出す前に、扉が閉まってしまう。小さく多恵の声が聞こえた気がするが、もう、構っていられる時間はなかった。
 やっと、やっと、奴に会えるのだ。ようやく掴んだ尻尾、絶対に離すもんか。
 人を捨て、虎になった男にはもう、誰の声も届かない。

 フロアに二つしかない扉の一つにカードキーを差し込み、開ける。
 ガランとした薄暗い室内を滑るように進み、上着も脱がずに受話器を上げた。自分の職場から、多恵にさっき教わったばかりの警察署へと繋いでもらう。そこからさらに、白石の知り合いという斎藤という刑事に繋ぐ。

 カーテンの隙間から僅かに零れる朝日が眩しくチラついた。外より幾分温度の低い室内は乾いていて、余計なものは何もない。ただ広いだけの部屋。
 この部屋は、まるで自分自身のようだ。苦笑し受話器を耳にあてながらも、透也は兄を失ってから鬱積していたどす黒い物が徐々にたぎりだすのを感じていた。己が身をも焦がしそうなその熱は、加速度的にその温度と激しさを増していく。

 口元にくっきりと笑みが浮かんでいた。
 合法的に奴を葬る。峰井を葬った今となっては、その為だけに今、ここにいるようなものだ。奴を葬る事ができるのなら、もう、何もいらない。地位も名誉も、この命ですら……!

 思わず口元を押さえる。その手が微かに興奮に震えていた。
 
 義父さんの仇はとった。兄さん、次は兄さんの番だね。
 もう少し。もう少し待ってて。すぐに白石を地獄に送るから。
 兄さん、兄さんの死を無責任に捨てたあいつには、必ず俺が死を持って償わせるからね。
 たとえ、俺が鬼に……いや死神になったとしても。
 
 呼び出し音が耳に響く。胸ポケットから、さっき多恵から押し付けられた紙が音を立てた。異物感にそれを取り出す。

 歩美……か。
 兄を失った後の日々で、唯一、光を当ててくれた彼女の、あの笑顔が浮かびかけた。その時だった。

「はい。捜査第4課斎藤です」

 呼び出し音が途切れた。
 透也はその紙をくしゅっと握りつぶすと、ゴミ箱に放った。ゴミ箱の中それは乾いた音を立て、虎が人であった証が、いとも容易くただのゴミへと化した。

 聞こえた声は、いかにも寝起きの声だった。白石の友人とやららしい。透也は嘲笑を心の中で浮かべながら、自分の中の何かを突き破りそうな高揚感を抑えるように、一つ静かに息を吐いた。

 今更、何も怖くない。今更、何も迷わない。
 実の父を葬ったように、間違った人間(ゴミ)を社会から抹殺することに、何の躊躇いもあるわけがない。

 透也は心が落ち着くのを待って、表情を整えると、穏やかで柔らかな声で切り出した。

「初めまして。私、警視庁の沼崎と申します。今回、山辺組組長が意識不明重体になっている件はご存知ですね?」

 全てを失い、全てをかけた男の復讐の幕が、今、開く。

To be continued......

Round 60

―― 5年後

 歩美は最後の荷物を詰めると、思いっきり体重をかけてトランクを閉じた。許容量オーバーのその荷の隙間から、一枚の紙が飛び出し、ひらりひらりと空中を泳いで、床に落ちる。
 歩美は何とかトランクに鍵をかけてから、その紙を良く日に焼けた手で拾い上げた。
 日本に送って先日宛先人不明で返って来た手紙だった。
 届かず舞い戻った自分の想いにため息をつき、まだ机に出しっぱなしにしたままのパソコンを立ち上げる。
 ネットにつなぐと、すぐに可愛らしい音が新着メールを知らせた。期待して開く。待ち人からの返信に、ホッとして、その、日本からのメールに目を通す。

 多恵からのメールだった。
 透也への手紙が帰って来た日、多恵に彼への伝言と、この手紙の内容を伝えるように頼んだのだ。どうやら、それが叶えられたらしい事を知り、歩美は嬉しいようなそうでないような複雑な気分になる。依頼が果たされたのは喜ぶべきことだが、あの時の顔触れの中、多恵だけが未だに透也と繋がっているという事実が、一滴の苦みを覚えさせた。

 今、2人はどんな関係なのだろう? 
 あの後、透也はしばらく消息がつかめないと思ったら、突然大学の海外の姉妹校へ留学してしまった。
歩美は結局、試合の日から一度も彼に会っていないことになる。
 噂によれば、透也はそのままどちらの大学も同時に卒業した上に、現役中に司法試験にも通ったらしい。そして卒業後、彼は改めて日本に戻り、警察庁へ入庁したと聞いていた。

 歩美はというと、栄養士の資格を取り、卒業と同時に海外ボランティアに参加していた。透也の想い出でいっぱいの日本にはいられなかったのだ。白石の事も、峰井の事も、歩美はまだ消化しきれていない。でも、あの試合の後、加来賀に言われた一言で、深追いが出来なかった。
 加来賀は、試合後いなくなった透也を探そうとした歩美と佐野に、こういったのだ。

「あいつを信じよう。俺たちにできる事は、きっとそれしかない」

 と。だから、彼を信じて追わずにいたのだが、結果、5年も経ってしまっていた。
 実は、透也が日本からいなくなった後、加来賀と恋人に近い距離までになった時期がありはした。でも、結局はそうはならなかったのは、お互いにとって、透也の存在が大きすぎたからだ。
 加来賀は卒業後は東京の企業に就職したと兄にきいている。今は連絡は取っていない。

 その兄は、紆余曲折あったが念願かなって今年、小学校の教諭になった。今では小さい子供たちに、兄らしく熱血で情熱をもって接する毎日だ。
 兄は何か壁にぶつかるごとに、透也との試合を思い出しては力にしているようだった。透也はどう思っているのかわからない。でも、あの試合は、兄にとって人生最高の瞬間で、これからの兄の人生を支えて行く時間だったんだって、断言してもいいような気が歩美にはしていた。

 兄や加来賀、そして透也が抜けた後のサークルは、仲里が上手に切り盛りした。歩美も透也がいなくなった後も辞めずに3年までサークルを続けたのは、仲里達先輩の努力を知っていたからだと思っている。
 仲里たちの頑張りの他にも、サークルが盛り上がって来た理由がある。
 あの試合後、妙に大学側からの支援が手厚くなり、正式な監督やコーチもついて、やりやすくなったのだ。加えて透也の評判のおかげで部員が増えた。
 今でもサークルは、充実したサポートや設備の元、透也がいた時の倍以上の部員でにぎわっているはずだった。

 全てが上手く行っていた。
 たった一つ、透也がいない、その事を除いて……。

 歩美は手に取った手紙をそっと裏返した。自分の文字なのに、彼の名前を見るとそれだけでまだ、胸が疼く。
 今日、日本に帰る。
 手紙には、帰ったら真っ先に会いたいと綴っていた。
 この目で、彼が彼でいる事を確かめたかった。彼が沼崎透也である事を、虎にはなっていないってことを。もし、虎になっていたら、その時は……。

「透也……くん」

 歩美は海外で見て体験してきた様々な人間や、出来事を思い浮かべる。その中で悲惨な現実に、人である事を捨てた人のいかに多い事か……。しかも、その誰もが幸せには程遠い場所にいた。だから……。

 ドアがノックされた。歩美は返事する。帰ろう。もう一度向き合おう。彼と、今度こそ……。
 歩美は重たい荷物を自分の手で持つと、その扉をゆっくりと開く。胸元で、遠い日を記憶するペンダントが揺れていた。

――

 女性が坂道をベビーカーを押して歩いていた。心地よい日差しの下、そのベビーカーの優しい影の中では、赤ん坊が安らかな寝息を立てている。

「気持ち良さそうに眠っていますね」

 女性の隣を歩く透也は、その赤ん坊の寝顔を愛おしそうに見つめると、両手いっぱいの荷物を抱え直した。女性は幸せそうに「えぇ」と頷く。
 朝の光に輝く空に、鳥たちが囀りながら飛んで行った。
 濃紺のスーツ姿の透也と、オフホワイトのワンピースの女性。地面に映る影は同じ色で、歩調を合わせながら進んでいく。会話は多くはなく、ベビーカーの車輪が時折、小さく音を立てていた。
 やがて坂の上につく。高台の大きな高級マンションの前で女性は立ち止り、透也を振り返った。

「ここで結構です。お巡りさん」

 お巡りさん……酷く可愛らしい呼び名だな。透也は苦笑しながら頷くと、管理人室に向かい、同じマンションの住人である女性の荷物を管理人に任せた。

「ありがとうございました。荷物、持っていただけて、本当に助かりました。でも、これからお仕事じゃないんですか?」

 朝の8時。普通なら出勤の時間という事を気にかける女性に、透也は首をゆるゆると振って見せた。

「市民の生活をお助けするのが仕事ですから。それに、今日は夜勤明けなんで、帰宅するところだったんですよ。お気になさらないでください」

「まぁ。そうでしたの。お疲れのところ、すみませんでした。お巡りさんも大変ですね」

「いえいえ」

 透也はにこやかに答えると「では」とその場を辞そうとした。しかし、それを女性が慌てて引きとめる。

「お巡りさん、ちょっと」

 女性はおもむろに透也の手を取った。眉を潜め女性が見つめる先に視線をやると、血液がそこについている。

「お怪我でもなさってるんですか? 大丈夫ですか?」

「あ、いえ。平気です。それより、荷物の方につかなかったでしょうか」

 女性が差し出したハンカチを受け取り、管理人に尋ねる。人の良さそうな初老の管理人は、薄毛の頭を軽く振って大丈夫と答えた。

「では、これはお借りします。後日、洗濯して管理人さんに預けておきますね」

 透也は軽く赤子連れの女性と管理人に会釈をすると、足早に自分に部屋へと向かった。
 暗証番号を押してロックを外す。それを二回繰り返しようやくロビーに入ると、知った顔が待っていた。

Round 59

 多恵には自分が部屋を出たのち、あの卓球台の場所に録音機能の物を隠しておくように頼んだ。今日は試合を撮影するためにビデオを持ちこんでいた多恵は、それを設置し、すぐに峰井と嘉山を繋ぐものを調査した。
 調査はやはり一筋縄ではいかず、また時間も限られていたために、多くの情報は得られなかったが、選挙間近のこの時期、嘉山の対立候補側に泣きつきそこで得られた情報を辿り、やっとの思いでヤクザとの関係が見え隠れするところまで嗅ぎつけたのだった。

 透也がするべきは、わざと峰井を怒らせ、暴力現場をおさえた上に、賭博の実情を話させる事だった。幸い、峰井は色んな事を話した。顧客リストのありかまで自分の携帯の中にあると暴露までした。

 現場に居合わせてしまった加来賀には、理由をつけて追い払うためと、自分が直接多恵に接触するのを避け、少しでも早くカメラの回収を図る意味で連絡係り頼んだ。
 それでも、たぶん、詳しい事は何も知らないままで済んでいるはずだ。確認はしていないが、この件のリスクを理解してい多恵なら機転を利かせてくれたんじゃないかと透也は半ば確信に近い物を持っていた。
 
 こうして、決定的なアイツらの弱みとなる証拠を手に入れた。
 証拠は警察に持っていくつもりは初めからなかった。警察の中にも仲間がいる事を峰井が零したからだ。
 多恵には多恵自身の身に危険が迫らないようにと念押しした上で、嘉山の所に電話をかけさせた。ハッタリではないとわからせるだけの情報をちらつかせ、条件を飲ませたのは多恵だ。匿名を使ったのか、別の方法をとったのか、これも透也は知らないが、尋ねると多恵はただ「記者には記者のテクニックがあるのよ」と苦笑した。

 嘉山に突き付けた条件は、歩美を始め、彼らの家族を含めたサークルの関係者、そしてサークル自体に今後一切手を出さない事。また、サークルの存続を支援し続ける事だった。
 そうしなければ、映像を、動画投稿サイトに流す、という警告も条件に添えた。

 警察よりもずっと簡単確実で、広めやすい方法だった。自分の試合がそんな風に流布されていたことからヒントを得たのだが、これが予想より効果的だったらしく、嘉山はすぐに条件を飲んだ。
 嘉山にとっては自分の保身のためなら、たかだか大学のサークルを保護するくらい、どうでも良い事だったらしい。

 峰井にしたって、これが暴露されれば、さすがに大学ボクシングに、いやボクシング界に居場所は失うだろうし、主体となっているヤクザから逆に追われる立場になるリスクがあった。

 結果、嘉山も峰井も、こちらには手を出せなくなり、サークルの存亡も、歩美の安全も守れたというわけだ。

 多恵の協力を得られなければ、試合後に峰井か嘉山をボコボコにして力で何とかするしかないと思っていなかったから、うまくいったのは全て彼女のおかげだった。

「いいの? みんなに本当の事、話した方がいいんじゃない?」

「いいえ。俺との繋がりは切っておいた方が彼らの為です」

 とはいえ、これは応急的な処置にすぎないと透也はわかっていた。病巣はまだ大きく悪質で、消えたわけじゃない。選挙が終われば、この条件も守られ続ける保証はない。できれば嘉山が当選する方が都合はいいが、仮に落選し政界に嘉山が興味を失えば、効力は薄れる方法だ。

 峰井だって、今はおとなしくても、何をするかはわからない。ただ、自分が関われば彼らに迷惑がかかる可能性は高くなるはずだ。
 やはりあの場所へはもう、引き返せない。

 フロントガラスに雨粒が落ちた。
 それは始め一つ二つだったが、まるで一つの哀しみから広がって行くそれのように、やがて世界を覆い始めるものとなった。

「病院に、行きましょう?」

「……先に連れて行ってほしい場所があります」

「意外とわがままなのね」

 多恵の唇に哀しい笑みが浮かぶ。
 透也は場所の名前を告げると静かに目を閉じ「お願いします」と呟いた。
 雨音が全てを支配していく。それは零れおちる砂音に良く似ていた。透也は多恵の返事を聞きながら、灰色に沈んでいく世界に身を委ねた。

――

 車の振動が止まり、うっすらを目を開ける。

「着いたわよ」

 多恵の声に身を起こす。車を出してからここまでの記憶がないので、どうやら夢も見ずに眠っていたらしい事を自覚する。体を起こすと、ひどく気だるく、どこもかしこもが痛かった。
 透也が黙って車を降りようとするのを、多恵が腕をそっと掴んで引きとめた。満身創痍の身を気遣う触り方だった。

「一緒に行くわ」

「ここで、待っていてください。その後は病院だろうと警察だろうと、どこにでも行きますよ」

 上手い冗談ではなかったが、軽口を叩くと、多恵の手を丁寧に外し、外に出た。
 霧雨に世界が沈んでいた。振り返る。無数の墓標が沈黙し、こちらをじっと見つめていた。そんな重苦しく息の詰まるような曇天の風景を見て、透也はまるで水底から見える光景のようだな、などと思いながら霊園の門をくぐる。

 全てが砂色をしていた。灰褐色の、砂色だ。
 もし、地獄が本当にあるのなら、こんな風景かもしれない。荒涼としていて、無限にただただ墓標が続くのだ。そこには自分を痛めつけてくれる鬼もなく、罪人は自分だけじゃないんだと安心させてくれる亡者もいない。
 ただ、独りぼっち。息苦しさを感じながら、墓標の並ぶ場所をあてもなく彷徨うのだ。永遠に、終わることなく……。

 視線の先で束ねられた白い花が、雨に濡れていた。
 それは、まだ瑞々しく、砂色の水底に輝いて見えた。
 透也はそれをそっと拾い上げる。吐く息が白く塊となって雨に溶けた。
 墓標に刻まれた二つの大切な人の魂に問いかける。

 義父さん、怒ってる?
 兄さん、幻滅した?

 答えはない。返事なんか返ってくるはずはない。たとえ、ここに彼らがいたとしても、自分を無言で見詰め、責めるだろう。
 花束の下の手を開く。
 赤黒く腫れ上がった、血にまみれた手だった。その赤は白い花弁を穢し灰色に滲んでいる。

 自分に流れる血……抗う事のできなかった、自分の弱さ。
 自分が彼らと過ごした時間は何だったのだろう? やっぱり、あの時、あの橋の下で、自分は命を断つべきだったんじゃないだろうかとすら、思う。
 
 ぐっと拳を握りしめる。雨に滲んだ白い花弁が、歪み、醜く形を変えて、ひとひら音もなく地に落ちた。

「透也君」

 声の方向を見ると、多恵が真っ赤な傘をさして立っていた。自分をその傘で降る続ける雨から守ろうとする。それを透也は片手で制した。
 多恵は眉を僅かに潜め、泣き出しそうな顔をする。

「ボクシング……辞めるの?」

 問われた時、無意識に白い花に視線を落としていた。
 この花を手向けただろう、男を思う。兄の命を奪って簡単に捨てた、あの男だ。

「ボクシングは、もともと大嫌いなんです。あんなの、単なる合法的暴力です。最低だ」

「本当に? 本当にそう思ってる?」

 ようやく絞り出した答えに、多恵の痛烈なまでの問いかけが被さる。

「佐野君との試合、見たわ。ねぇ、佐野君とリングの上で戦った時、ボクシングって最低だと思った? ただの暴力と同じだと……あなたは本当に思ったの?」

「それは……」

 透也はぐっと花束を握りしめた。今度は花弁が幾枚もはらりはらりと地面に落ちてゆき、その一枚が透也の足の上にも張り付いた。
 ぐっしょり濡れそぼった前髪の隙間から、じっとその花弁を見つめる。
 どこまでも白く、どこまでも純粋な色だった。
 決別が言葉となる。

「ボクシングは辞めます。けど……」

 もう、自分があの場所にいる意味はない。
 ただ、自分には他にやるべき事がまだ残されていた。逃げるという道に背を向けても歩かないといけない道が、まだあるのだ。

 花束を地面に投げ捨てた。
 無残な姿になった花は、雨に打たれ続ける。

 逃げたんだ。アイツは、逃げた。兄の死から逃げた。自分も何もかもから逃げたいと何度も思った。義父の死、父の血、そして兄の死から。今、この瞬間だって死という誘惑に負けてしまいたい衝動が息づいている。

 でも……逃げたら、本当に兄の死は、いや兄が生きた意味がなくなってしまうから……。

「俺は、間違った人間が笑うのをこのまま見過ごすつもりはありません」

 微笑んだ。砂色の世界で。

「どうするの?」

 多恵がそっと震える唇から吐息を零した。透也は空を振り仰ぐ。頬に落ちる無数の冷たい雨粒に目を細めた。

 世界は理不尽だらけだ。義父の信じた法は、正義で良心で作られたものなんかじゃなかった。
 嘉山にしろ、峰井にしろ、そして白石にしろ……皆、法というルール、もしくは法を捻じ曲げられるほどの力に、守られていた。そんな自分が見た現実に、それを作り利用する人間こそが間違っていると教えられたのだ。

 間違った人間が世の中のルールを盾にし笑うというのなら、俺はそのルールを武器に、奴ら自身の身を滅ぼしてやる。

 頬に一筋、温かい雨が流れた。

「俺は俺なりのやり方で戦います」

 失うものはもう何もないその手から零れ落ちた誓いは、真っ白な吐息となり、砂に沈んだ海底からゆっくりと昇ると、天に届くその前に、虚空で跡形もなくかき消えた。

Round 58

 この30秒が勝負だと、2人ともわかった。それは、何の理由も理屈もない。ただ、拳を交えている2人には、わかったのだ。
 両者の動きがさらに加速する。

 透也は全身を襲う痛みを振り切るように拳を突き出した。佐野の短い腕では全く届かない位置から、彼の体を捉える。
 佐野の顔が横を向いた。
 すかさずさらに踏み込み、腹に連打を送る。
 本当は、立っているだけで体がバラバラになりそうだった。こうやって拳を打ち込むたびに、自分にそのダメージが跳ね返ってくる。でも、でも、負けるわけにはいかなかった。
 そう、絶対に……。

 佐野がたまらずクリンチする。自分の肩にかかった佐野の息使いが荒い。離れた、その瞬間で決まる……。
 透也は佐野の腹に拳を打ちつけながら、リング下に見える峰井の顔を見た。鬼のような形相をしている。
 親父、あんたの思い通りにはなんねぇ事を、証明してやる。確かに、あんたが言うように、世の中は正義や良識だけじゃ、どうしようもない。俺は義父さんのように、強くはないから、あんたの理屈を否定できない。だがな……。

―― やっぱり、間違った奴が笑うのは許せない

 体が離れる。
 その刹那、お互いの利き腕が思いっきり引かれた。
 佐野の右、透也の左。それはしなる弓矢のように、ぐっと力の限り引かれる。体が捻られ、筋肉が最大限に伸縮される。
 静寂が、訪れる。

―― 兄さん、ごめん。約束は果たせそうにないよ

 双方の拳が、美しい一閃の迷いなき光となって、今、放たれた。
 クロスカウンターだ。
 互いの顔面を捉える。激しい衝撃に顔が歪み、マウスピースが飛んだ。汗が激しく散って、両者を照らす光に輝く。
 一方の体が、宙を舞った。赤いヘッドギア。
 佐野の方だった。
 リーチ、インパクト、タイミング、パワー、何もかもにおいて、透也に軍配が上がったのだ。
 佐野の目が上を向き、体がマットに打ち付けられた。
 小さくバウンドし、やがて、それは沈黙する。

 ごうっと会場が歓声と狂喜に揺れた。
 レフリーが急いで入り、両手を頭上で忙しなく振る。カウントを取るまでもなく、試合終了のゴングが鳴り響いた。

 リングドクターが駆け上がり、担架が運びこまれる。これまで何度も見た光景なのに、透也は茫然とそれ見つめていた。景色が徐々に色彩を無くしていく。赤が灰色に、砂色に染まっていく……。

「お兄ちゃん! お兄ちゃん!」

 歩美の声に目を見開いた。しかし、そこにいたのは……

「兄さん! 兄さん! 兄さん!」

 自分だった。兄の亡骸に縋りつき、泣きじゃくる、自分だ。
 俺は、俺は……。
 そっと拳を見つめる。真っ青なグローブについたのは、真っ赤な血だった。

 誰かが自分を呼んだ気がした。でも、歓声とゴングと兄を呼ぶ自分の声で、はっきり聞こえない。
 ただ、まだやるべき事があるうちは、ここで膝を折って哀しみに浸って自分を可愛がることなんかできないん、いや、してはならないんだ。

 透也は一度だけ、佐野とそしてそれに縋りつく歩美の姿を、目に焼き付けるように見つめてから、静かに、光ある世界に背を向けた。

――

 まとわりつく亡者を振り払うようカンダタのように、透也は一筋の救済を求め控室に戻ると、急いで全ての物を脱ぎ捨てた。
 グローブもバンテージも、何もかも。痛みというのは限界を超えると、今度は感じなくなるのか、はたまた痛い痛いと蹲っている余裕がないからなのか、異様に腫れた左手が使いづらい事を除けば、支度は思っていたより早く済んだ。
 仲里達がそろって佐野の方に付き添っているのも幸いした。自分をつかまえようとする記者や大会関係者を何人か振り切ると、透也は乱暴に鞄を肩にかけて廊下に出た。

「よぉ。おめでとさん」

 暗い目が、そこで待っていた。透也は微笑み返すと「ありがとうございます」と慇懃に頭を下げた。峰井の表情に渋みが見て取れる。加来賀に頼んだ事が、ちゃんと実行されたのだとわかった。一時しのぎでしかないが、少なくとも数カ月は歩美もサークルも無事を確保されるだろう。

「失礼します」

 傍を通り過ぎようとした時、峰井がため息を零すように呟いた。

「お前も、俺にそっくりだ。孤独にしか生きられねぇんだな」

 孤独……か。
 廊下にひしめく人の影の向こうから、自分を探す声がする。歩美のものか、母親のものか、仲間のものか、わからない。でも、彼らに続く道はもう、自分には用意されていない。自分が進める道は……。

「そうですね」

 透也はにっこりどこまでも優しく微笑み、柔らかい物腰で答えると、再度峰井に会釈して、その場を去った。

 会場の外に出る。裏門に急ぐと、一台の車が待っていた。
 透也が駆け寄ると、窓が降りそこから顔がのぞく。

「乗って」

 多恵だった。多恵は透也を咎めるような顔をしながらも、黙って彼をかくまうように車に乗せ、すぐに出した。
 なめらかにそれは道の上を滑り、未練すら感じさせないスピードでその場から透也を切り離す。

「全く……無茶な子ね」

「ありがとうございました。無茶な申し出を受けてくださって」

「そういう意味じゃないわよ」

 多恵はあきれたようにため息をつくと、ハンドルを握ったまま、ちらりと透也の腫れあがった拳を見つめた。

「まだちゃんと調べないとわからないけど、この賭博、主体は峰井じゃなくてヤクザらしいの。大物のよ。で、そいつのパイプで政治家や警察にまでその触手は伸びている。まだはっきりした証拠はないけど、ほぼ間違いないわ」

「さすが優秀な記者さんですね」

「からかわないで。本当なら、私みたいな一スポーツ記者や、アナタのような大学生じゃとてもどうにかできない規模なのよ。ただ、今回は……」

「時期が、良かったでしょ?」

「そうね、アナタが私に仕掛けさせたビデオカメラ、あれは近々行われる衆院選に出馬予定の嘉山には痛い一撃になりうるものね」

 透也は多恵の言葉に、何もかもが上手く行った事に確証を持ち、満足して体の力を抜いた。シートに背を沈めると、とたんに体中の力が吸い取られるように抜けて行く。

 峰井に呼びだされ時、透也は以前、大学に取材に来た多恵がボイスレコーダーを持っていた事を思い出したのだ。ついで、峰井が口を滑らせた一言、峰井が次期代議士になる、といったその言葉も覚えていた。

 だから、透也はある一つの思いつきに賭け、峰井の退室後、多恵に電話したのだった。

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