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謎の「金髪の天使」に照会8千件 ロマへの偏見強まる懸念 木村 正人 | 在英国際ジャーナリスト
2013年10月21日 ダンスを踊る少女
ギリシャ中部ファルサラの少数民族ロマ居住キャンプで16日に保護された金髪の少女に、米国、スウェーデン、フランス、カナダ、ポーランドなど世界中から8000件を超える問い合わせが殺到している。 少女はマリアちゃんと名付けられており、身長1メートル、体重17キロ、肌は白く、ブロンドの長髪、瞳の色はブルー。2009年生まれの4歳とみられている。
地元メディアは事件について「謎の金髪の天使」と書き立てている。
マリアちゃんと一緒に暮らしていたロマ夫婦は、Hristos Salis容疑者(39)と妻のEleftheria Dimopoulou容疑者(40)。DNA鑑定の結果、血のつながりがないことがわかり、未成年者略取・誘拐容疑で2人は逮捕された。
夫婦の自宅からはピストルと頭から肩の一部まですっぽり入る軍隊用のバラクラヴァ帽などが押収された。
夫婦の親族が地元メディアに提供したビデオなどによると、マリアちゃんは夫婦と一緒に野外の会場でダンスを踊らされていた。
マリアちゃんのベッドにはクマのぬいぐるみが並べられ、床のじゅうたんの上にはお絵かき用のマーカーや描きかけのスケッチブックがそのまま残されていた。
月110万円超の社会保障費
地元警察が16日、麻薬密売容疑でロマ居住キャンプを捜索したところ、夫婦とは外見がまったく異なるマリアちゃんを発見、保護した。 英大衆紙デーリー・メールによると、妻は10カ月の間に6人の子供を出産したと届けるなど、夫婦は14人の子供がいると偽って、月に7000ポンド以上(約110万9千円)の社会保障費を受給していた。
妻は2つの身分証明書と名前を使い分けていた。マリアちゃんは幼いころ、ブロンドの髪を茶色に染められていたという。
夫婦は警察の調べに対して「スーパーの外に置き去りにされていた」「ブルガリア人の母親から引き取った」と供述を二転三転させており、21日に法廷に出廷、マリアちゃんを養育するようになった経緯について釈明する。
弁護士は「ロマの夫婦と4歳の少女の間には愛情以外には存在していない」と主張している。
また、夫婦の親族は「マリアちゃんはダンスが好きで、無理矢理に踊らせていたわけではない」「2人はマリアちゃんの面倒をきちんと見ていた」と反論している。
ロマの乳児売買組織
児童支援の慈善団体ザ・スマイル・オブ・ザ・チャイルドの責任者はデーリー・メール紙に「少女が私たちのところに来たときはおびえて一言も口を聞かなかったが、今は他の子供たちと遊んでいる」「少女は悪い環境に置かれていた」と指摘。 その上で「少女は誘拐された疑いが濃厚だ。スカンジナビア半島の出身だろう」「オカネのために踊らされていたと確信している」と話した。
この責任者によると、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャから英国に乳児を売り渡すロマの組織があることがよく知られているという。
ロマとは
かつて「ジプシー」と呼ばれたロマは欧州全体で1千万〜1500万人いるといわれる。10世紀ごろインド北西部から西方に移動し、トルコなどを経て14世紀ごろ欧州に流入した。 言語、文化、生活習慣の違いから迫害され、ナチス・ドイツにより少なくとも20万人が虐殺されたとされる。
東欧の共産体制下では強制的な同化や人口調整のため不妊手術が行われた。冷戦終結後も差別は残っている。今回の「金髪の天使」誘拐事件がロマに対する偏見と差別を増幅させる恐れがある。
ギリシャでは債務危機をきっかけに社会保障費が大幅に削減されており、月に110万円超の社会保障費を不正受給していたロマ夫婦への批判が強まるのは必至だ。
ギリシャの経済規模は縮小し、社会不安が増幅。排外主義をあおる極右政党「黄金の夜明け」が台頭し、移民排斥に反対するヒップホップ・アーティストが「黄金の夜明け」の崇拝者に殺害された。
昨年の大晦日には、ハンガリーのペシュト県で、17歳のロマ系ハンガリー人が口論になった若者2人をナイフで殺傷する事件が起きた。
ハンガリーの民主化を進めた民主化組織「フィデス(青年民主連盟)」の創設メンバーの1人は全国紙へ投稿し、「ツィガーニ(ロマのこと)の大半は私たちの社会と共存するのにふさわしくない。彼らは動物だ。動物のようにふるまっている。こうした動物の存在を許してはならない」とロマ排斥を公然と訴えた。
ルーマニアのロマ人口は2002年国勢調査で53万5千人とされたが、欧州委員会は180万〜250万人と推定する。ロマの多くが差別を避けるためロマであることを隠して生きていかなければならないのだ。
40万人超のロマが暮らすフランスでは10年7月、中北部サン・テニャンでロマの若者が警官に射殺された事件をきっかけに暴動が発生した。
当時のサルコジ政権は違法キャンプの撤去と送還を強化した。フランスだけでなく、イタリアやデンマークもロマの違法キャンプを撤去したり送還したりしていた。
これに対して、ロマの社会参加を促す欧州連合(EU)の支援策は十分とはいえないのが実情だ。
ロマであることを公表しているハンガリー選出のヤロカ欧州議会議員は「ロマの問題は政治に翻弄されてきた。失業、教育など共通した社会問題として取り組むべきだ」と強調している。
マリアちゃんの本当の家族はどこにいるのだろうか。一刻も早くマリアちゃんが家族のもとに戻れることを祈っている。
今回の事件が刑事・司法手続きにのっとって適正に処理されなければならないのはもちろんだ。しかし、社会全体が安易にロマ排斥や排外主義に走らないよう、「人権」を旗印に掲げるEUにはロマを取り巻く問題に本腰を入れて取り組む政治的リーダーシップを望みたい。
ロマ族の集落で白人の少女を保護、誘拐の可能性も ギリシャ CNN.co.jp 10月20日(日)13時14分配信 (CNN) ギリシャ警察は20日までに、中部ラリッサ近郊にある少数民族ロマ族の集落で身元の分からない白人の少女(4)を保護したと明らかにした。誘拐事件や人身売買に巻き込まれた可能性もあるとして情報提供を呼び掛けている。 地元メディアよると、少女の両親を名乗ったロマ族の男(39)と女(40)は、未成年者の拉致や文書偽造の疑いで逮捕された。
警察はロマ族住民による不法行為の捜査でこの集落を訪れた際、捜索先の民家で金髪に白い肌、青い目の少女を発見。両親を名乗る男女と外見がまったく違うことから、この2人に事情を聴いた。
男女の供述が二転三転したためDNA検査を実施したところ、血のつながりはないことが判明したという。警察が発見した文書の中には、アテネ当局が2009年に発行した出生証明書が含まれていた。
少女はただちに保護され、児童支援の慈善団体に預けられた。ギリシャ政府は少女への支援を表明した。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、欧州には約600万人のロマ族が住んでいる。同団体はロマ族が不当な差別を受けているとして、ギリシャ政府などに是正を求めている。
盗まれました。なんかスッキリしない!!!
その一因は、荷物盗難に気付いたギリシャの空港でのスタッフ対応にある。 貧困ギリシャ、覆う寒波 緊縮計画 中流家庭に波及、路上犯罪も多発
2012.12.19 05:00 http://www.sankeibiz.jp/macro/news/121219/mcb1212190503010-n1.htm 欧州の重債務国ギリシャの国民生活が、厳しい緊縮計画の下で崩壊しようとしている。危機は何千もの中間層の家庭にも及び、給与を3分の1減らされた教師が電気を盗み、落ち着いた住宅街に住む家族が路上犯罪を恐れて外出できなくなるなど状況は悪化する一方だ。
◆「母の年金が頼り」
元モデル、アナスタシア・カラガイタナキさん(57)は、アテネに次ぐギリシャ第2の都市テッサロニキでカフェを営んでいたが、金融危機の影響で廃業した。現在は母親のアパートメントに住み、台所にある冷蔵庫の脇の長椅子で寝起きしている。寝室が1部屋のこのアパートメントには他にも兄弟1人が同居している。食料と糖尿病用のインスリンは慈善事業に頼っている。カラガイタナキさんは「人生が自分の手からすべり落ちてしまったように感じる。死んだも同然の気分だ」と話す。
カラガイタナキさんの一家はこの冬を越すための暖房用のガス代を払う余裕もなく、電気毛布で乗り切るしかない。頼みの綱は母親が受け取る父親の遺族年金785ユーロ(約8万6800円)だ。2年前、彼女は2人の息子に譲った宝石を3000ユーロで売った。血圧も上がり気味だ。医者には肉や野菜を食べるよう言われているが、買うことができず、ギリシャ正教の教会でもらうコメや豆ばかり食べている。「毎月母の年金支給日を待っている。母が死んだらどうすればよいのか。ここでは誰もが両親の年金に頼っている」と話す。
ギリシャ欧州外交政策財団(アテネ)のリサーチフェローのヨルゴス・ツォゴポロス氏によると、ギリシャが財政赤字を削減し、欧州連合(EU)などからつなぎ融資を受け取っても、緊縮財政政策の影響で中間所得者層の状況は来年さらに悪化する可能性が高い。「状況が良くなると信じているギリシャ人は一人もいない。国民が使えるお金がないのだ」と述べる。 テッサロニキでは、ギリシャ衰退の兆候があちこちに表れている。洗練されたショップが多かった地区でも閉店が相次いでいる。イブ・サンローランの店の近くでは男性がごみ箱をあさって金属を集め、よちよち歩きの娘を乗せたショッピングカートに積み上げている。
住宅地も様変わりしている。落ち着いた住宅街だったコルデリオ地区の公園には失業者やドラッグの常習者がたむろし、もはや子供連れが近づける場所ではない。貴金属を狙ったひったくりも増えている。
◆減給され電気盗む
過去4年、ギリシャ経済はすべての四半期で縮小が続き、国民の4人に1人が失業状態だ。緊縮財政政策の一環で公務員の給与や福利厚生は削減され、公共サービスは縮小し、税率は引き上げられた。11月8日に歳出削減案が可決したことで、退職年齢が引き上げられ、賃金や年金額が引き下げられた。
欧州委員会によると、ギリシャは2年以内にユーロ加盟17カ国の最貧国になる見通しだ。
欧州諸国といえば手厚い社会福祉サービスで知られているが、失業中のギリシャ人の大半には当てはまらない。アテネ経済大学のマノス・マツァガニス助教によると、失業者120万人のうち失業手当の支給を受けられるのはわずか17%。実質的な貧困率は2009年の約20%から36%に上昇した。国民の約8.5%が極度の貧困状態にあり、基本的な物資やサービスに支払う金さえないという。 ロンドン・ビジネス・スクールのエリアス・パパイオアンヌ准教授によると、中流家庭の市民らは公務員の給与削減や民間企業のリストラ、そして増税の矛先が自分たちに向かっていると感じている。同氏は「人々は非常に苦しんでいる。私に言わせれば国の崩壊だ」と述べる。
教師のアフロディティ・ジャナキスさんは、月額1200ユーロだった給与が800ユーロに減らされた。電気料金には年額420ユーロの資産税が加算され、その支払いを拒否したところ電気が止められてしまった。そこで近所の友人や電気技師の力を借り、送電線に違法に再接続して電力を得ているという。彼女は「これは戦争だ。国はわれわれの敵であり、われわれは自分の身と権利を守るために力の限り抵抗している。事態は徐々に悪化している」と話した。(ブルームバーグ Oliver Staley)
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