おいかけっこ 見当たらない月を捜しては、赤い星に笑われた。 私は負けじと辺りを見回すものの笑い声以外何も聞こえなかった。 何も見付ける事は出来なかった。 私は静かにベンチに身体を預けた。 皮肉にもココは貴方とかつて来たあの公園。 夜も更けた公園内、外灯の小さな光り以外目立った明かりはなく、昼間とは違う顔で私を迎え入れてくれた。 溜息以外発する事が出来ず、結局私は家へ帰る事にした。 倒れた自転車を起こし、乗る気力のない私はゆっくりと自転車を押し出した。 『ココで泣かなかったら、貴女はいつ泣くつもりでいるの?』 ふと浮かぶある人の言葉が私の背中をポンと押す。 言っても何も変わらないと判っていながら私は意地を張ってしまった。 貴方に言えなかった本音たちをどうするかを考えていると、泪の雫が地を潤していった。 家に着くまでの道のりで、最後に渡るこの橋。 私はもう1度夜の空を見上げた。 さっきは見えなかった黄金色の丸い月が、赤い星の隣に寄り添うようにいた。 もし戻れるなら―叶わぬ願いと判っていながらも・・・可能性が残っているなら届けたい。 私の想い、本音たちを…。 例え未練がましいと言われても構わない。 ただ貴方に伝えたいだけなんだから。 私は後先考えず携帯電話の電源を入れた。 アドレス帳から貴方の名前を見つけ、ボタンを押した。 カタチのある答えなんてもう望まない。 あるがままの気持ちを届ければ―後悔なんてしないもの。 月と赤い星が見守る中、私は貴方に伝えたよ。 『ダイスキ』の台詞…。 【痕】
コレを書いた時期は…金星が見える時だったと思います。 そのときふと浮かんだネタがこの作品です。 |
恋愛小説集〜innocent
[ リスト ]



きれいな写真ですね・・・^^
傑作ポチ♪
2008/8/7(木) 午後 7:11 [ 喜多村 光 ]