【初雪〜666HITよんなな様】 今年最初の天使が舞う ヒラヒラと ハラハラと さて誰に染まるのだろうか? 光に溶け込んだ天使 伝わらない想い 胸に 何処をさ迷う? 全て委ねてよ…ココへ 今宵は月も休みの日 空の上で星と雑談してるよ だから君も羽根を休めたらイイよ ココは誰にも侵せない 純白の世界だから 【あとがき?です】
まず、よんなな様。 キリ番踏んで頂き有難う御座います(笑) テーマは『雪』ということで、このような詩に仕上りました。 要約は…どうでしょう?もう個々の想像力で物語を作って下さい(笑) |
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Distance 嵐のような報せ 脳裏に浮かぶのは君 二文字と共に ナイフと共に 私の心へ舞い降りた ゆっくり向っていったんだよ?覚悟の欠片なんてナイ、ただ知りたかっただけ。 いつか完成するパズルのカタチ、刻んだ夢を。 君の中に押し込まれてる本音訊きたくて… トキだけが流れた。 終止符は君が打ち、私は白い筆で一面塗り潰した。 やっと完成したパズルにはあの文字が… 蒼い月が昇ればまだ未完成のままにならないかな? 現実逃避の末路を 破滅の意味を知ってる? 自分自身の存在消して、記憶を白紙に戻す事だよ。 辛い辛い辛い…近況報告に書き綴られる言葉たち、 胸に残った想いの傷痕…静かに疼く。 【痕】 当時、大掃除をしていたらこんな作品を発掘しました。 勿論フィクションですが。 果してShort×shortなのかしら?? 『距離』というタイトル、どんな事を連想しますか?
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おいかけっこ 見当たらない月を捜しては、赤い星に笑われた。 私は負けじと辺りを見回すものの笑い声以外何も聞こえなかった。 何も見付ける事は出来なかった。 私は静かにベンチに身体を預けた。 皮肉にもココは貴方とかつて来たあの公園。 夜も更けた公園内、外灯の小さな光り以外目立った明かりはなく、昼間とは違う顔で私を迎え入れてくれた。 溜息以外発する事が出来ず、結局私は家へ帰る事にした。 倒れた自転車を起こし、乗る気力のない私はゆっくりと自転車を押し出した。 『ココで泣かなかったら、貴女はいつ泣くつもりでいるの?』 ふと浮かぶある人の言葉が私の背中をポンと押す。 言っても何も変わらないと判っていながら私は意地を張ってしまった。 貴方に言えなかった本音たちをどうするかを考えていると、泪の雫が地を潤していった。 家に着くまでの道のりで、最後に渡るこの橋。 私はもう1度夜の空を見上げた。 さっきは見えなかった黄金色の丸い月が、赤い星の隣に寄り添うようにいた。 もし戻れるなら―叶わぬ願いと判っていながらも・・・可能性が残っているなら届けたい。 私の想い、本音たちを…。 例え未練がましいと言われても構わない。 ただ貴方に伝えたいだけなんだから。 私は後先考えず携帯電話の電源を入れた。 アドレス帳から貴方の名前を見つけ、ボタンを押した。 カタチのある答えなんてもう望まない。 あるがままの気持ちを届ければ―後悔なんてしないもの。 月と赤い星が見守る中、私は貴方に伝えたよ。 『ダイスキ』の台詞…。 【痕】
コレを書いた時期は…金星が見える時だったと思います。 そのときふと浮かんだネタがこの作品です。 |
Innocent World いつだって君の傍にいて、いつも笑っていたい。 ずっとずっと手を握り合って・・ なんてもう、全ては夢物語なのかい? あれは夏休みの中で、一番暑い日だったと思う。 短い間彼女だった君と『友人』として逢った最初の日のことだった。 病室を訪ねると、これから散歩の時間だということで・・俺たちは、病院内を歩くことになった。 だけど、君の足腰は弱っていて、だから俺は率先して車椅子を引くということで漸く外出することになった。 そして君の案内で辿り着いたのは、向日葵が満開に近い・・そんな中庭の花壇だった。 「今の私たちの生きてる時代って、まるで『innocent world』よね」 公園によくある長い木製のベンチに、二人並んで座り君は空を見上げながら・・ポロっとそんな台詞を口にした。 「ん?『innocent world』って和訳すると・・『無邪気な世界』か?実際どうなんだろな〜・・」 誰に言った問いかけでもなく、俺は座ったままストレッチをして、クゥ〜ッ、と身体をベンチの背もたれ 部分に預けた。 頭上に広がるのは雲一つ無い夏晴れな空、風も・・そう強くは吹いておらず暑さを凌ぐには十分だった。 「ん〜・・どうなんだろ?」 ちょっと長めに沈黙を破った一言は、いつもの君らしさで溢れていた。 俺はそんな君の姿にチョット安心して、身体を元の体勢に戻し、君の横顔を見つめた。 「でもね、今私たちは17歳でしょ?・・あっ私はまだだけど・・そう考えるとね、今が一番楽しいんだよ?ってよく言われるんだ。そうすると・・とちょっと考えちゃうの」 そうしてはにかんだ笑みで俺を見ると、君はまた俯いてしまった。 その一言が彼女にとって何を意味するのか、俺はすぐ悟ることが出来た。 だが、今俺には彼女に何が出来るだろう・・そう考えてしまうと、考えないようにしていた事までが、頭を巡り始めてしまった。 おかげで・・俺は何時の間にか膝においてたてが拳をつくり、そこに力が入っていた。 「・・・・・・・・」 続く言葉が見付からず、俺はただ黙ってるしかなかった。 だが・・こんな状況では、少しも彼女が救われる訳でもなく一生懸命、次の言葉を捜した。 「じゃあさ、その色々考えてる中に俺って・・・・・いる?」 ホントはもっと気の利いた言葉を告げたかったが・・その言葉は余計彼女を困らせてしまったらしい。 今度はさっきより気まずい空気が流れていた。 「なぁ!!そろそろ戻らないとっ!・・ほら風もだいぶ冷たくなってきたし・・戻ろうか」 「あ、そうだね」 苦し紛れの逃げ道、俺と来たら・・これだから、爪が甘いと言われるんだ! そう自分を心の中で叱りながら、でも君は素直に俺の提案を受け入れてくれたから・・ 俺はこれ以上、手に汗を握ることはないと安心したのに・・ 「でも、もうちょっとココにいたかったね」 なんて言うから、俺も思わず「じゃあ・・・あと3分だけココに居る?」なんて言ってしまった。 君は凄く意外そうな顔で俺を見たが、すぐに満面の笑みで、ウンと頷いてくれた。 「はぁ〜でも良かった。今日がこんなに晴れてくれて!!」 彼女の今日一番の元気な声、それは一方で・・俺に影を落として・・訴えているようでもあった。 「だって、これが最期の外出許可だった・・かもしれないんだもん。ゴメンネ、急に呼び出しちゃったり して」 俺はそんな恐縮しきった君を見るのが辛くて辛くて・・目を閉じ、かぶりを振った。 「俺ってさ・・そんな役に立つようなヤツじゃないから、せめてこういう時はな・・」 男らしいところを見せたかったし、一緒に居たかったのが本音だ・・だから、呼んでくれてこっちが嬉しかった。 だが、こんなコトを言ってしまえば・・もう友達関係すら、壊れてしまいそうで・・俺はグッと自分を閉じ込めた。 「もう、そろそろ行かないとヤバイな・・戻ろう」 俺は彼女の車椅子を押して、ベンチを後にした。 そうして、来た時とは違った道を通り、白い棟のある建物の方から病棟へと向った。 君と歩く時の癖がまた再発したのか、俺の歩くスピードはゆっくりになっていた。 たとえ・・君がこうして車椅子に乗っていても、明らかに俺の歩くスピードはスローになっていた。 「あのね・・」 不意に開いた君の口。僕は軽く相槌を打ち・・君の言葉に耳を傾けるため、歩みを止める。 「ホント私の勝手なワガママで来てくれたり、一緒に居てくれて・・こんな私に…短い間付き合ってくれて・・今更だけど本当に有難う御座いました」 そういって振り向きながら頭を下げる君、もう最後の方はもう涙声だったが・・それはまるで最期の別れ の台詞のようでもあった。 俺は何も言わず、後ろから君を抱き寄せた。 もう・・君の涙は見たくなかった。 あの別れを告げた日ですら見せなかった君の涙。 どうして・・今に限って、そんな顔をするんだ・・? 「なぁ、そんな事言うなよな・・生きろよ、明日を見ようぜ?俺はまだ―」 その先は今言うべき台詞ではないと咄嗟に判断した。 何故なら、君が声を殺しながら俺のTシャツを濡らしていくのを感じていたから、だから俺はそんな君の存在をこの腕の中で・・シッカリ抱きしめた。 今の自分に出来る精一杯の想いを込めて・・。 幸い君が泣いた場所は、棟と棟の間で傍から見ると死角の位置だった為、周りを気にする心配はなかった。 それから暫くして君は顔を埋めたまま口を開いた。 「だって・・本当は早く忘れて欲しかった。アナタから告白された時だって、断ろう断ろうって、ずっと 考えたの。でも・・自分の気持ちに嘘はつきたくなかった・・」 彼女のコトバが・・・・・・・・・・俺のココロに浸透する・・。 「それが返って、アナタに甘える結果になって・・苦しめちゃったんだけど。そうして貴方の負担になっ ていったわ、重荷に・・・・だから!!」その先は言わなくても判っていたから、俺はもう一度力強く君を抱き寄せた。 初めて訊かされた君の本音、友達に戻るときでさえ教えてくれなかった君のうちに秘められた真実。 俺は正直驚いたが、ひとつだけ大きな誤解があった。同時に『それくらいどだっていうんだ?』とも感じていた。 「え・・、重荷だって?そんな荷物があるなら、半分ずつに分ければイイことじゃん。君が半分で、俺も半分・・まぁ俺の重荷なんて勉強以外ないに等しいかな。俺は少しでも君の力になりたいんだ」 ・・・・共に、闘おう・・・・ そういうと、君はまた申し訳なさそうに首を前後に振ってくれた。 俺はホッとして、君の柔らかい髪を優しく撫でた。 「そんな顔するなって、あのなぁ〜・・深く考え過ぎだって。俺はこの通り、見た目も中身も単細胞なん だからさ!!!」 そういうと君はこの日初めて、何の陰りも無い笑顔を見せてくれた気がした。 ―あの日から今日で2週間近くが経った。 丁度あの日を境に、だいぶ気温も秋へと歩み始め、流石の体力馬鹿な俺も今日は長袖のYシャツなくらい だ。 そして俺は、今日も学校帰りに君のいる病室へと向った。 秋の訪れを感じさせてくれる、白いカーテンのなびく部屋に居るあの部屋へ・・。 「おぅっ・・・・元気か?相変わらず、クラスのみんなも心配してたぞ?」 「ホントに〜?マナとかアイが叫んでる姿が目に浮かぶなぁ〜」 クスクスッと君はゆっくり身体を起こし、俺を迎えてくれた。 「でも、もう少しで退院だな・・んで、これが今日の授業のノート」 俺はカレンダーに付けられた赤い丸を横目にしながらハイ、と俺がノートを渡すと「いつも有難う」と君は笑う。 「それと、こっちが―」 俺はワザとらしく、もったいぶりながら・・学校鞄のリュックから大きな包みを取り出した。 「 H a p p y b i r t h d a y !!」 昨日の帰り際に駅前で買った、クマのぬいぐるみを彼女へ渡す。 「手術の成功祝いも・・兼ねてな」 ホントは買う時とか凄く恥しくて、何分も店内をうろついてしまった!!とは言えなかったが、ただただ 俺は頬を掻くだけだった。 まぁ〜あと2、3日で退院だというから・・その時はどこか出掛けよう、と密かに計画中なんだが・・。 「アレ・・?その様子だと自分の誕生日も忘れてたりした??」 「えっ・・・・・?あっ、違うよ・・今日が私の誕生日だって、知ってたの?」 そっちを突かれたかと思い、あぁ。とだけ軽い返事をした。 本当は・・昨日さっきも名前が出たマナに言われて知った、とは言えなかった。 (どうやら、俺が未練タラタラでいたことも・・気付いてたらしいし) そして俺は、ゆっくり君のいるベッドに座るのを見届けた。 これだけでも相当俺は勇気の居る行動だと思うのだが・・。 「それとさ・・ホント今更だけど俺たち、やり直さない?」 更に意外な発言に君は戸惑いを隠しきれなかった様子。 私なんか・・と終いに言い出したので、俺は咄嗟に手で君の口を塞いだ。 「・・ったくまだ言う?それは言わない約束だろ?」 そしてお仕置きだと言わんばかりに、今度は口唇を重ねた。 君は、何の拒否反応も示さなかった。 なので、俺を受け入れてくれたという・・また同じスタートラインに立った喜びも込めて・・言葉の要ら ない時間が流れた。 彼女の病室を後にして、再び外に出ると昼間の気温とはうって変わって、思わず身震いしてしまうほどの寒さだった。 闇に包まれた空を見上げると星たちが まるで俺らを祝福してくれる様に散々と眩いていた。 【痕】
暇つぶしSTORY完結。(をぃ;; 当時、授業2時間かけて完成に至ったと思います。ただコレは改良☆改訂版。しかも5回目(笑) 当時考えていた様々な疑問を彼らに課せてみた。 んで名前が無いのは…まぁ気まぐれ(苦笑) 勿論Innocent Worldはミスチルから拝借!!グフフw このBlogNAMEもミスチルですw |
In the rain 君は誰のために、泪を流しているのですか? 僕は泣き方を忘れた半端者なので、もう泣く権利など・・ないと思っています。 だからでしょう、君が泣いていると・・何だか切ないんです。 だけど・・何故か、目を逸らすことが出来ません。 空は紅く染まり始め、今日も闇に全てが委ねられようとしている。 其れが、この世界で行われている今日から明日へバトンタッチする瞬間の入り口の儀式であった。 そうした変わりゆく姿を、僕は独り眺め・・それをバックに橋の中央で行き交う人の流れを見ていた。 ココは『歩行者専用』の古びた橋。 手すりの塗装は、もう引退を感じさせるまでに剥がれ落ちている有り様だ。 下の川は小さな小さな流れが続いていて、だけどこの場所が上流に近い為だろう、流れ方は少々荒々しくもある。 そんな普段の川の流れとは打って変わり、ただここ数日は・・何故だか不思議なくらい穏やかな流れである。 そしてこの川から、徐々に目線を上げていくと川の両サイドにある土手沿いに、団地が建っているのが見える。 この団地は、今僕が立っているこの橋と同じ位に古く、また外壁にはツタが生えている・・何処か懐かしさを感じる外観だった。 そんな都会では見る事が出来ない風景の場所に、今僕は居る。 この背中にある半端な羽根は、歩行者が通る側とは反対の方向に悠々と広げて、日々の生活の断片をこの橋から見ている。 どうしてこんな所にいるのか、自分は何をしたいのか・・其れはよく分からない。 だけど、こうして見ている分には別に誰かとぶつかる訳でも、そう迷惑がられる訳でもない。 だって、僕の姿は・・誰も目にすることはナイからだ。 それほど・・この世界では、僕は存在してはいけない半端者だった。 ・・イヤに自分がちっぽけに思えてきて、僕は再び明日を迎える準備をする空を見上げる。 中央から少し端へ移動して手すりの上に座る。 ココが僕の特等席で・・こうしていれば、ほら・・タイミング良く今日も君が来た。 小さな藍色のスクールバックを自転車の前籠に入れて、少し角度のあるこの橋を一生懸命自転車で登ってきた。 僕のいる所に着く頃は、君は息を切らせて橋の中央部までやっと来る。 これも、ここ数日君が毎日ココを通るから・・分かった行動だ。 蒼い空を見上げながら深呼吸をして呼吸を整える。 そうして今日も・・深い深い溜息を漏らした。毎日この姿も見てはいるが、何度見てもその姿は痛々しかった。 それは、単に第三者の視点であるのに・・妙に心が過剰反応する。 今にも泣きそうで、何か訴えるような目で遠くを見つめる。どうして君がそんな顔をするのか判らない。 だけど気になって仕方ないんだ・・見知らぬ彼女に対して・・。 いつもなら、このまま自転車で橋を渡るのに、今日の君は違った。 暫く遠くを見つめた後で、君は自転車から降りるなり僕とは逆方向の手すりにもたれかかった。 僕は内心ホッとした。それもどうしてかは判らない。 他人から見れば透明人間な僕の姿。 何も恐れることは無い、僕は誰の目にも映らないのに・・ 君を見ていると、とにかく僕の中には『?』マークが幾つも並んでしまう。 君 は・・・・誰 な ん だ い ? 何 故・・泣 い て い る ん だ ? こんな半端者な僕には・・羨ましいくらいだよ・・君は、誰かを想ってるんだろ・・? いつの間にか空の蒼さは薄れ、夕焼けと夜の闇のグラデーションが広がっていた。 そんな空の変化を、君も少しリラックスした表情で見ていた。 そしてまた、溜息を漏らし、同時にその瞳には泪が・・・・うっすら浮かんでいた。 僕にはこんな時でさえ、かけてあげる言葉も、行動も・・何一つ見付からないまま、結局は見守るという 手段を選ばざるを得なかった。 手が届きそうで届かない・・君の頬をそっと拭うことも、相談に乗ってやることも・・ ただこうして見守るという行為が、僕の心を一層見えない鎖が縛り上げていった。 でも届かない声、見えない姿・・妥協するにも出来る点がない。 何 と い う 悪 循 環 な ん だ ! ! だが自己嫌悪に陥るも、彼女に対してどうしてココまで考えるのか・・ 僕は全く理解できぬまま、この日の彼女と別れた。 夜がすっかり空を染め上げ、共に従者たちが煌いていた。 君は再び自転車に乗り、住宅街の方向へ走っていった。 そして、君の去ったあと、僕の胸の鼓動は急に高鳴りだし、心の叫びが頭の中で言葉となり現れる。 『 君 ハ 僕 ノ 失 ッ タ 記 憶 ヲ 取 リ 戻 ス 為 ノ 鍵 デ ハ ナ イ ノ カ ? 』 僕の脳裏には・・まだ見た事のない、君の笑顔がフッと浮かんだ。 あれから数日が経ち、君は繰り返しこの橋で立ち止まり、足跡として溜息を置いていった。 僕が拾っても、何も見えないけど・・その溜息の中には・・一体、誰を想っているのだろう? 僕は自分の妄想ではあるが・・彼女が恋煩いをしているように見えてしかたなかった。 遠くを見る方向には、此処ら辺では大きな建物に分類するだろう、大学病院がある。 君はいつも・・ジッと其処を見つめている。其れが僕には・・何とも言い表せない感情に侵されてしま う。 僕は・・見知らぬ君を、もっと知りたいと・・いつしか思うようになっていた。 今日は生憎、蒼い空は望めず、灰色の雲によって大粒の雫が地を潤していた。 雲の流れを見ると・・通り雨の筈なのだが、容赦ない激しさで雨は大地に降り注いでいた。 そんな中、いつもより少し遅い時間に君は今日もやって来た。 此処が・・通学路なのだろう。だが、悪戯な雨は・・止む気配は全くなかった。 傘をさして歩いてきた君が橋を渡ろうとしていた、だけど・・何故か橋の中央部の手すりにいる僕の前で足を止める。 決して視線を外さず、確かに僕の顔を見て・・僕に向かって言葉を発した。 「身体薄いけど、アナタ・・イ・・イツ・・・・.キなの?」 傘を落した君は、僕に抱きついてきた。 無論、君は僕の身体をすり抜け、危うく川へ落ちそうになった。 そして僕はというと・・自分の名前が何なのか今更の様に考えてしまった。 だがそんな事を考える暇は無く、すぐ彼女は僕を見返して、ジッと観察している様にさえ思えた。 僕は戸惑った。どうしても彼女の視線から逃れる事は出来なかったからだ。 だがその戸惑いはすぐ不要になった。 彼女は尚も透ける僕の頬に手を添えてきた。 ・・何とも懐かしい、彼女の柔らかな笑み・・。 「やっと逢えた・・・・ね?五月・・」 このカンジ、僕は知っている。目の前の彼女の名前も・・・そう、彼女は・・ 「モ、モエ・・?」 彼女の名前を呼んだ瞬間・・僕の中にあった疑問が、バラバラだったパズルのピースが全て合わさったようになった。 そうしてゆっくりと、今度は僕から君に・・いや、モエに近付いていった。 今度はしっかりと・・この自分の腕でびしょ濡れになっているモエを抱きしめる事が出来た。 その瞬間から、僕の身体に変化が生じた。 この背中にあった忌々しい羽根が、ヒラヒラと下の川へと落ちていったのだ。 いつの間にか雨足は弱まっていて、薄陽が僕の背中についていた羽根を照らしている。 キラキラ光りながら・・この翼は最期の役目を終えたのだ。 抱きしめているモエの眼に浮かび流れた泪が、僕の手へと流れて来た時・・透明だった筈の僕の身体は段々実体化していった。 「おかえりなさい」 僕は少し紅潮した君の濡れた頬に触れながら、愛しい君を見つめた。 「ただいま、待たせてゴメンな・・」 そう告げてもう一度君を抱き寄せた。 もう・・二度と離さないから、記憶を無くしたことも・・これっきりだと僕は心の中で誓った。 【痕】
HPへ初のアップ作品として載せた、もの。 ちょっと恋愛系でいってみようと試みて・・当時、一部の方々は知ってる作品(笑) 五月とモエ…この先どうなったかは…ご想像にお任せします♪ ちょっと…恥かしいですが感想など宜しくお願いします。 |


