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どうか…この『夢のような時間』が続きますように… なんて、ホントは想ってたらイケナイことだよね。 逆に…こんな夢の中だから、また過去に遡ることが出来て…改めてアナタと喋れるのかな…。 なんて言ったら、絶対アナタは怒るよね。 季節はもう卒業式前を告げる梅の蕾が膨らみ、目立つ頃。 こんな風に…みんなで騒ごうとしてるのも…やっぱり何処か名残惜しく感じる。 今年の卒業式の主役がこんな溜息ばかりついてはいけない。 そうは思うも・・・何処か憂鬱に感じてしまう。 それは、クラスの誰もが心のうちで想っていたことだった。 ━最後に何か想い出を作りたい。━ そんなクラス全員の想いが、学級委員を動かし…結果、ドッヂボールをやることに決まった。 ━……… 「球技大会でクラス優勝をしたから…その分、想い出もヒトシオなんでしょ」 「そうだろうなぁ〜」 「ぅわっ、他人事?アナタ方がいなきゃ、優勝出来なかったこと知ってるくせに」 2学期に入ってスグ、私たちの高校では『球技大会』がある。 ドッヂボール、バスケ、卓球、バドミントン…あと球技ではないけど、剣道、柔道もある。 その中でもドッヂボールとバスケは…兎に角人気種目! その人気競技で私たちのクラスは『優勝』という、まさに有終の美を飾ったわけ。 それは…やっぱり、このわんぱくなケイたちがいたお陰だからなんだけど…。 「俺はみんなが頑張ってくれたから、だと思うけどな」 何処までも謙遜するケイ、私はこんな形だけど、またケイとこうして話しているのが…夢のようだった。 「まっ、私は特にケイのお陰だって思ってるからね!」 そんなに強調することではないかもしれない、ただ…こうして喋っているだけでも…信じられないから。 高校に入ってから、どうしてか…ケイは私と距離を置いてるような気がして…私もグループから少し離れていた。 でも、何かあればまた一緒になって遊ぶ、ということは変わらなかった。 だけど3年間、ケイとはずっと同じクラスだったのに、こんな2人で話すのも… ホントに久々。 「そういえば、なんでケイはココに来たの?」 私は、こうしてワザとみんなの輪から外れてフケて来たというのに、主役のケイまで…ココにいたりする。 「ん?別に、意味はナイ。ただ…」 「ただ?」 聞き返す私の顔を見て、ケイが初めてこの日笑った…。 「この学校に、こんな隠れ屋上があるなんて知らなかったからさ」 そうだ、ケイは私の後について来たんだっけ。 それにしても…ケイの笑顔って、こんなに…綺麗だったんだ…。 違う意味で呆気にとられていた私に、ケイの声。 「それなら逆に聞くけど、なんでココに来たんだ?」 うっ…そう言われても…ホントのことなんて、言える訳ないよ。 ━最後に、アナタを遠くから見たかった━ 「ちょっと、急に…想い出に浸りたくなったの。ヒトリになるにはココ絶好だし」 「なんだそれ〜変だよ」 笑われてもイイよ、だって…今、アナタに想いを伝えられる程…勇気はナイもん。 「なんだそれって、ケイに言われたくないよ!ワザワザついて来たくせにっ」 「まぁ〜まぁ〜。あっ、ココってグラウンドが見えるんだな」 ━ドキッ まさか…私がココに来た理由、バレてないよね? 結局ケイの追及はパタリと音を立てず其処で終わり、私たちはクラスメートたちの紅白戦を観ていた。 とても…数日後に卒業をしようとしてる年齢には見えない、そんなハシャギっぷりのみんなを…。 →後編へ続く★
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恋愛小説集〜innocent
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それは、いつもと変わらない光景だった。 いつものように部屋の電気を消して…ベッドに入った。 異変は…その瞬間に訪れてしまった。 そう…あの日と同じ…『夜』がいた…。 「…また、来たんだな」 人間はヒトリじゃ生きられないよ。 「うん。また、あたしが呼んだんだよね」 繰り返してしまう『後悔』から逃れるように。 「だからって…ココを指定するかぁ?」 それは、まるで…『傷』を理解する人を求めてるって意味なの? 「…いけない?」 これじゃ、まるで…アイツが…、そう考えるも、否定が出来ない。 「ん〜。いけなく…ない…かもな」 不確かな明日が壊れそうで、怖くて…気付いたら…アイツといたの。 ただ…それだけ。 『一緒に…』 「それにしても、よく家抜け出せたな、こんな時間に年頃の娘が…」 アイツにそう言われて、あたしは初めて…外が闇深い夜で、しかも午前一時を回っていることを知った。 「だって…みんな寝てるもん、あたしが抜け出して気付いても『コンビニ行ってるんだわ』くらいにしか…思ってないよ」 それが現状。 あたしの家、両親は、少し…ううん、カナリ変わってるから…。 きっと、お母さんだって…『コイツ』といることは、承知なんだと思う。 あたしには、聞いて来ないけど…。 「ふーん、そんで?珍しく夜の世界に来た感想は?」 『夜の世界』…そう言われても、あたしには『昼の世界』とは何ら変わりがない。 ただ『夜の世界』は、静寂に包まれて、きっと駅に行けば…喧騒ばかりがある。 あたしには…本来、無縁の世界なのかもしれない。 「やっぱり…どっちも変わらないよ。…アンタは?」 「はぁ…あのなぁ、いい加減さ、名前くらい呼べよな〜篠見 凜衣サン?」 「ハイハイ、飛鳥田 慶クンはどうですかぁ〜?」 飛鳥田は「それで宜しい」と言った。 「早く…春にならないかなぁ?」 「まだ、1月になったばっかりだろうが」 そう飛鳥田が言うのも、無理はない。 季節は真冬。 しかも日本海側は、連日大雪。 場所は違えど…、寒いモノは…やっぱり寒い。 「そういや、完全防備…してる割に、なんでそんな寒そうなんだ?」 「そんなの…冷え性だからよ」 思わぬ即答に、飛鳥田は「成程な」と言うなり、何処かへ行ってしまった。 ココは、あたしの家から程近い空地。 寒さ凌ぎをするには、あまりに何も無さ過ぎる場所。 「ホラよ、少しは違うだろ?」 この空地に来たのは、夏以来だった。 防寒設備が全くナイ場所とはいえ、あたしの格好は…侮りすぎた? ブーツで、コート着て、マフラーも手袋も…帽子まで被ってるのに…。 「ん〜寒いけど…星が綺麗だね…ココ」 夏に来たときも、それなりに星は見えたけど…やっぱり冬空の星は格別っ。 外灯も少ないから、尚更沢山の星が見える。 そんなことではしゃいでる自分に気が付きながらも…あたしはジィ━━━ッと空を見つめていた。 「現実逃避…だな」 「イイじゃない、あたし…こういうの好きだもん」 嫌なこと忘れて…って言葉がピッタリな時間。 寒さなどホットの缶とこの冬空が…忘れさせてくれた。 「んで?今日はどうしたんだ?」 いつもココへ来るのには、理由がある。 誰だって…心の脆さが、露になるときがあると思う。 あたしの場合、あの夜のように…過去がヤツが、あたしを連れ戻しに…来る。 その手から逃れるように、あたしは…ココに来てる。 だいたい…気付いたら、飛鳥田に連絡して、空地に来てもらってる。 『何かあったら、すぐ連絡しろよ!』 半ば強引に渡された…あの日、放課後の教室に木霊したのは…飛鳥田の怒鳴り声。 「もう…半年経つのにな…まるでストーカーじゃないか?それ」 ヤツの連絡先なんて、もう消した。 あたしはすぐ、アドレスもケータイの番号も…変えたから、連絡は出来ない筈。 「なのに、知らないアドレスからメールが届く、か」 やれやれ、と呆れたような飛鳥田。 あたしは力無く頷き、背筋が凍った。 …離サナイヨ?オマエハ…俺ノモノダ… 見たくもないメールの内容、重なるヤツの声が…気持ち悪い。 触られた頬、腕からも…鳥肌が立つ。 …拒絶反応…人間不信… あたしはあたし、誰のモノでも…ない!! 「もう…イヤ、何であたしを解放してくれないの?!」 「おい、篠見!!俺がココにいるだろ…落ち着けよ」 「ぁ…飛鳥田ぁ〜」 またいつものように…泣いてしまった…。 何処で押すか分からない地雷、踏んだとしても…飛鳥田がいてくれるから…安心。 「なぁ、俺じゃダメなのか?俺じゃ…篠見を救えないのか?」 あたしの頬を伝った泪が、飛鳥田の手に移る。 「飛鳥…田」 拒否反応はなく、寧ろ違う感情に苛まれていた…。 彼の初めて見た苦悩に満ちた顔は、あたしの心を…確かに動揺させていた…。 「好きなんだ、篠見が…」 その一言で…あたしの中に長く住み着いた闇が、スッと消えたように感じた…。 飛鳥田の言葉に、驚いたりしないし、不快にも…思わなかった。 だってあたしは…飛鳥田と一緒にいて、イチバン安心してることに…初めて気付いたから…。 ━それからどの位の時間が経ったのかな? 沈黙を破るように、飛鳥田はふいに立ち上がって「帰るか」なんて言い出だした。 「いつも…あたしが言わなきゃ帰らないのにね」 「今日は寒いんだよ、ったく…そんなんじゃ、風邪ひくぞっ!」 「ふわぁ〜い」 あたしは風邪ひく前に、睡魔に少し負けそうなくらい。 そう言うのも、何だか恥ずかしくて、素直に飛鳥田の自転車の後ろに乗った。 こうしていつも、飛鳥田はあたしを家まで送ってくれる。 「ねぇ…飛鳥田?」 そろ〜り、そろ〜り…まるで、先刻のことをまだ気にしてるかのような飛鳥田。 「んぁ?」 ホラ、返事だって何処が投げやり。 あたしの回答…聞かなくてイイのかな? 「あたし…の結論、言ってもイイ?」 「………あぁ」 たっぷり3秒の間を空けて、飛鳥田は自転車を止めた。 自転車から降りて、向かい合わせになる。 トクン…トクン…。 心地良い緊張が走り、飛鳥田の顔をやっと見れる状態になった。 「これが答え…」 そうしてあたしは、飛鳥田の胸に飛び込んだ…。 心の闇は…もういなくなっていた。 「大スキ」 【後書】
5日くらいかけて、作りました。 設定としては、高校生。 もうすぐ冬休みが終わるかなぁ〜?という時期。 二人の関係などは…御想像にお任せします! カナリ短いお話しです。 またホムペ更新するまで…コチラで公開したいと思いますw 暫くHP&BLOG共に更新は難しいのでぇ…; 詳しくは、お知らせで! |
Title:SNOW CHILDREN 「さてと…ふわあぁ…うぅぅっ…」 パソコンの画面を睨みつけながら奈緒は欠伸が出ると共に、彼女は身震いをした。 気が付けばストーブは『給油』の表示が出ており室内の温度は十五度だった。 奈緒の性格上、一つの事に対して真っ直ぐな考えしかもてないため周りのことなどお構いなしに行動してしまう。 そのためストーブの警告にも、 先刻母が温かいココアをわざわざ持って来てくれた事さえも、気付かなかったのである。 時刻は既に深夜の零時を回っていた。勿論外は暗い闇に包まれている。 (気分転換でもしようかな…) 階段を降りながらそんな事を思い、冷めたココアを手に台所にある電子レンジで温める。 自然と奈緒はまた独りの世界へと浸っていった…。 (そういえば…今日で5年経つのかぁ) 奈緒は作家を夢見て、日々応募原稿と睨めっこをしながら送る毎日。 大学在学中から作品は投稿したものの、なかなか成果は出ない。 今書いている作品も中盤で、煮詰まっている状態。 気分転換と言うよりは、気晴らしであろう。 はぁっ…と息を吐きつつ窓の外を眺めると、白い妖精達が奈緒に笑いかけながらまた何処かへ消えていった。 その繰り返される光景が奈緒には『となりのトトロ』に出てくる『マックロクロスケ』と何故か重なっていた。 チイン…レンジが呼んでいる…ココアが温まった様だ。 まだ半分自分の世界からにげだせていないためか、一向にその場から動こうとしない。 数分経ち、やっとココアをレンジから取り出す。 そして温められたココアを口へと運びながら、また自室へと繋がる階段を上る。 (ちょっと冷たいかな…) 仕方ないと思いつつもこれ以上の時間のロスは許されないとまた机へ向かう。 チッチッチッチッチッチッチッチッチッ― 秒針はまた刻んでいく…今という時を… どんなに自分が願っても時間は待ってくれない。 奈緒に言わせれば、自己中心的に時間は進むのだと思っている。 ―時刻は六時を少し回っただろうか。 夢心地の奈緒は何を思ったか、はっと目を覚ましさっと素早くカーテンを開けた。 眼下に広がる景色はいつもの見慣れた田畑や農家の人たちの働く姿ではなく、 まだ誰にも荒らされていない一面の雪景色であった。 (…今の心境を作品に盛り込めないかな…) 視線を原稿に向け再び奈緒はペンを取り原稿に心中を作品へ書き綴っていった。 しばらく原稿と睨み合った後、奈緒は外へ出た。 止んだ雪はまた再び降り出していた。 ひんやりとした空気が奈緒の頬をかすめていく… ふと見上げると冬の風物詩たちが朝日を浴び光り輝いている。 頬を伝っていく涙の温度など忘れて奈緒は白い布団の上に寝転がる。 やがて意識が遠のいていくのを感じていった。 あぁもう私に遣り残したことは無い…作品を書き上げた事に満足したのだろうか。 …雪が全てを白いベールで優しく包み込むように降ってゆく 後書 某ML様に高2のときに、投稿した作品です。 ハイ、初投稿☆処女作品でございます。 ちなみにコレはその改訂版です。 N山様に様々な指導をして頂き、改訂しました。 はい、思い出深い作品です!! というか…恋愛小説じゃないですね;;スミマセン。試験的なのでw
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