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遠くから聞こえる波の音と潮の香りに誘われて、僕は目を覚ました。
カーテンから漏れるミルク色の朝もやが、まだ薄暗い部屋の中をぼんやりと照らす。
隣からは規則正しい寝息が聞こえる。
僕の肩をくすぐる彼女のやわらかくて細い髪の毛。
僕は、彼女を起こさないように、そっと彼女の頭と枕の間から自分の腕を抜き取る。
その腕の痺れさえも、なんだか愛しい気がして、僕は1人そっと笑みを浮かべる。
僕はこっそりベッドからすり抜けてベランダに出る。
白み始めた東の空から、やわらかい光が目の下いっぱいに広がる海に注いでいる。
初めての二人だけの旅。
お互いの親についてきた嘘を思うと、少しだけ胸が痛くなる。
僕は君を傷つけたりしなかったかな?
君を好きな気持ちが大きくなりすぎて、つい君を乱暴に扱ってしまったんじゃないかと、それが気がかりなんだ。
「おはよ。」
そのとき、僕の後ろから声が聞こえた。
少し気恥ずかしそうに笑う、うつむき加減の彼女の姿が、カーテンの陰から半分だけのぞいている。
「何恥ずかしがってんの?もっと、こっち来なよ。」
僕はそう言って、彼女の手を引く。
「なんか…いいね。一緒にいるのって。」
「うん…。ずっとこうしてたいね。」
僕たちは、並んでベランダの手すりにもたれながら白々と明けていく空を見ていた。
「ねぇ、綾乃ちゃん。」
「ん?」
「ありがとう。」
「え?何が?」
「僕を好きになってくれて。」
何故、急にこんなことを言ったのか自分でもわからなかったけど、この言葉が今の僕の気持ちに一番ぴったりな気がした。
入学前から入部を決めていたバスケ部で初めて君を見たとき。
背が低い僕に、誰も期待していなかった中で、君だけが「絶対、レギュラーになれるよ」って言い続けてくれた。
そんな君に恋をして、その想いが叶って、今こうして二人一緒にいる。
もし、この世に「運命の赤い糸」があるのなら、その先が君につながっているといいな。
太陽が水平線から昇り始めた。
二人の新しい朝はこれから始まる。
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挿絵はウェブ友さんからいただいたものです。
ちょっと大人っぽい感じの寝起きの駿くん。
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ため息ものの爽やかさですね☆
あたしにも一度くらい、こんな朝がくればいいのに
とか思っちゃいましたw
2009/8/25(火) 午後 2:29 [ レイ☆ ]
さわやかですかね?(よかったー 笑)
実は、コレ最初は本家の小説トピに投稿しようと思ってたんですが、いや、あそこだと中学生とかもしかしたら小学生の目にも触れるかもしれないので、やっぱりやめておこう…と思ってたんです。
でも、レイさんがさわやかだと言ってくれたので調子に乗って本家にも投稿しちゃったよ〜。
クレーム来なきゃいいけど。(笑)
2009/8/25(火) 午後 3:15 [ 紫 ]
わ〜、バスケ君が大人っぽい( *^艸^)
自分の描いた絵にお話が付くの(あ、逆か!)初めてで新鮮です^^
2009/8/27(木) 午後 7:50 [ 87 ]
*87さん
別にこの絵を見てストーリーを思いついたわけじゃないんですけど、わたしが書こうと思っていた矢先に丁度この絵がアップされていて、なんかビビビと運命を感じてしまいました。(笑)
ブログへのアップを気軽にOKいただいて、ありがとうございます!
今度は、絵を見てからストーリー考えるのもいいですね。
87さんの絵、また楽しみにしてます♪
2009/8/27(木) 午後 9:46 [ 紫 ]